海の頭のロマン

雄獣厨氏



「いやぁ、それにしてもお嬢さんの美声は最高だったな。」
「そ、そう?」
「結構歌いたい欲が溜まってたんでやんすね?」
「おー、愛しのエレy…」
「お前は歌うな!でやんす」

セイレーンの歌の事件の日の夜だった。エレとギルバードはバーンズ達になんだかよく分からない歓迎会に招かれ、海賊ペンギン衆達と夕食を食べていた頃だった。
エレはペンギンの一人一人の会話を聞いていた。

「はっはっは、改めて並んでみるとお似合いなカップルっすねぇ」
「ヴァレリさんとデイビットを連想させるでやんすねぇ」
「ひどいでやんす。あんな酸っぱいこと思い出させるなんて…」
「ははは、ジョークでやんすよ」
「黒板とアメリカンチョーク。…なんつってな」

ひゅうるるるる〜〜〜・・・・・・
ある海賊ペンギンの一言により周囲に精神的な吹雪が襲い掛かった。ちなみにその中でエレだけはバカウケして一人爆笑していた。

「こ、こんなつまらんダジャレで…」
「…そうでやんすね・・・・・・」

エレの状態を見てバーンズは苦笑した。その隣でバーンズに最も忠実な海賊ペンギンが呟いた。

「どうしたペンギン?ほとんど食ってねぇじゃねぇか」
「あ、い、いや…べ、別に…!」

声を掛けられギョッとするペンギン。

「も、もう腹一杯でやんす。先にお暇するでやんすよ」

ペンギンは目礼をしながらそそくさ食堂を後にする。
バーンズは頭に?マークを浮かばせた。

その後ペンギンは主甲版を通り、寝室のハンモックに横になっていた。
ぼんやり窓の外から月を眺めていたペンギンはふと脳裏に、昼間御頭の吐いたセリフが浮かんできた。

――俺様にゃあ、芸術はわからねぇが、モノの値打ちはわかるつもりよ。ヤツらは芸術的だぜ。
クルッとシバって都会の富豪に差し出しゃあ、金になる。全ては手配済みだ。頃合を見計らって、コトは進められるハズだ
――人の道をまっすぐ歩むだけじゃ海賊は勤まらねえ。海賊の胸の中には悪のラッコと正義のラッコがいるってことよ。
今、俺の胸の中で、悪のラッコが、笑いながら具を打ち鳴らしてやがるぜ!
――よさねえか、ペンギン!! てめぇには海の男の魂がねぇのか!!こうして素直に自分の行いを悔いている者に、どうして危害を加えられようかっ!?
――なぁ、ペンギン衆、頭ン中のピーナッツバターこねまわして、よーく考えろ。この船の重さは軽く3000ドゥ・インクくれえはある。
そいつが沈まねェで、海に浮いてるのはどうしてだ?気力よ。男の気力で浮いてンだよ。
特に俺の気力が100で、おめえ達の気力は1くれぇだ。
――俺様の気力で浮いている船が、歌くれえで沈むなど、本気で思ってやがンのか?本物の男の船はなぁ、沈んだりしねぇんだよ。

「はぁ、オカシラ…どうしてアンタはこんなにカッコよくて…逞しくて…男でやんしょう…」

脳内でバーンズの姿と声を再現すればするほど、ペンギンの顔はやや赤くなり妙にドキドキしてしまう。

「むぐぅ…!?」

寝返りをうつとペンギンは妙な感覚がした。心地がいいのやらくすぐったいのやら。
気が付けば自分の手が上半身裸の白い腹を撫でていたのだ。

「あああ…手が勝手に…」

いけないことだと分かっていても、ペンギン自らの欲望は止まなかった。
体中が熱くなり、ベルトを外しズボンをそっとおろし胸元から下腹部まで手先を伝っていく。

「はぁっ、はぁ…」

ある程度下まで伝っていくと、足の間にぬるっとした液体のようなものが染み出していた。
何だとろうと思ってその液の正体を手探りで弄るうちに下腹部の縦割れへ触れてペンギンは「あっ」と声を漏らした。
不思議な感覚に溺酔し、割れ目を弄る。バーンズを思い浮かべながら弄る。

「あ…こんな時に…こんなこと…はぁっ……恥しいとこ…はぁっ…仲間に…見せられないで…はぁ…やんす……」

がたんっ 寝室の扉から物音がして、ペンギンの手は驚いて止まった。
別の海賊ペンギンのデイビットが入ってきたのだ。

「なんだ。お前、もう寝てたんでやんすか」
「え、あ、いや…はぁ…ま、まぁな…でやんす…はは…」

デイビットの視線から隠して、息を切らしながらペンギンはハンモックで横になったまま慌ててズボンをあげる。

「? どうしたでやんすか?息が荒いでやんすよ?」
「な、何でもないんでやんす!!いやホントに!」
「…ならいいんでやんすが…」
「ちょ、ちょい暑くて汗かいたからフロは入ってくるでやんすっ」

ペンギンはハンモックから飛び上がり滑走で寝室を飛び出た。ちなみにデイビットは彼の足の速さのあまり、風圧で回転していた。

「うぬぅ、あっしはどうなってるんでやんすか。…全然衰えないでやんす…」

浴室にてペンギンは帽子やズボンをを篭の中に脱ぎ捨ててシャワーを浴びていた。
裸姿に下腹部の割れ目から未だに彼のモノが顔を出していたのだ。

「ま、まぁ今は誰もいないし、大丈夫でやんすね」

そう言いつつペンギンは硬くなって飛び出ている股を布で覆いながら大浴槽へ浸かった。
ふと振り向くと、大煙の中から人影が見えた。ペンギンは少しギョッとした。

「ああ、お前もいたのか」
「んぁ…お、おおおオカシラ!?」

バーンズの声がして、驚きのあまり思わず尻で後ずさりした。人影の正体はバーンズだった。
ん?ということは…

「あ、あのオカシラ…さっき何か聞こえやした?」
「ん?ああ聞こえたぞ。全然衰えないってな」

ペンギンは返す言葉も思い浮かばなかった…。

「まさかお前もそうだったんだな」

バーンズは水面からゆらゆら映るペンギンの下半身を見つめ言葉を続けた。

「え、お前もってどういうことでやんすか?」
「実はこないだ俺は今のお前だ。その…なんていうか、抑えられない男の魂がな」
「??」
「実は俺もこないだまでお前の忠誠ぶりを見ていて妙に心捕らわれちまった。その気持ちが俺のものに溜まりこんでな。この際だからお前をオカズにして抜いちまったってことよ」
「あ、あっしをオカズに…!?」
「海賊ペンギンの中でお前が一番俺に慕ってる男の魂がよく分かるぜ。お前のココも刺激を与えない限り体の中には収まらねぇだろうよ」

湯の中でバーンズの手先はペンギンのそこに触れた。ペンギンはあっと声を漏らした。

「オカシラ。あっしもさっき…エレさんやデイビットを見て、あっしにはパートナーがいないのが口惜しくなったでやんす。さっきも頭ン中でオカシラを思い浮かべながらおかしくなりそうだったでやんす。……あっし一人なんて、とても心細いでやんすよ…」

ペンギンは喚きながら涙声で話した。バーンズは彼を胸へと抱いた。

「いいかペンギン、よーく聞け。真の海の男っていうのは常に孤独なんだ。海賊の王者っていうのは世界で一人しかなれねぇ。
愛や情けを捨ててでも海賊の頂点に立つ奴が真の海の男っていうもんよ」
「お、オカシラぁっ!! そんなこと言われてもたまらんでやんす…」
「仕方ないな…どうだ?寂しさを紛らわしに俺で良ければ相手してやってもいいぜ?」
「オカシラ…こんな下っ端のあっしでいいんでやんすか?」
「お前が一番前に付いてっている。お前は特別だ」

バーンズはペンギンを抱いたまま湯船から上がり、ペンギンを石床へ仰向けに転がした。
 
そっとペンギンの体内から突き出ていて充血しているそこを優しく揉みほぐしていく。
揉めば揉むほど段々と熱を帯びていき、大きくなる。

「あぅ…気持ちいいでやんす…オカシラ………」
「気持ちいいか? その調子だ。もっと俺を見て感じろ」

ペンギンを抱き充血しているそこを舐める。途端にバーンズの縦割れから蜜があふれ出した。

「オカシラは…男前で大きくて逞しくて変態で……なんだか……あっし今……オカシラしか見えないでやんす」

ペンギンは体を擦りつけ、バーンズの腹にしがみついた。
それに応えたのかバーンズはペンギンを抱きかかえたままは仰向けになった。
熱と体積を増した自分のモノをペンギンの下半身にクロスさせ擦る。
ペンギンの全身はびくんびくんと痙攣しの快感している。
お互いの蜜がどんどん溢れて草を濡らす。唾液も流れ落ちてくる。

「お、オカシラ。なんか…はぁ…出そうでやんす…………」
「力を抜け。もっと楽しませろ」
「でもだめぇ……もう出そう……オカシ……あっ…っ!」

両腕に力を込めて強くしがみつくと同時にペンギンは射精した。
飛び出た液体がバーンズの腹部にかかる。

「そういや…オカシラもあっしも男でやんす…番いなんて夢のまた夢でやんすね…」
「男同士でも……一応できるぞ」

バーンズはペンギンをうつ伏せに転がし、尻尾の窪んだ部分を長めの舌で舐めまわす。
普段感じることの無い特殊な快感がペンギンを襲う。

「へぁ…そんなとこ舐めたら…汚いでやんすよっ?」
「ほぉ。ということは洗ってないのか?」
「あ、洗ってるでやんすよ! そんなとこ触られたことがなくて…」
「ここだけじゃなく、体中を綺麗にしたいトコだが……………そろそろかな?」

バーンズはペンギンを押しつぶさないように四つん這いになって自身のモノを押し当てる。
番の中に入ることが出来ると考えただけで、一層バーンズの怒張は膨らんだ。

「あっあっ…まさかオカシラ…」
「そう、男同士の場合は……ここに…入れるんだ…………」

はちきれんほどに膨らんだモノをグイグイと押し付ける。

「あぅっああっ!! い、痛いでやんすっ、はぁっ…お、オカシラっ…!!」
「うっぐ…海の男がこれくらいで泣き叫ぶんじゃねぇっ…!!」

ペンギンの下の穴にあてがって、一気に奥へねじ込んだ。

「…力を抜け。裂けても知らんぞ」
「は、はいでやんす…」

大柄のバーンズのモノのサイズが大きいものの、何とか半分はペンギンの中に入った。
ゆっくりとバーンズの腰が上下させる。

「あぐっ…お、オカシラのはでっかくて……太くて… ああぁっ、あっし、…おかしくなりそうでやんす…っ!!」
「はぁっ…そりゃ… ふっ…気持ちいいからだろ? 頭がワタアメみてーな…ふんっ…気分になるのはそうゆうことよ…ふぬっ」

バーンズの腰の動きはどんどん加速させる。二人の激痛と快楽は数分間に渡り
ペンギンは目に涙をうかばせ、喘ぎながら心酔と限界を訴えた。

「あっやあっ…お、オカシラ…あっし…何か出てきそうでやんす…っ」
「あぁ、俺もそろそろ……だ、駄目だ…イ、イくっ…ぐぬ…」

ドクンドクン…弱弱しい悲鳴を出しながら二人は同時に頂点に達した。
ペンギンはブルッと体を震わせ自分の液を床に漏らし、バーンズはペンギンの腹腔へ腹が膨らむほど体液を放出した。
まるで長風呂でのぼせたような表情で、二人とも体がガクガク震えそしてグッタリと眠るように失神した。
合体して刺さったまま、バーンズの胴体がペンギンを熨すように。

「ん…さぶっ……」

その場で最初に目を覚ましたのはバーンズ。気が付けばもう明け方だった。
合体したまま気絶していたのを悟りながら、ペンギンから自分のモノを抜く。

「…やれやれ、湯冷めで喉痛まちまった…」

シャワーで温水を出すと、白濁で汚れたバーンズと眠ったままのペンギンの身体を洗い流し暖めた。
湯の温もりと水滴が顔に跳ねてペンギンは目を覚ました。

「ん…。ふぁ…」
「あ」
「あ、オカシラ… なんでこんなところにいるんでやんすか?」
「いや、俺が先にいたんだよ」
「うーん、お、思い出したでやんす。でも恥しいから言わないでやんす」

ペンギンはきゃっと声をあげて両手で顔を覆った。
その隙にバーンズはペンギンの視界が闇に染まってるうちに、そっと顔を近づける。
瞬間ペンギンの頭をぐいっと手で近づかせ唇を奪った。

「んふぅ…お、オカひラぁ〜?」
「んっぬぷっちゅ… はぁ…。これでお相子だ」
「…お、オカシラ。愛してるでやんす…一生ついてくでやんすよ」
「男に二言はねぇぜ?」

その後も二人はひしりと愛し合った。精神的にも肉体的にもひたすら愛し合った。

「何だか体がだるい…ちっとばかり休ませてくれ」

浴室から上がった後、バーンズは船長室にふらつきながら入出し、ソファの上でばたりと伏せた。

「お、オカシラ…?海の男の魂、出し尽くしてしまったんでやんすか!?」
「馬鹿言え、昨夜お前を抱いて寝てたから冷えちまっただけだ。げほげほ…」

咳き込むバーンズを見つめるペンギンは、彼の額に手を当てる。ちょっと熱っぽかった。
念のためバーンズに毛布をかけ薬を置いた。そして厨房に向かい、米を鍋にかける。

「おい、どーしたんだ。お前が料理なんかめずらしいな」

ひょこりと他の海賊ペンギンが顔を出す。しかしペンギンは答えを返した。

「あっしは真の海の男のレベルがあがったんでやんす。カゼしてるオカシラに粥を作ってやるんでやんす」
「えー。オカシラ夏風邪引いたのか!こりゃ粥にツナもいれなきゃ。ガーゼでツナの油を切って…」
「ダジャレ言ってる場合じゃないでやんす。オカシラの命がかかわってるんでやんす」
「たかがカゼで大げさだぜ」

その日の昼頃バーンズの熱は下がり、元気に元通りになったそうな。
海賊船は今日も今日とて何処かへ出航するのであった。



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