833氏



俺は待っていた。
此処にあいつが来る理由なんて、何一つ無いのに。
 
「アナ。」
 
他の命の存在すら無く、聞こえるのも見えるのも風で草木が揺らされる音だけの、
この墓場の前で、俺は彼女の名前を呟く。
もう何度目なのだろうか、彼女の名前を呼んだのは。
 
「アナ。」
 
もう一度、呟く。
そうすれば自分の後ろから、ひょこっとでてくるのではないかと思って。
もう一度、呟く。
そうしなければ、彼女はこないと思って。

けれど帰ってくるのは、どれも風音ばかりで。
彼女の優しかった声が、ひどく懐かしくて。

彼女の目も。
彼女の耳も。
彼女の口も。
彼女の鼻も。
彼女の姿も。
彼女の存在も。
何もかもが、忘れられない。
忘れられれば、どんなに楽なことだろうか。
そうすれば。
そうすれば、こんな風に彼女を自分の中で辱めなくても済むのに。

いつもイメージするのは、自分に奉仕してくれる彼女。
二人きりの家で、いつまでもベッドの中で抱き合って淫らな行為を繰り返すのだ。
無理矢理では無くて、それは二人の意思で。
その証拠に、彼女は微笑んでいるのだ。

俺と交われて嬉しい、って。

俺の手が自然とズボンを下げていく。俺は欲望に従った。
ズボンを脱ぎ終えると、今度は軽く結んである紐を解く。
自分の逸物があらわになるが、それを咎める人物など誰も存在しない。
気がつくと自分の逸物は激しく脈打っていた。
鈴口からは、自らの欲望を写し出しているかの様に先走りが出ていた。
そっと、自分の逸物を握る。そして扱く。
彼女と自分のイメージを、更に膨らませながら。
「アナッ!」
彼女の名を叫ぶ。
彼女が返事をする。それは、イメージの中だけだけれど。
段々と体が、逸物が熱くなっていく。
俺は、やるせない快楽に、身を委ねる。
手の動きが、自然と速くなる。腰も、振っていると思う。
でも、そんなこと考えられない程に、俺の意識が朦朧としてくる。
イメージが、現実が、ぐちゃぐちゃに混ざり合う。
せめて、イメージの中だけぐらいは彼女と。
彼女と、一緒に。
繋がっていさせて。
正真正銘、その意味で。
そして、彼女の中に俺の精子を送り込む――と、同時に現実の自分も同様に果てる。

心のそこから迫ってくる背徳感。
が、それ以上にこの満たされる感覚。
気持ちいい。
射精が終わったというのに、まだ自分の欲望は収まらないらしい。
収縮するどころか、さらに大きくなっているように思う。
・・熱い。体が火照ってる。
やはり、一回ではダメなのか・・・もしくは本当に彼女と・・。
が、そんなことは一生無いのだ。
彼女は俺ともう何の関わりも無い。
それに仮に、現世と奈落が逆転するくらいのことが起きて、
彼女と交われることがあっても、俺達は交わってはいけないのだ。

――ティアマットの血の呪い。

俺を向こう千年、奈落に縛り付ける呪いの血。
多分俺と交わった者もその呪いを受けることになるのだろう。
何処からこの確信がくるのかは分からないが、はっきりと分かる。
でも仮に、仮にでも、彼女がそれを承諾してくれるのなら――
 
この俺に一度だけ、彼女と交われるチャンスを。

・・・少し、夢が過ぎだな。
そう思うと、いきなり現実に戻される。
目の前には大きな墓。
自分を掠めていく、少し冷たい風。
その風が草を揺らす音――そして止まる足音。
 
・・・・・・・・・・あ し お と ?
 
恐る恐る後ろに振り向く。
そこには、彼女がいるわけで。
俺は目を見開く。彼女は目をぎゅっと瞑る。
俺の顔が青白くなっていく。彼女の顔が赤く染まっていく。
俺が口を半開きにする。彼女は口を大きく開ける。

「ラ、ラルクの――

彼女の言葉が途中で止まる。
理由は簡単だ。
俺が・・・彼女を押し倒したからだ。
両腕で彼女の腕を握り締める。
両足で彼女が行動するのを防ぐ。
何故こんなことをしたのか分からない。
だが、この行動を止められなかった。

―――無理矢理犯すんだ。ラルク。

心の奥から誰かの声が聞こえる。

―――そのままその女の唇を奪って、体を嘗め回し、お前で満たしてやれ。

これは俺の本能なのか。

―――そうすれば、その女はティアマットの血の呪いで、お前と共に千年も生きられるだろう。

無理矢理犯す・・。

―――そうだ、無理矢理だ。大体お前は自分の妄想の中で彼女を辱めていただろう?それと、同じ事をすれば良い話だ。

・・・・。

―――どうせお前はその行為を見られているんだ。このままあのときの関係を保つなんて無理だろうな。

・・・・・。

―――ならば、いっそのことだ。このまま犯して、種付けして、奈落に引きずり込んでしまえ。そして、二人で永遠に・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

―――はやくしろ、獣が。

 

俺は、欲求に突き動かされるがまま、本能に、獣にその身を委ねた。

目が血走る。

「な・・・何よ、何するの・・?ラルク。」

血が煮えたぎる。

「ちょ・・・ちょっと・・やめてよ、ねぇ。」

だめなんだ、アナ。

「ねぇ、お願い!待って、待ってよ!ラルク!」

止められないんだ、この衝動を――――――――――――

「オオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!」

俺は本能に促されるまま、遠吠えをした。
まるで獣が獲物を捕らえたときのような、歓喜の叫びだった。
それもそうだ。俺の下には、何も出来ない、抵抗できない彼女がいるんだ。

俺は口で荒げた呼吸をし、思い切り彼女の唇を貪る。
歯の羅列を舌でなぞり、口を抉じ開け、
彼女の甘美な口内へとそれを潜り込ませる。
溢れ出す唾液を啜り、
自分の唾液を無理矢理飲ませ、
舌と舌を絡ませあった。
そのキスは長かった。
口を離してやると二人を結ぶ銀色の糸が伸びて、落ちる。
しかし、一度目覚めた獣の欲望は尽きない。

―――もっと、もっとだ。

「ねぇ、ラルク・・お願いだから、んっ」

再び俺は彼女の口内を犯す。
今度は優しく。
次はまた激しく――

俺は口内を貪っている間にも彼女の体を愛撫した。
服を引きちぎり、乳房をはだけさせる。
そして、揉みしだく。
左手は強く、右手は弱く。
時に乳首を弾いたり、摘んだり、時に爪で弾いたりした。
その度に彼女の体がビクンと反応する。
彼女は抵抗しなかった。
いや、俺が怖くて出来なかったのかもしれない。
でも俺のことを拒絶しようとしているのは明らかだろう。
何せ抱かれたくないもなんともない雄に強制されてるのだからな。
それでもいい。

どちらにしろお前は、俺の女となるんだ・・・。
奈落という名の誰からも邪魔されない俺達の城で。
向こう千年・・いや、それでも俺はお前を離しはしないだろうが、な。

長く塞いでいた口を開放してやる。
荒げる呼吸。
零れる涙。
しかし、彼女に安らぎの時間など与えない。
脅えきった彼女の体をうつ伏せにさせ、無理矢理犬のような体制をとらせる。
俺は膝をつき、彼女の顔の位置に俺の逸物を合わせる。
しかし、俺はとても驚いた。
俺が「舐めろ。」と命令する前に彼女は自分から舐めてきたのだ。
俺のそれに両手を添えて、最初はちろちろと舌先で。
そして次第に彼女は俺のそれをくわえ込んで行った。
その可憐な舌で俺の性器を丹念に嘗め回してくる。
気づくと俺は彼女の頭を両手で掴み、腰を振っていた。
訪れる、快楽。
呼吸が早くなる。口からは涎が溢れる。
それが彼女の頭の上に落ちて、染みこむ。
そんなのも気にせずに俺は激しく求める。

「我慢・・・できんな。」

俺のその言葉が言い終わると同時に、彼女の口の中が精液で満たされる。
半分は、体の外へ。
そしてもう半分は、彼女が嚥下していったようだった。
しかし、彼女の魂胆は推測できた。
おそらくこうして、俺に一度吐き出させればこの行為が終わっていると思ってるのだろう。
だが、俺は一度満たされたぐらいじゃ、足りない。
残念だったな、アナ。
そう思ったが心には慈悲も同情も無い。
あるのは、欲求だけ。
尻だけ突き出してまるで"おねだり"の状態のようにしてぐったりとしている彼女の後ろへと回る。
しかし彼女は目を瞑っていたので、俺が後ろにまわったのを気づいていないようだ。
好都合だ。
俺は彼女の腰を両手でしっかりと掴み、秘所を舐め始めた。
彼女の体が、一瞬大きく反応する。
その反応も俺をくすぐるものがあったけれど、
彼女の其処はそれ以上に俺の心を躍らせた。
果実より甘く、果肉より濃厚で。
彼女が喘ぎ声を挙げ始める。それが一層俺の欲望を掻き立てる。
先程出したばかりなのに、俺の怒張からは待ちきれないとばかりに先走りがでていた。
あぁ、もう我慢できない――

「お前に俺の種を植え付けてやる。」

ひどく残酷な笑みで彼女に言いつける。
そして彼女の濡れている器に、自分のモノをあてがう。
覚悟するんだな、と小さく漏らした後に俺は一気に貫いた。

「あぐ・・んっ・・・。」
「まだ声をあげるのは早いな。半分も入ってないのに。」

彼女が一瞬目をいっぱいに見開いた。どうやら今ので全部入っていたと思っていたらしい。

「だが心配するな。直に全部挿入してやる。」
俺はもう張り裂けそうになっている器から自分のモノをぎりぎりまで引き抜く。
そして、また限界まで入れる。
その動作はスムーズにできた。
彼女の其処は、内側から水が溢れ出しているかのように濡れていたからだった。
俺の努力の賜物だな。
深く突き上げる度に、彼女が喘ぐ。
その声に俺は感化されて、さらに腰を早く、激しく振る。
もう全部入ったのか。
そう思う暇も無く、俺は只ひたすらに腰を振る。
彼女の中はとても暖かかった。
それでいて酷く締め付けがある。

――そうだ。

彼女は初めこそ快感に耐えていたようだった。

――もっと。もっと俺を求めろ。

しかし、今はもう俺を彼女から。

――そうして、二人で。奈落で愛し合おう。

腰を動かし、俺の衝動をその体で受け止めている。

――そう、それこそ永遠に―――――――――――――――――――――――――

 

 

おすとめすはかえってこなかった。
どうやらいぬくんにわんわんされたらしい。
でもいぬくんはめすがそんなにいやがって
いなかったことにきづいてないらしい。

むかえにいったらむかえられた?
なんかすこしわらえる。
でもわかったことひとつだけ。

おとこはみんなけだもの。



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