愛欲旅情続き
何処かのフリーター ◆D5K0PnGiio 氏
張り詰めた一部を温い何かで包まれている心地良さで眼が醒める。
起こしついでに、男の朝の生理現象に乗じて一番搾りを味わおうとする
相手の頭を、夢現のまま習慣のように撫でようとしたところで違和感を
憶えた。習熟不足から来る舌の動きのぎこちなさ、今一歩踏め込めない
消極性、何よりここは起き慣れた自分の部屋ではない。
「んっ…おはよう、ございます。」
「…おはよう。」
朝から勝手に奉仕をした事からか、何処となくバツの悪そうな顔で男の
起き抜けの状態など知る由もなく挨拶してきたリースに続けるように促す。
許可を得、マイナス要素のひとつである消極性は完全に消えていた。
鈍った頭で甘受するそれは、夢精にも似た快感があるとリースの頭を
撫でながら漠然とデュランは思った。
「…く……ん!!」
そのまま我慢の一切を放棄してリースの口内へ、予告なしに白濁を
ブチ撒けていく。今襲撃を受けたら剣を取って闘えるだろうかと、益体も
ない事を考えながら、朝一番の射精特有の心地良すぎる脱力にその身を
委ねる。
「あの、どうでしたか?」
精液を嚥下し、自主的な『お掃除』を終えてからリースが尋ねる。彼女に
口戯を教えたのはまだ昨夜の事だ。ぎこちなくはあったが、しっかりと
絶頂まで導けたのは彼女の懸命さに拠るべき所だろう。
「気持ちよかったよ。ありがとう。」
改めて頭を撫でられ、リースは顔を綻ばせてから
「次は私にも…。」
唇を重ねようとする。デュランが起きる前に眼を醒まし、初めて見た
朝立ちに彼女は―――純粋な欲情を覚えていた。
舌を何度か絡めて離れる。少し驚いたがデュランにも異存はない。
「…いいぜ。まだ余裕はありそうだしな。」
指をリースを瑞々しい身体に這わせながら、寝起きの悪い自称
『美少女魔導師』が起きるまでには、少なくとも1回はじっくりと
色に染まりだした少女を抱けるだろうとデュランは計算する。
朝日が肌に金色の髪に弾けて煌いていた。
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