「そこのドルチェみたいな、お嬢さん」
「……? 私、製菓は専門外なんです」
「あー、ドルチェ見たいな〜じゃなくて、……まあいいや。灯滝実ノ梨さんでしょ、君」
「そうです。どちらさまですか」
「黄桜公一。希望ヶ峰学園のスカウトマン、さ」
「あ、はい」
「あれっ、希望ヶ峰学園を知らないってことは、さすがにないよね。だって君の師匠、卒業生だし」
「知ってます、もちろん。師匠にご用なら、直接連絡を取っていただいたほうが――」
「いやいや。用があるのは君。だって俺はスカウトマンだから……そういうことだ、わかるかな?」
「……私を、スカウト?」
「そう。よくできましたー! ってことで来期、超高校級の料理人として入学しない?」
「ええっ……」
「君の考えていることはだいたい読めるんだ。“でも今、学園には超高校級の料理人が在籍しているはず……才能被りなんて比べられちゃう……!”――こんなとこかな」
「……まあ、はい」
「気を悪くしないでくれよ、灯滝ちゃん。……だけどこれって、チャンスだと思わない? 同じ料理人だって、それぞれの個性があるだろう。超高校級の料理人を間近に見られる権利を得るんだ、君の“修行”に一役買うんじゃないの?」
「……ええと……」
「ああ、今すぐ返事しなくて大丈夫。後で親御さんや君の師匠に相談してみるといい。結論が出たら、ここに連絡をくれてもいいし……ま、君の心が決まりそうな頃、会いに来るよ」
「はあ……」
「ゴメンね。もっと話していたいけれど、次の候補が“逃亡中”なものでね……! 彼が捕まるまで今日は帰れないんだ! またね、灯滝ちゃん!!」
「…………逃亡中って、どういう事情なんだろう……」

2016年08月10日 01:54:31

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