[ memo ]     サイト運営に関する管理人の姿勢。
 

 
「こっそり、もっそり、ウッフンと。」をモットーに、
変態妄想をテキスト化する電脳の汚物こと「ぽふぽふ屋」のポッフィー、
こちらではサイト運営に関する管理人の姿勢を書いておこうと思います。
 
当サイトでは更新情報のページにて運営状況をお知らせしておりますが、
一定期間更新がない場合に「管理人死亡の可能性」を書いているのは、
家族や知人に当サイトの存在を打ち明けておらず、
万一死亡して更新ができなくなった際、皆さまにその旨をお知らせしたいからです。
 
ここで私が尊敬していたサイト管理人さんのお話をさせて下さい。
 
もう8年(?)ほど昔、ADSLが高速と呼ばれた電脳網超発達時代、
当時ド貧乏学生だった私が足繁く通っていたサイトがありました。
(ドラクエとは別ジャンル)
私がこうして電脳網の片隅で小説を書くようになったのは、
紛れもなくそのジャンルの、ある管理人さんに感銘を受けたからで、
それまでは一閲覧者というか、ネット世界もよく知らない未熟者でした。
 
同人なるもの原稿に書いて製本し、コミケで売るものと思っていた私が、
(大学では漫研に所属してました)
ネットで不特定多数の人に公表するなんて当時は考えられませんでした。
私は初めてそちらのサイトでWEB小説を読み、CG絵を見て驚きました。
ドリーム小説の仕組みはおろかHTMLの構造すら知りませんでしたから、
あまりの感動に暇さえあれば遊びに行っていたように思います。
 
顔も知らない管理人さんのコンテンツにムチャクチャ惚れて、
初めて他人の作った小説に涙を流したのもこちらのサイトでした。
当時は常時接続ではなかったので(従量制だったし)、
プリントアウトして貪るように読んでいたくらいです。
コンテンツを制覇するうちに管理人さん自身のFANになり、
作品や日記から感じられる人間性に憧れてました(笑)。
 
でも、そのサイトは今はありません。
サイトというか、管理人さんが居なくなったのです。
 
海外在住だった管理人さんが里帰りに日本へ帰ってきた折、
不慮の事故で亡くなられたということです。
管理人さんと一緒に活動されていたご友人が掲示板にそう書かれました。
 
ものすごくショックでした。
 
私はその時はじめて管理人さんも現実世界で生きている人間で、
サイトがずーっとずーっと運営されていくものじゃないんだと気付きました。
 
ご友人の方は「彼女が天国で見るかもしれないから」と、
暫くは掲示板を停止せずにコンテンツの管理もなさいましたが、
「永遠に続けてもいけない」ということで、一ヵ月後に閉鎖することなりました。
管理人さんのWEB友達や閲覧者さんがそれを嘆き悲しみ、
哀悼やお別れの書き込みがありました。もりもり書き込まれました。
海外にも人気のあるジャンルだったので、色んな国の人が書き込みました。
 
私も一度は小説の感想を管理人さんに伝えたいなぁと思っていたので、
最後に書き込みたいと思ったのですが、遂に出来ぬままサイトは閉鎖されました。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案な性格の私は、それからやっと後悔しました。
サイトの作品や管理人さん自身のお人柄から沢山のお恵みを頂いたのに、
それに対して一言もお礼や感想も言ってない悪い奴だと思い、へこみました。
(多分ずっーと後悔するんだろうなぁ、私は)
 
沢山の閲覧者さんの中で、こういったレスポンスをされるのはごく一部だそうで、
きっと私以外にもこうした後悔をした人が居るだろう……と今は思います。
 
私自身がサイト運営するようになった今も、この管理人さんの事を思い出します。
私がこの管理人さんから教わったことは色々あって、
HTMLの基本構造やネットマナーといった初歩的なものから、
横書き小説の書き方と見せ方(レイアウトは特に!)、
閲覧者さんとのコミュニケーションの仕方や感謝する姿勢、
そして私生活や奥底の感情をどこまでバラすかなんかも(笑)、
いつもこの管理人さんを参考(目標)にしています。
 
私が「死亡の可能性」を書いている理由はこの出来事があったから。
この管理人さんだけの話ではなく、
私の好きだったサイトが閉鎖されることは結構ありまして、
不慮の事故ではないにしろ、ジャンル転向や私生活での折り合いで、
また全く理由の分からないままアドレス不明になっている時もあります。
(閲覧者の皆さまも一度はご経験があるのでは)
ただ私自身が管理人さんの死を深く嘆き悲しんだ経験があることから、
自分のサイトはたとえ小説が書けなくなっても
「倉庫」というカタチで残しておきたいと思っています。
それが「管理」人として良いかどうかは分かりませんが……
 
そして、もうひとつ。
 
もし、これを読んでいる方が何かのサイトの管理人さんでしたら、
貴方のサイトが閉鎖となったとき、万一貴方に何かが起こったとき、
とても心配している人がきっと居ると思ってやってください。
また、それを言えないでいる私みたいな人も居る、とも思ってやってください。
 
貴方のサイトは個人的なものかもしれないけど(自由意志)、
それと同時にとても個人的でないかもしれない。
貴方のサイトは、貴方の他にも大切にしている人がきっと居る。
これは管理人としてではなく、一閲覧者としての気持ちです。
 
ということで、
天国へと旅立った管理人さんに言えなかった気持ちを、
せめて電脳の片隅でひっそりと叫ばせて貰いました。
「遅い書き込みだね」と笑って頂けたら幸せです。
(2011.5.22作成)
 
 
※洞窟(2006.11.03まで掲載していました)の記事を再編集
 
 
 
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