575氏
寝る準備はお互い万全だったから、後は布団に入るだけ。
リースは先に布団に入り、エリオットも入る。
心地いいシャンプーの匂いが、ベッドの中に舞う。
二人は逆の方向を向きながら、いつものようにたわいもない話をし始める。
話しながらも、いつもとは違うドキドキを感じながら。
ふと会話が止まった。
そして、リースがエリオットの方を向いた
その時、エリオットがリースにフワリと抱きついてきた。
リース「エ…エリオット…?」
エリオット「お姉さまの体、柔らかい…」
突然の抱擁。エリオットの体も柔らかいと言おうとしたら…、リースは自分のお腹の辺りに固い物が当たっている感触を感じた。
エリオットは…やっぱりもう子供じゃない…。
リース「エリオット…ちょっと恥ずかしいから駄目だって」
エリオット「恥ずかしい、か…」
リース「?」
エリオット「お姉さま…僕、知ってるんだよ?」
リース「え…?」
エリオット「お姉さまが寝る前に、何をしているかを」
リース「!?」
エリオット「初めて気が付いた時は、ちょっと幻滅しちゃったかな…あのお姉さまが、まさか僕の名前を言いながら自分の」
リース「いやっ、言わないで!」
まさか聞こえていたとは…いやいくら壁があるとはいえ隣のエリオットの部屋になら聞こえるくらいの声は出していたのかもしれない。もしかしてと心配はしていたけど、直に言われるとこんなに恥ずかしいなんて…。
エリオット「…お姉さまは疲れているんだよね」
リース「エリオット…?」
エリオット「国の為にこれだけ尽してるんだもん」
エリオット「ただ疲れを癒しているだけ。お姉さまは少しも悪くない」
エリオットは満面の笑みを浮かべる
正直、意味不明だが、リースも大好きなエリオットが側にいる事で、思考が鈍くなっていたようだ。
リース「エリオット…」
エリオット「お姉さま。僕、少しでもお姉さまの役に立ちたいな」
リース「ぇ…?あ…エリォ…」
リースの言葉を遮るようにエリオットは優しくキスをする。
リース「んんっ…」
リースは戸惑いを感じていた。
初めてキスをしてしまった、その相手が実の弟…。
二人は口付けをしたまま、ぎゅっと抱き締めあう。
シャワーはさっき浴びたし、口も歯を磨いた後で、歯磨き粉の味がした。
が、何より体が熱い。
エリオットの舌がリースの口の中に入ってくる。
リース「!?」
舌と舌が絡み合う音が部屋に響く。
「んっ…んっ…」
耳たぶが異常な熱を帯びていた。
日頃真面目なリースだが、実はその分妄想が好きだ。
現実には起こる訳ないし、起きてはいけないと考えながら、心の奥でこんな事が出来ればいいなとよく考えていた。
そして、今それが現実に起きている。
エリオット「お姉さま…」
エリオットの手がリースのパジャマのボタンを外し、ブラジャーをゆっくりと上にずらす。
特別大きい訳ではないが小さくもない、形のいい、いかにも弾力のありそうな膨らみが目の前でこぼれた。
リース「エリオット…だ、駄目…」
エリオットの手の平はリースの乳房を包み、優しく揉む。
そして、充分揉みほぐした後に、胸元の先端を指で転がしながら耳元で囁いた。
エリオット「お姉さま。…ここが弱いのかな?」
リース「あっ…」
意識が朦朧(もうろう)としてくるリース(駄目…エリオットは私の弟…でも…)
リースは体から力が徐々に抜けていくのが感じられた。
そして、リースのピンク色の突起を、エリオットの唇が優しく覆う。
リース「ひゃああっ…あぁっ…」
チュパチュパとした生唾の音と、リースのまるで天使の吐息のようなあえぎ声が、共鳴する。
エリオットはリースの一番敏感な部分に手を伸ばしていく。
リースの秘部を包む寝巻き用の真っ白な生地。その一部分が、少し濡れていた。
エリオット「お姉さま。濡れてるよ?」
その濡れてる部分を生地の上から、エリオットの指が程よい圧力を加える。
リース「あ…ダメ、ん、んふぅ…」
人に触られるのは当然初めての経験であるリースは、声にならない声をあげる。
いたずらな笑みを浮かべながら、エリオットの愛撫は徐々に激しさを増していく。
エリオット「お姉さまの大事な所…見たいな…」
リースはもう拒まない。
体中がうずいて仕方ないのだ。目を薄く開け、コクリと頷く。
見るとエリオットも顔が真っ赤だ。もう目が獣の目になっている。
スルッ…と布の滑る音がする。
下着は足から滑り落ち、リースの髪の色と同じ金色の密林が露になった。
エリオットは指で密林の中のクレバスをなぞり、そして指を中に侵入させる。
リース「ひゃあぁぁっっ!」
不思議な感触。体温とヌルヌル感が直に伝わって来る一方、姉の壊れていく姿が更にエリオットの欲望を助長する。
限界だ。
エリオットは、自らも服を脱ぎ、リースの足を拡げて、 怒り狂ったソレを愛液の泉へと当てがう。
さすがにリースもこれには抵抗…
してこない。
意識がない?のか念のために顔を見ると、今までに見た事のない牝の表情をしたリースがいた。
そう、今にも欲しいと言わんばかりに。
エリオット「お姉さまっ…入れるよっ…!」
リース「エリオット…あ…あぁっ!ひゃあっ…」
先の部分が押し込まれていく。
エリオット「あぁあぁぁ…」
これは…なんて温かいんだろう。痺れそうなほどの締め付けと気持ちの良さで意識が飛びそうになる中、エリオットは無我の境地で体を前後へと動かす。
その度に出る、リースの未知の鳴き声が、さらにエリオットの脳のヒューズを飛ばしてしまいそうになる。
リース「ああ…エリオットが入ってきてるぅ…エリオットのお…ちぃん…ん…がぁ…」
死んでもいい…リースは、それくらい満たされていた。
なんて熱くて硬い…お腹を中心に体中に響き渡る、衝撃波のような快楽。
…それは、女としての自分をずっと押し殺し、国の為に青春を捧げようとした覚悟からの解放の一瞬。
今は壊れていい。
全ての意識は本能のままに。
まさに二人の身は今、1つに繋がっているのだ。
布団とベッドの摩擦音の中で、僅かに別のクチュクチュとした音が鳴る。
愛情と欲望のまみれた鳴き声が、熱を帯びた部屋の中を包み込んでいた。
そして、リースの絡み付く肉感による、エリオットの免疫の無い下半身への刺激は、あっという間にこの時を終焉へ向かえようとしていた。
時間でいえば数十秒にも満たぬその短さ。
が、二人にとって、今まで国や血の繋がりなどに束縛されていた柵(しがらみ)から抜け出せた、快楽の本能に浸りし一時は永遠より長く…。
そしてその時を迎える。
リース「ひゃ…エリオット…あぁあぁぁぁぁっっっ!!」
エリオット「お姉さまっっ!!」
それは信じられないほどの量と腎臓が破壊されそうなくらいの速さで撃ち出され、当然の様に、リースの中に溢れるように注ぎ込まれた。
男と女。
お互いに大人の階段を手を取りながら一緒に掛け登った二人は、激しく動かした体を静かに休めながら、ベッドの中で見つめあう。
リース「エリオット…」
エリオット「お姉さま…」
もう放さない。
その澄んだ瞳は、純粋故の狂気を含んだ光を放っていた。
END