瑠璃×黒真珠
277氏
あの後、宝石王を倒した後。
ユウの協力もあって俺達の煌めきの都市ができた。皆、最初は戸惑いながらもなんとか暖かな人間(?)関係をきづきあげた。
それぞれの家もでき、未来が見えてきた。俺以外は……。
この都市はとても美しく、真珠も喜んでいた。それでも俺の心にはポッカリと大きな穴が空いていた。まるで核が丸ごと無くなったかのように。
どんなに綺麗な都市でも、彼女がいないと俺の中でその美しさは色褪せてしまう。彼女がいなければ、俺の存在に意味などないのだ。
ウンディーネの加護に満ち満ちたある朝、彼女はやってきた。
「久しぶりだな、黒真珠」
ノックもせずに人の部屋に入ってきた訪問者に語りかける。振り向かなくても、空気で分かった。俺の愛しい人。
「あぁ、久しぶりだ。宝石王の件以来か」
黒真珠が微笑を浮かべる。
「あれから、全然でてこなかったな」
「真珠の意識が強くてな。出てこようにも出てこれなかった。寂しかったか?」
「ば、バカ言うな。俺が寂しいはずないだろう」
赤面しながら答える瑠璃に笑みを浮かべながら
「そうか、すまなかった」
と答える。その顔は嬉しそうで、それなのにどこか憂いを帯びていた。
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