ケヴィン×シャルロット

499氏



世界を救うため、一行は今日も旅を続けていた。そしてある街に辿り着く。
「なあーデュラン、今日はもう宿でゆっくり休もうぜー」
「はぁ、まだ夕方になったばっかだぞ、ホークアイ」
ごねるホークアイをデュランは横目で見た。
「そうですよ、ホークアイ。買い物もしなければいけませんし」
ホークアイの横に並んでいたリースも言う、しかしアンジェラも
「えー、私も疲れちゃったわー。デュラン、お願いー」
とホークアイに同意している。
デュランはしばらく考えこんでいたが、やがて二人の意見を飲む。
「…そうだな、たまにはいいか」
『やったー』
ホークアイとアンジェラの声が重なっていた。
「ケヴィンとシャルロットもいいか?」
デュランは後ろを振り向き二人に問う。
ケヴィンはうんうんと頷いている。
しかしシャルロットは無表情に一度首を縦に振った。
デュランはシャルロットがご機嫌斜めなのに気付いたが、
疲れているだけだろうと思い、そのまま宿へと向かった。

宿を早い時間にとる日は二組の彼氏彼女が
それぞれ熱い夜を繰り広げていることをシャルロットは知っていた。
別に嫉妬しているわけではないが
見せ付けられているような気がして少し悔しかった。
(シャルロットだってこの前までは…)
早めの夕食を済ませた六人は、デュランとホークアイ。アンジェラとリース。
そしてケヴィンとシャルロットといういつもの部屋割りに別れた。
ベッドに座り込みながらシャルロットはぼんやりと考え事をしている。
もうすぐでホークアイとアンジェラが部屋を交換するのだろう。
(シャルロット達にわからないと思ってるんでちかねぇ…?)
ばれてしまったとしても何か不都合があるわけでもないが
やはり隠したいのだろう
人前でいちゃつかないだけ奥ゆかしいといえばそうなのだが
シャルロットは自分とケヴィンが蚊帳の外に追いやられている気がして少し不満を感じていた。
もちろんデュラン達にそんな気は無いことも理解している。だからこそ悔しく思えてしまうのだろう。
やりきれない思いで隣のベッドの獣人の少年を見た。彼は寝っころがって窓の外の月を見ていた。
「ねぇ、ケヴィンしゃん」
シャルロットが名前を呼ぶと同時に廊下を二つの足音が交差する。もちろんアンジェラとホークアイである。
ケヴィンも足音に気付きドアの方に顔を向けた。

「じゃあ、アンジェラとリース、赤ちゃんいるのか?」
「それがセックスすれば必ずできるワケではないんでちよ、ケヴィンしゃん」
感心した様子でシャルロットを見るケヴィン。
「でもセックスはとぉーっても気持ちイイんでちよ」
シャルロットは自慢気に言った。
「シャルロットはしたこと、あるのか?」
ここでケヴィンがもっともな疑問をぶつけた。シャルロットは待ってました、というような様子で答える。
「もちろんでちよ、シャルロットの初体験の相手はヒースでち」
自信満々にシャルロットは質問にこたえた。
「もちろんヒースも初めてだったんでちよ、
だからシャルロットがヒースを真の男にしたんでち」
その言葉を聞き、ケヴィンは顔色を変える。
「オイラまだだ…。オイラ、真の男じゃない」
落ち込むケヴィンに改めて彼の純粋さを感じた。シャルロットはあわてて誤解を解く。
「ち、ちがいまちよ、今のは冗談でち。
ケヴィンしゃんは、何でもまに受けるから困るでち」
シャルロットの言葉を聞き、ケヴィンは安心したようだった。その様子を見て、本題へと入る。
「というワケでケヴィンしゃん、シャルロットとセックスするでち」
「え、そんな事言われても…」
とにかく動揺しているケヴィン。当然のリアクションだが。
「思い立ったが吉日でちよ!」
シャルロットは彼に詰め寄り叫んだ。
「う…だって、オイラ、やりかた知ら…」
「シャルロットが教えるでち、まかせるでち!」
顔をぐっと近付け、更に叫ぶ。
「シャルロットだってヒースから教わるまで知らんでちた。
誰だって最初は初心者でちよ」
それを聞き、少し落ち着きを取り戻すケヴィンだったが、やはりためらっている。
「だって、赤ちゃんできたら…」
「シャルロットはまだ子供出来ない体なんでちよーだ」
ニヤニヤ笑いながらシャルロットは説得を続けている。
急にケヴィンはある疑問が浮かぶ。
「でも、子供作るの、恋人同士。シャルロットの恋人、ヒースさん…」
「ヒースも好きでちけど、ケヴィンしゃんも好きでちよ」
顔を寄せ、慣れた様子でキスをする。そしてすぐに口を離す。
「だから、シャルロットとするでち、アンジェラしゃん達に負けていらんないでちよ」
本音をもらしながらもケヴィンをたたみかけた。
「ホラ、さっさとお風呂に入ってくるでち。恋人同士のマナーでちよ」
そういいながら少年を煽り、部屋から追い出した。

状況を理解できないでいるケヴィンだったが、とりあえず宿の浴室へと向かった。
一人残ったシャルロットはベッドに横たわった。そして初めての夜のことを思い返した。
ウェンデルを旅立つ半年前のことである。
その日の夕方、ヒース がバイゼルから戻って来た。彼が何の用事で出かけていたのかは思いだせない。
ただ、ヒースの手の中の二つのビンが気になっていた。
「ヒース、それはなんでちか?」
一つは液体で満たされているやや大きめの細長いビン。もう一つは錠剤が入っている小さめのビンだった。
二つ共自分へのお土産だと言っていた。

「こっちはマッサージ用のローションで、もう一つはもっと気持ち良くなる薬らしいよ」
「へー、なんだか凄いでちね。さすがバイゼルでちね」
二つのビンを眺めながらシャルロットは言った。
「ローションはお風呂場で使うといいんだって、後でマッサージしてあげようか?」
「え、いいんでちか?ヒース」
ヒースの言葉にシャルロットは顔を輝かせた。
その時の彼の笑顔はいつもとは違っていたかもしれない。言葉に隠された本当の意味を知る由も無かった。
「もちろん、じゃあ夜になったら僕の部屋においで」
あの頃は本当の意味で子供だった。

その晩シャルロットは言われた通りにヒースの部屋に行った。待ってたよ、と笑って迎え入れてくれた。
「はい、これ。飲んでみて」
例のビンから一粒薬を渡されるシャルロット。
何の変哲もない白い錠剤に見えたが
「…本当に大丈夫なんでちか?」
今になって少し怖くなってしまう。毒薬でないことは明らかだが、不安であった。
「平気だよ、僕もさっき飲んだんだ」
見たところヒースに何の異常も無く、シャルロットは安心してそれを口に放り込む。好奇心が勝っていたのだ。
そして、ヒースに渡されたコップの水と共に飲み込んだ。

「何も変わらんでちよ、ヒース」
「そうすぐに効果がでるもんじゃないんだよ、でも十分位で効いてくるみたいだから」
ヒースは自分の机に置いていたもう一つのビンを手にとって
「じゃあお風呂場に行っててくれる?」
とシャルロットをうながす。しかし
「…ねぇ、ヒース。やっぱりハダカになるんでちか?」
思い出したようにとまどいを見せているシャルロット。
「服を着たままだと大変だから脱いでくれる」
「わかったでち」
彼の言葉に従い、部屋に備えつけられている浴室へて向かう。
ヒースに本当の目的があるとは知らないまま脱衣所で服を脱ぎ、
風呂場に入るとそこにはいつのまにかマットがしかれていた。この前までは無かった物だ。
その上にぺたんと座り込んだ。マットに触れている下半身が熱くなってきた気がした。
うずき始めたその部分を自分の踵の上に乗せると濡れているのがわかる。
そのまま踵で圧迫すると弱い電気が走るようだった。
(なんでちか…これは)
「ごめん、シャルロット。お待たせ」
浴室のドアが開かれる。シャルロットはあわてて踵を離し、彼を見た…のだか
「なんでヒースも脱いでるんでちか?!」
彼の裸というよりも、腹筋にへばりつかんばかりに反り返っている
男性の象徴がまず目に飛込んできた。
「やっぱりシャルロット、帰るでち」
何をされるのかはわからないが、ただごとではないと直感的に思った
シャルロットは立ち上がって彼の横をすり抜けようとした。逃げなければ。
「だめだよ、シャルロット」
体の小さいシャルロットをヒースは軽々と押さえ込み、ゆっくりマットへと組み敷く。抵抗を試みるも男の力に敵うわけが無かった。
「やだーっ、放すでち!!」
「今さ、踵であそこをいじってたでしょ」
どうやら見られていたようだった。恥ずかしい。
「いつの間にそんな淫らなことを覚えたんだい?」
身動きの取れないシャルロットは恐怖のあまり、わずかに震えている。
そんなシャルロットを落ち着かせる為、ヒースはいつもの様にキスをする。
触れ合う唇に一斉に神経が集中し、身体中が一気に熱を持つ。
それはおそらく薬だけの作用でな無いだろう。
舌で口の中をかきまわされ、シャルロットは味わった事の無い感覚にとまどいを隠せなかった。
「…薬、効いてきたみたいだね」
自身のかわいい顔を紅潮させてシャルロットはヒースを見上げた。
すると胸の突起はこわばるように硬さを増した。
それを確認したヒースはそれを口に含み、舌での愛撫を始める。
「ああっ…、あっ」
幼い風貌からは想像もつかないような、艶っぽい声が漏れる。
無意識のうちに出してしまった声にとまどいを隠せないシャルロット。
それと同時に全身が溶けていく様な気分になる。
「どう?気持ちいいでしょ」
薬―つまりは媚薬だったのだが―と、ローションの効果が相まって
成長を知らないその体に焼けつく快感をもたらしていた。
「…そんなわけないでち…」
(本当にどうなってるんでちか…)
すると胸の突起はこわばるように硬さを増した。
それを確認したヒースはそれを口に含み、舌での愛撫を始める。
「ああっ…、あっ」
幼い風貌からは想像もつかないような、艶っぽい声が漏れる。
無意識のうちに出してしまった声にとまどいを隠せないシャルロット。
それと同時に全身が溶けていく様な気分になる。
「どう?気持ちいいでしょ」
薬―つまりは媚薬だったのだが―と、ローションの効果が相まって
成長を知らないその体に焼けつく快感をもたらしていた。
「…そんなわけないでち…」
(本当にどうなってるんでちか…)
本当は体の下の方で何かが流れる感覚を味わっている。
今されている行為の意味は良く解らないが、
恥ずかしいということだけは解った。
だからその刺激で体の芯を熱くしていることを悟られて欲しくないのだった。
「やっぱり、こっちの方が感じる?」
ヒースはシャルロットの毛も生えていない割れ目へと指を滑らせる。
「ヒースっ!」
どうして他人に脚の付け根の奥の部分を触られることが恥ずかしいのかは知らない。
ただ本能がその理由を知っていた。
「こっちにはローション付けてないハズなんだけど…どうしたのかな?」
シャルロットの大切な部分はすでに自身の分泌液にまみれていた。
「やっ、いや…」
ヒースは手にローションを垂らし、まずは敏感なルビーに触れる。
とたんにシャルロットの体が大きく跳ねる。
「ヒース、さわらな…っ」
快感のせいで最後まで を結べない。
柔らかく指で挟まれると歓喜が湧いてくるようだった。
「凄い濡れようだね。もう指が入るかな?」
薬だけの効果とは思えないシャルロットの痴態にヒースは満足気な顔をする。
「ひゃっ…、ああん」
どんなものの侵入を許したことのない秘密の場所へ彼の指がゆっくりと挿入される。
亀裂に指を挿し込み、掻き回すとシャルロットの胴体が一段と大きく跳ねた。
「あっ、だめ…こわいでち」
初めての感覚に僅かに恐怖を感じてしまっている。
しかしすぐにそれは快楽にとって変わられる。
ヒースが指を出し入れする速度を速めると、呼応するようにシャルロットの色っぽい声は大きさを増した。
「あっ、あっ、ああーっ!」
ひときわ大きい叫びと共に最高の快感をその身に感じてしまう。
割れ目からは無色透明の体液が溢れ出ている。
「指だけでこんなになるもんなんだ…」
手にまみれた液体を見て、ヒースは思わず感心する。
(何が起きたんでちか…)
シャルロットは初めての官能に耐えきれず、自然と涙を流してしまった。
身体中から力が全て奪われてしまい、指先は静かに震えている。
「こんなんでイっちゃだめだよ。もっと大きいのが入るんだから」
大きいもの?…何だろう
行為を把握しきれていないシャルロットに思わず笑みを漏らし、彼女の脚をつかむ。
限界まで開かれた脚の間のクレバスは蜜で妖しく光っていた。
「何を、するんでちか…?」
不安が大きくなるシャルロット。だが逃げようにも腕にも足にも力が入らない。
「今からね、これをいれるんだよ」
その手に握られた肉塊をシャルロットの亀裂へと押し付けるヒース。
行動の真意はわからないにしても、恐らく痛みを伴うであろうことはシャルロットに予想がついた。
「は、入るわけないでち…」
「そう?じゃあ僕のにもコレを塗ってみようか」
マットの上に置かれたローションを二人は見た。
ヒースはそれを、起き上がったシャルロットに手渡した。
しかしビンを持ったままシャルロットは沈黙している。
何をすればいいのか解らないほどには鈍感ではない。
だがやれと言われてすぐに実行出来るものでもない。
「じゃあさ、そこに座ってよ」

蓋をしてある浴槽を指指した。
「あ、そうか。腰が抜けて立てないか」
ごめんね、と笑いながらシャルロットを抱え上げて座らせる。
脚を開かせられているので成長前にもかかわらず、
大人と同じ反応を示しているそこが丸見えになっている。
「手を出してごらん、シャルロット」
言われた通りに片手を差し出す。
ヒースはローションをシャルロットの手にたっぷりと垂らし、
自分の分身を彼女の小さな手で包ませる。
「え、何でちか?放すでち」
ヒースの手で押さえられているために肉棒から手が離れない。
熱い塊は硬さを増したようだった。

「こうやって、手を動かすんだよ」
ローションまみれのシャルロットの手を握り、自身を上下にしごかせる。
シャルロットは戸惑いを隠せないようで、訴えるような瞳でヒースを見た。
「ああ、君だけにそんなことさせるのはフェアじゃないか」
シャルロットの手を包み込むのをやめたヒースの手は
再び割れ目をいじりはじめる。
「あっ、ああ…」
細い指が内部を掻き回し、わずかに大きくなった核にも触れる。
「これで文句無いでしょ?」
混乱しきったシャルロットの頭は、ヒースの手が自分の手から離れたことも気付かなかった。

ヒースに言われた通りに手指をぎこちなく動かす。
その間もシャルロットの亀裂は彼の指にもてあそばれている。
「ふあっ、あっ、ああん」
体を震わせ、その小さな身には大き過ぎる快感を浴びる。
それと同時にシャルロットの手からヒースが離れた。
「どんどん溢れてくるよ、止まらない」
感心したようにヒースは言う。
脱力しているシャルロットを抱えて浴槽の上から下ろした。
「いい、力を入れちゃダメだよ」
ヒースは壁に寄りかかるように座り、シャルロットを向かい合うように抱き抱えている。

本能を刺激されきったシャルロットの体には
逃げる力も拒絶の声をあげる力も残っておらず、彼に従う他なかった。
バランスを崩さぬようにヒースの肩と首にしがみつく。
「入れるよ、いいね?…」
ヒースは抱き上げているシャルロットの体をゆっくりと下げ始める。
己の中心に熱い塊が触れ、びくりと一瞬跳ね上がったその体をしっかりと抱き締め
位置を確かめるように割れ目を肉棒でなぞる。
「あああーっ、いやーっ」
先端から徐々に飲み込まれると同時に、シャルロットの口から嬌声があがる。
あわてて腰を引こうとしたが彼の腕が許さない。

「あー、…やっぱり全部は入らないか」
大地の引力には逆らえず、シャルロットの躯はヒースを深々と飲み込んだ。
当然幼すぎるそこでは根本まで入るわけも無く、
シャルロットが圧迫による痛みを感じぬようにヒースは両腕でしっかりと支えている。
「ヒースっ…、一体何を…」
息も絶え絶えの状態のシャルロットが彼を睨み付ける。しかしそれは上目使いで男を見る女の目であるようにも見えた。
「その様子だと痛みは無いみたいだね」
良かった、と安心するとヒースはシャルロットを支える腕の力を強め、静かに揺さぶり始めた。

「―――っ」
真下から腹膜を破らんばかりに突き上げられ、
シャルロットは声にならない声をあげた。
痛みは全く無いものの、その衝撃はあまりにも強いものだった。
「シャルロットの中…すごくあったかいよ」
小さな体を抱き締め続けながらヒースは耳元で囁いた。
粘膜を擦る熱い塊が彼女の神経を痺れさせる。
吹きかけられる吐息さえもシャルロットの感覚を刺激するのに十分であった。
「ふあっ…、ああっ、もうダメー!!」
押さえきれない声をあげ、瞬く間に追い詰められてしまい、シャルロットはそのまま気を失ってしまった。

「……ロット、シャルロット」
名前を呼ぶ彼の声。
気が付くとヒースとつながっていた部分から白い液体が垂れていた。
「ヒース…」
うつろな瞳に銀髪の青年の顔が映る。
「薬、いらなかったみたいだね」
目を覚ましたことに安心した様子で少し笑って、ほっぺたにキスをしてくれた。
その口付けが受けた全ての恐怖を清算してくれた。
「ヒース、一体何をしたんでちか…」
行為の内容はつかめたが、意味は知るよしもなかった。
ただ頭が真っ白になる感覚だけが残っている。
「後でゆっくり教えてあげるから」

そう言いながらヒースはシャルロットの割れ目へと指を這わせ、
自らが吐き出した精液をすくい取った。
「あっ…」
いきなりの刺激にまた声を出すシャルロット。
「これが僕の味だから、よく覚えておくんだよ」
白濁した体液をシャルロットに舐めさせる。
嫌がる様子は何一つ見せずに、その味を確かめた。
「君が大きくなってもずっと一緒にいようね、約束だよ」
「…わかってる、でち」
この時すでに媚薬の副作用の為、二人共が凄まじい眠気に襲われていた。
だからその夜は浴室で眠ってしまった。
そして二人仲良く風邪をひいてしまった。

次の朝、おはようのキスをしようとしたら
鼻が詰まっていた為に苦しかったのをよく覚えている。
君も僕もこれで大人の仲間入りだね、と鼻声で喋るヒースがなんだかおかしかった。
「それなのに…」
彼は側には居ない。
だから彼を捜しに旅立った。
実は彼がアストリアに出掛ける前の日の夜も情事に明け暮れていたのだが
その時にほんの一瞬だが、彼の体が氷…いや氷河に沈んだ金属の冷たさだったかもしれない―
のように感じられた。
快楽とは違う、背筋に走った悪寒に恐怖を覚え、思わずヒースから体を離してしまった。

どうしたのかと心配そうな顔をする彼の体には体温がきちんとあって、
だから先程の寒々しさは気のせいだったのだと自分を納得させた。
しかし、その夜に見た夢は暗黒色をした泉に飲み込まれるというものであった。
自分が、ではない。
闇に沈みゆく銀髪の神官の影を見た。
運命の朝、目が覚めるとヒースが既にアストリアへと向かった後であった。
そして悪い予感は現実のものとなった。
解っていたのに、知っていたのに…何も出来なかった。
どうして運命とは悲劇ばかりなのだろう。
でもヒースを助けだしたい。その思いだけが自分を支える。

「…ロット、シャルロット」
誰かが私を起こそうと名前を呼んでいる。
そうか、これは夢なんだ。ヒースがさらわれたのも夢なんだ。
だから目が覚めたら…
「ケヴィン…しゃん」
やはり現実は時として残酷で、でもだからこそ楽しい時間もあって。
「ごめんでち、うっかりお昼寝してたでち」
「もう夜、昼と違う」
「う、うるさいでち…」
最近ケヴィンは口答えをするようになった。
少し腹立たしく思える時もあるが、この少年と居ると心が和む。
ヒースに対するものとはまた違うのだろうけど、彼には特別な感情 を抱き始めてしまっていた。

「…で、覚悟はできてまちね」
シャルロットはニヤリと笑って起き上がった。
ケヴィンは困惑した表情を浮かべたままである。
この少年は口数こそ少ないものの、無表情になることはないので
大体何を思っているのかは理解に容易い。
「…う、でもヒースさんに」
「あーんな男、どーだっていいんでち」
シャルロットを独りにするような男は恋人失格―ヒースにとっても不本意な別れであると知っているけど
そう思い込まないと、逢いたくて苦しくてたまらない。
「ところでヒースって何のことでちか?宿の庭に植わっている植物のことでちか?」

自分でも最後は声が震えていたのがわかった。ケヴィンも気が付いていた。
「なーんて沈む話題は止めて、今夜は楽しむでちよ。さっさと裸になるでち」
全ての憂鬱を吹き飛ばすように明るい声をだす。
ケヴィンはシャルロットの、例え傷を負っても皆に心配かけまいと
笑い続ける健気さをいつでも眩しく思っていた。
(シャルロットがそれで喜んでくれるなら…)
何でもしてあげたい。
わずかの間でも、辛いこと全て忘れてくれるかもしれないから。
言われた通りに服を脱ぎ捨てると鍛えぬかれた躯があらわになった。

シャルロットはその立派な体格にみとれてしまった。
肩や腕の筋肉の盛り上がりの陰影が、少年の力強さを物語っている。
「キレイ…でち」
「え?何か、言ったか?」
「なーんでもナイでちよ」
シャルロットはケヴィンに自分の横に寝るように言うと、彼は言葉通りに従う。
自分も衣服を脱ぎ、仰向けになっているケヴィンの上にまたがった。
膨らみもくびれもまだ何もない体ではあるが、それに不釣り合いな色気をかもし出している。
「シャルロットに聞きたいことある、いい?」
突然にケヴィンは口を開いた。
「何でちか?ケヴィンしゃん」

一呼吸おいてからケヴィンは言った。
「ヒースさん以外の人と、したことがあるのか?」
「あるわけないでちよっ!!」
何となく気になって聞いてみたのだが、どうやらシャルロットの機嫌を損ねてしまったらしい。しかし
「あっ、ナルホド。やきもちを妬いてくれるんでちね」
都合のいいように解釈してすぐに機嫌を直す。
切り替えの早さはケヴィンだけでなく、他の仲間もうらやむ部分であった。
「…じゃあ、はじめるでちよ。シャルロット先生にまかせるでち」
始まりの合図とともにケヴィンの両頬に手を添えて、ヒース仕込みの口付けをする。
柔らかい唇の感触に戸惑い気味のケヴィンであるが、されるがままになっている。
シャルロットはそのまま舌を入れようとした。
「こらー、ケヴィンしゃん。離れちゃダメでちー」
「うう…でも今、舌を口の中に」
明らかに動揺してしまっている。自分も同じ思いを感じたことを思い返し、初々しい反応に思わず笑みを浮かべる。
「緊張してるからダメなんでちよ、もっとリラックスするでち」
ヒースがその時に言ってくれたアドバイスを喋る。
「…っていっても、緊張なんて簡単にほぐれるもんじゃないでちからね、でもシャルロットを信じるでち」

再度唇を重ね合わせ、隙間から舌を滑り込ませる。
自身の舌でケヴィンのそれに触れる。わずかだが再び体を硬直させた。
そのまま器用に「元」恋人よりも長めの舌と絡め合う。
ぬるっとした感触が懐かしく、新鮮でもあった。しばらく彼の暖かさを楽しんでいたシャルロットはやがてケヴィンを解放する。
二人の顔の間に水晶色の糸が現れ、消えた。
「ふふっ…」
「シャルロット、何笑ってる?」
「何でもないでち」
ついヒースの事を思い返した自分自身がおかしいと思った。
彼はもう戻って来ない、そんな気がする。

この旅路で彼との再会は絶対に可能であろう。しかし、どうも前の様に暮らせる気がしないのだ。
誰にも言えないが、そんな雰囲気の夢を見るときがある。
悪い夢は必ず当たる、それは彼を守れずにいた情けない私が一番知っている。
ところでふと思う。私はこの少年を本当の意味で必要としているのか。
もしかしたら単なるヒースの代わりにしようとしているのではないかと。
そんないい加減な考えで、二人の男性に対しても失礼な事をしようとしているのではないかと。
一瞬の間にそんな事を考えたシャルロットであったが
やがて頭を切り替える。
(こんなしみったれた考えはシャルロットの辞書にないでち)
やることをやってから考えればいい。結果や結論は後から付いてくる。
今わかっていることはただ一つ、ケヴィンと一つになりたい。それだけである。
自身の想いを確かめた後、シャルロットはケヴィンの首筋へと口付け舌を這わせる。
魔物の牙や爪に裂かれそうになったことはあっても、誰かに舐められたりすることはなかっただろう
だからきっとくすぐったがって暴れるだろうと予想していたがハズレとなった。
「…くすぐったくないんでちか?」

気持ち良さそうに目を閉じていたが、ゆっくりとまぶたを開き
「ウン…、カールがじゃれついてくる、慣れてる」
悲しみの影を隠しきれずにケヴィンは小さく笑った。
「…でも、なんかヘンな気持ち。カールとはまた違う、何だか熱い」
「イイ…でちか?続けて欲しい?」
答えはわかりきっているがあえて聞いてみる。
「とてもイイ、だから続けて欲しい。シャルロット」
誘惑するようにうるんだ月光の瞳からシャルロットは目を離せなかった。
月の魔力なのだろうか、その視線だけで下半身がさらにうずいて、焼けつく。

優しい愛撫に息を荒くしているケヴィン。
シャルロットは肋骨に口を滑らせながら少年の逸物へと手を伸ばす。
「っ…シャルロット、ソコは」
柔らかい手つきで包み込まれたそれは、既に硬化しだしていた。
指先で裏側の筋に触れると持ち主の体がびくりと跳ね上がる。
「ソコは…何でちか?ああ、もっと気持ち良くして欲しいんでちね」
了解でち、と言って一人納得したシャルロットは密着させていた体を一旦離し、しかし彼を見つめたまま、後方に移動する。
そして両手で肉棒をぎゅ、と握る。
(ヒースより大きいけど口に入りきりまちかね)

経験の回数こそ多いものの、人数に関しては一人の男性しか知らない。
だから結局は彼と比べる他無い。
しかし獣人であるケヴィンのそれは、世間ではかなり大きい方だと直感的に確信する。
(顎が疲れまちね、きっと)
まずは冠の部分を舌で舐め回しす。久しぶりだったがシャルロットの動きはよどみ無い。
「…うっ、シャルっ」
金色の瞳にうっすらと涙を浮かべ、眉間を寄せている少年の顔は
あまりにも色気をたたえ過ぎていて、それがますますシャルロットの興奮を煽りたてる。
「ふふっ…痛いコトも怖いコトも無いでちよ。大丈夫でち」

裏筋に丹念に舌での愛撫を加えていたシャルロットは
やがて自身の小さな口を開いてケヴィンを包み込んだ。
歯を立てぬように気を付けて喉の奥、ギリギリまで飲み込む。
気持ち良さそうで、しかしまだ若干不安そうな少年の瞳に、青色の目で笑いかけて行為を続けるシャルロット。
息がつまる所寸前までくわえこんで、再び顔を引いて、もう一度奥まで飲み込む。
繰り返される一連の動作はケヴィンに限界をもたらそうとしていた。
「あっ、もう…オイラ」
太く長い竿にむしゃぶりつきながらもシャルロットは自分の秘裂へと指を伸ばし、かき回した。

シャルロットは快感を与えることによって、
自身も同じ快感を得ているかのように一心不乱に唇と舌を動かした。
きつく閉じられた黄金色の瞳から涙が一粒こぼれると同時に肉棒が痙攣し始め、
熱い液体がシャルロットの口内に溢れ出す。
(ヒースと味が違うでち、人によって違うってマジだったんでちね)
口の中で唾液と混ざった精液を味わい、一気に飲み込む。熱い流れが喉をつたう。
「シャルロット、ごめん。我慢出来なくて…」
「ううん、とってもおいしいでちよ。舐めてみまちか?」

飲みきれずに口の端から垂れてしまっている白濁液を
指ですくってケヴィンの口元に差し出した。
いいえと言うわけにもいかなくなったケヴィンは
おずおずと舌をシャルロットの細く短い人差し指へと伸ばす。
「じゃあ次はケヴィンしゃんもやってみるでち」
仰向けに横たわる鍛え抜かれた体の上で、シャルロットはもぞもぞと体勢を変える。
「ケヴィンしゃんもシャルロットのアソコを舐めてみるでち」
上半身と下半身の位置が逆転した状態で少年の上にまたがっているので
ケヴィンの視界に入るのはシャルロットの生殖溝だけであった。

毛の一本も生えていない桃色の割れ目からは、それににつかわしくない透明な液体がにじんでいる。
「…シャルロット、もしかして」
「おもらししたわけじゃないでちよ。オンナは気持ち良くなると別のお汁が出るんでち。
それとも舐めたくないでちか?」
シャルロットは肉棒を握りったまま、ケヴィンに問いかけてみた。
「本当に、舐めていいのか?」
舐めてみたいけどシャルロットがしてくれたように上手くできないかもしれない、
ケヴィンはそう言う。シャルロットは振り返って

「何事もチャレンジでち、シャルロットだって最初から上手だったわけじゃないでち」
それを聞いたケヴィンは安心する。そして割れ目の奥まで覗こうと指で襞を左右に開く。
久しぶりに他人に触れられるその部分は感度が高くなってしまっているようで
ケヴィンに見られていると思うだけで液体を分泌しだす。
「きゃっ…」
巧みな舌先の動きでケヴィンをしゃぶっついたシャルロットであったが、
突然に花弁に舌を這わされ、小さく悲鳴をあげる。
「え?!…やっぱり、舐められるの、イヤか?」
ケヴィンはあわてて割れ目から口を離す。

「あっ、ああっ…」
長く、ぬるりとした感触がシャルロットの中に侵入して動き回っている。
(…こんなの初めてでち)
シャルロットはケヴィンのものを口に入れているだけで精一杯だった。
あまりの気持ち良さに舐め返す力も残っていない。
そんなシャルロットに気を良くしてか、ケヴィンは更に舌を奥に突き入れて掻き回し続ける。
「…っ、ああっ。いやあっ」
体の奥底から懐かしく激しい感覚が沸き上がり、シャルロットはエクスタシーに震える。
ケヴィンはそれでも舌を抜かずに幼い縦割れの泉の奥へ奥へと突き進めようとする。

「ちょっと、ケヴィンしゃ…あっ」
一度絶頂を迎えたにもかかわらず、愛撫を止めないケヴィンに振り向く。
ケヴィンはシャルロットの視線に気付きやっと裂目から唇を離し、心配そうに言った。
「…やっぱりオイラじゃ気持ち良くなかった?」
そう言葉を結び上げる少年の胸の辺りには少女の愛液が垂れて水溜まりを作っている。
「違いまち、逆でち。すっっごくイイでち」
「そうか、よかった」
シャルロットが満足してくれたことに心の底から本当嬉しそうに笑う。
彼につられてシャルロットも微笑んだ。
「じゃ、ホンバンにいくでちよ」

シャルロットは体の向きをぐるりと変えて再びケヴィンにまたがるような体勢になる。
そして自分の片手の指で入り口の花弁を開き、硬く立ち上がっているケヴィンの先端にあてがう。
シャルロットがケヴィンを見ると少年はもはや戸惑うような表情は一切見せず、
その代わりに期待と愛情に満ちた好奇心一杯の月色の瞳を向けていた。
「わかってるとは思いまちが、出すのは出来るだけガマンするんでちよ」
(…入りまちかね)
少し心配だったがこの濡れ具合いなら平気だろう。
花弁が肉棒に触れるとシャルロットは幼いその体を小さく震わせた。

シャルロットが腰の位置を下げるとケヴィンは彼女の動作を助けるように腰骨自然とに手をかけた。
そんなケヴィンの動きがまるで銀髪で年上の彼そっくりで、思わず口元から笑みがこぼれ出す。
熱を持った肉塊の存在を確かめる様に割れ目を肉棒にこすり付けると、にちゃにちゃという水音が響く。
「…じゃ、入れるでちよ」
膣の筋肉を緩めるように息を吐くとゆっくりと腰を落とし始めた。
しかし思った以上に大きくなっている肉棒はなかなか体に埋めるのは難しい。
「もう、イッキにいくでちよ!」
誰かに言うともなく少し大きな声でぼやいた。

勢いを付けて腰を沈めるとやっと先端が侵入してきた。何事も勢いが重要なのだろうか。
「あっ、入ってくるよ…いいでちっ!」
幼い外見にはあまりにも不似合いな嬌声をあげて更に肉棒を下の口で飲み込んでいく。
太い長い硬いと三拍子揃ったケヴィンの逸物はシャルロットの膣を裂かんばかりに押し広げ、その姿をどんどん隠していく。
「…っああ、ケヴィン、しゃんっ」
思わず少年の名をあえぎ声混じりに叫んでしまう。
久しぶりに他人の熱を受け入れたそこは溶岩の様に溶けるような熱さを持つ。
そのままの勢いで肉棒を体内へ押し込み続ける。

しかし当たり前なのだがヒースのものさえまともに入りきらないシャルロットの秘孔が
ケヴィンのものを根本まで受け入れられるわけが無かった。
小さく舌打ちをしてしまうシャルロット。
「シャルロット?やっぱりイヤ…か?」
耳の良い獣人の少年は少女の舌打ちを聞き逃すはずは無い。
シャルロットは頭を振って否定する。
「せっかく楽しもうとしてるのに全部入らないシャルロットのアソコが情けないんでち。
ケヴィンしゃんにも申し訳ないでちね」
すまなそうにケヴィンに微笑んで続ける。
「シャルロットはまだまだガキンチョでちから」

寂しそうな笑いだった。
シャルロットがこんな笑い顔を見せるのは初めてかもしれなかった。
「オイラ、シャルロットはガキンチョじゃないと思う。シャルロット、オイラよりずっと大人で立派」
ケヴィンの言葉は慰めでも優しい嘘でもない、シャルロットを見上げ続けている月光の瞳には曇り一つ無かった。
「あーりーがーと、でちっ」
嬉しさに言いたいことが脳裏にたくさん浮かんだが、この場で言うような言葉では無いかもしれないので体で表現する。
「なっ…シャルロット」
根本まで入りきらないながらも腰を上下に激しく動かし始めた

粘膜が擦れる水音が室内に響く。
「あっ、ああんっ、…はっ」
熱い塊が内壁を削り上げるたびにシャルロットの蜜壺は愛液を分泌し、行為を助けている。
内臓を押し上げるような激しい挿入はシャルロットだけではなく、ケヴィンにも火花のような快感を撒き散らしていた。
「あっ、ケヴィンしゃん…気持ち、イイでちか?」
息も絶だえそうになりながら問いかけた。
ケヴィンは目を開けると
「最高、シャルロット」と返答する。そしてその言葉が合図にしたのだろうか、ケヴィンも真下からシャルロットを突き上げる為に本能的に腰を動かす。

「きゃああん、ああんっ」
ケヴィンが腰を使い始めたので、肉棒が膣壁をなぶる速度が上がった。
それと同時にシャルロットには思考が吹っ飛んでしまう位の絶頂の波が押し寄せてくる。
「あああっ、イクっ。イっちゃうよおっ!」
しばらくご無沙汰だったからなのか、それともケヴィンとの相性が良いということが判明したのか
あっと言う間に快楽の頂点へと登り詰めてしまう。
「ああんっ、ああーっ!!」
普段の彼女からは想像もつかないなまめかしい声が愛らしい口から漏れ、力が抜けてしまったようにケヴィンの胸板に両手をついて体を支えた。

一方ケヴィンはというと言われた通り、射精しそうになるのに耐えつつ腰を下から動かしていた。
「あ、ああっ…ケヴィン、もう、いいでちから。ああんっ」
「そうか、オイラもう我慢でき…うっ」
ケヴィンが言葉を途切れさせるのと同時に彼の肉棒がびくりと震え出し、熱い流れがシャルロットの中に溢れ出す。
子宮口に少年の精液がかかるのを感じて、エクスタシーの余韻に浸っていた金髪の少女は背筋を小さく震わせた。
「はぁっ…、あっ」
二人共がまぶたを閉じて息を荒げ官能の残り香を楽しんでいた。
しかし下半身はまだ結合したままでいる。

やや理性を取り戻したシャルロットはまだ自分に突き刺さっている肉棒の存在にやっと気付いた。しかも…
「ケヴィンしゃん、ちゃんとイキまちたよね?中に出しまちたよね?」
硬さも大きさも爆発前と変わらずにそのままの状態を保ち続けている。
「…オイラにも、わからない。あ、大丈夫だから、オイラにまかせて」
ケヴィンはそう言って、上に乗っているシャルロットの体に手を掛けた。
「え?ケヴィンしゃ…」
次の瞬間にはシャルロットの真上にケヴィンの金色の瞳が光っていた。



「これでシャルロット、疲れないし気持ちいい。オイラ頑張る」

ケヴィンは己を一切抜かず、体位を正常位へと移行してしまった。
何が起こったのか状況が飲み込めていないシャルロットは大きな瞳をぱちくりとさせた。
「今度はオイラにやらせて」
ケヴィンは自分からシャルロットへ口付けを落とすと舌を絡ませ合い、唇を離さぬまま抽送を開始した。
入り口付近まで引き抜かれては、再度勢い良く膣内に押し込められる。
これら一連の動きは先程まで自分でしていたものなのに、他人に主導権を握られると
また違う快感が呼び起こされるのをシャルロットはとても良く知っている。
「イヤっ、ああんっ…。ああっ」

絶頂に達してからいくばくも経っていないその体にケヴィンの腰使いはあまりにも強い刺激だった。
「ああああんっ、ダメっ、とまってぇ」
膣内に放たれたばかりの精液が激しい出し入れをより滑らかにしていた。
そして肉棒が一往復するごとにシャルロットの秘穴からは白く濁った粘液が掻き出されている。
「ダメっ、壊れちゃう…あ、ああっ!」
上体をのけぞらせて艶っぽい声をあげているシャルロットをよそに、ケヴィンはさらに深く速く彼女の内部をえぐり続けている。
「ーっ、…あっ、はぁっ」

シャルロットは声を出す力も残っておらず、甘い吐息だけが半開きの口から漏れていた。
しかし一方、膣壁の筋肉はさらにケヴィンを欲しがるようにその締め付けを強くした。
「…出そう、いい?」
ケヴィンが二発目を注ぎ込むて同時にシャルロットの全身に快楽の電流が駆け抜けた。
満足したのだろうか、ケヴィンはやっと秘穴から己自身を引き抜く。体液にまみれた肉棒はもう彼女を犯すのを止めたようだ。
「ケヴィンしゃん…さすがでちね」
割れ目から流れている二人分の粘りつく液体が花弁をつたい、白いシーツを濃く染める染みを作った。

夜の遊びが終わったあと、戦闘とは違う疲れのために二人はしばらくぐったりとベッドに横たわっていた。
「…何でちか、ケヴィンしゃん。言いたいことがあるならハッキリ言うでち」
自分あれだけ楽しんでおいて今更説教でもするつもりなのだろうか、
(だとしたら、ゆるさんでちからね…)
警戒しているのが顔に出てしまっているだろうがそんなことは気にしない。
だがケヴィンの言葉はシャルロットが予期せぬものだった。
「シャルロット毎晩泣いてる、オイラ知ってる。シャルロット泣く、オイラとても辛い」
「…!!」

バレないように静かに泣いていたつもりだったのにケヴィンにはお見通しだったようだ。
「シャルロット泣くのやめるなら、オイラ何でもやりたい…」
シャルロットは無言のまま横の少年と視線を合わせた。
ケヴィンはシャルロットが何かを言うのを待っている。
「…ありがとさん、でち」
そう言うと同時に窓の外から猫が喧嘩する声が響きわたり、ケヴィンはそちらに気を取られてしまった。だからシャルロットの言葉を聞き取れなかった。
「え?…何?シャルロット」
「シャルロットの下僕になりたいなんていい度胸って言ったんでちよ!」

声を少し張り上げていたが怒った様子ではなかった。
「じゃあ約束通りに明日の夜も…わかりまちね?」
悪戯っぽい天使の微笑みをたたえてシャルロットはケヴィンに軽くキスをした。
ケヴィンもまんざらでもなさそうに笑顔になる。
その夜はやっと泣かなくて済んだ。
ケヴィンが居てさえくれば、この先で確実に起こるであろう悲劇も乗り越えていけるだろう。
…だから
「ケヴィンも、いなくなったり、しないでね」
寝息を立てているその横顔に唇を触れさせた。


「なあ、デュラン。昨日の夜の猫の喧嘩」
「知ってる。ホークアイも聞いたのか。一瞬モンスターかと思ったぜ」
翌朝、旅を続ける若者逹は宿の食堂に顔を揃えていた。
「あれ?ケヴィンとシャルロットは」
ただし二人を除いてだが。
「まだ寝てるんじゃないのー?あいつらも『お疲れ』なのかもよー。あはは」
「アンジェラ、まさかあのガキ共に限って…なあ、リース」
ホークアイは向かいに座っているリースに話を振った。
「そうよ、アンジェラ。シャルロットにはヒース神官がいますよ」
「それにケヴィンはシャルのタイプじゃないだろ」

「そうそう、そのヒースの噂なんだけどね。もうシャルロットと…らしいわよ」
「おい、アンジェラ。そんなこと言っていい…」
「デュラン、お黙り!」
アンジェラに睨まれてしぶしぶ黙るデュラン。早速尻に敷かれてしまっているらしい。
「え?本当なの?」
以外にもリースが興味を示した。
「ま、あくまでも噂、だけどね」
「でも本当だとしたら、…ねぇ」
苦笑いをする若者達。
「おはよーさん、でち」
「みんな、早いな」
「ああ、おはよう」
デュランが二人に応えた。
六人が朝食のテーブルにそろい一日が始まる。

「ケヴィンがコイツと一緒に起きてくるなんて珍しいわね」
「いつもは日の出と共に目を覚ましてんのにな」
ケヴィンとシャルロットは顔を見合わせて笑う。
「みんな同じ穴の『ムカデ』でち」
シャルロットは四人を見回してフフンと鼻を鳴らしたが
「シャルロット、ムカデ違う。ムジナ」
ケヴィンが素早く突っ込んだ。
「う、うるさいでちねぇ!」
「ケヴィン、今の間最高だったぜ」
ホークアイが煽り立て、残りの三人は腹を抱えて笑いを堪えている。
「あはは、早く朝食を済ませて買い出しに行きましょう」

「そういや、クルミも無くなってたな」
「そーよ、皆が魔法使えるようになったからすぐになくなっちゃうのよ」「う、ゴメン…」
「ケヴィンはいいのよ、問題はデュラン!どーしてあんたまで、生意気よ!」
「はぁ?いいがかりはよせよ!」
笑いの絶えた朝食の場面は今までなかった。
(シャルロットって恵まれてまちね)
「で、何がムジナなのよ?シャルロット」
アンジェラは矛先を変えてシャルロットをつっついた。
しまったと思いながらアンジェラの顔を見るとニヤついている。わかっているのにあえて喋らせる気らしい。

どうやらシャルロットの言葉の真意を皆理解してたらしく、各々薄笑いを浮かべていた。
「何でもないでち」
「あそ、じゃあケヴィンに聞いてみよーっと」
「うきゃーっっ!!やめるでち!」
「ケヴィン、昨日の夜ナニがあったんだい?ん?」
ホークアイが芝居がかった動きでケヴィンの逞しい肩に手を置いた。
「ホークしゃんまで!」
朝から騒がしい六人である。と、その時
「あら、外で猫が喧嘩してますよ」
ギャーギャーわめきながら争う二匹の猫。
雌猫を巡って争う雄猫だったということは誰も知らない。
「…朝から元気だな」



end



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