「なんじゃ、バブルか。ワシに用事か?」
「いやその。今度の14日って、あの子は僕のところに来ますよね」
「予定が狂わなければ、の」
「ええ。で、博士はその日がどんな意味を持ってるか、もちろん知ってるでしょ?」
「…お前も知っていたか」
「そりゃ、あの子にああ言われてチョコを貰った以上は、調べもしますよ。こっちは準備万端です」
「……こういう抜け目の無さが、他の輩との違いじゃな…」
「何か言いました?」
「いや、何でもないわい。で…バブル、何が言いたい」
「好きにしちゃっていいですか」
「…夜に彼女が来るたび、しておるだろうに」
「や、そうじゃなくって…。僕は、一気に形勢逆転する気でいますよ、ってことです」
「……」
「博士はご存知でしょ?あの子の胸の内くらい」
「まあ、の」
「彼は上手くいかなかったんだから、今度は僕がなってもいいですよね?」
「…構わんとも。」
「じゃ、遠慮なくやっちゃいます。博士、許可ありがとうございますね。そんでは失礼します」
「……」
「選択しても、一本道ではない…か。思いの外、いいゲームになったものじゃ――」