ライアン仲間になりました。
氷結クリフトの冒険
LV.15 「イムル」
イムルの村の宿屋には店主自慢の露天風呂があって、以前に剣士ライアンが子供の神隠し事件を追っていた時には、ここで「覗き魔」騒動が起きていたのですが、ここを一時の拠点とする勇者一行の女性陣にも痴漢の魔の手は迫りつつあるようです。
「なんだか見られてるような気がするの」
アリーナが夕食の際にライアンにそう相談したので、寡黙な桃色戦士は口髭をやや動かしながら、町の住民に聞き込みを始めることにしました。
「なんと卑劣な! 陰から女性の裸を覗こうとは!」
「うむ」 ←ライアン
「覗き魔とは昔と変わらず居るものじゃのう」
口数少ない武人の聞き込みを手伝うのが、神官クリフトと魔法使いブライ。
事情を聞いた二人は激しい怒りを示しながら、広場に佇む村の老人に話を窺うことにしました。
「おお、昨日は初めて見る男が裏口に立っておった」
先客が居たせいでモンバーバラの有名踊り子の入浴シーンを見損ねた老人は、悔しそうに言いました。
「どんな男でしたか?」
「背の高い男じゃった」
「他には?」
「なんかこう、異様に長い帽子を被っておった。緑色の」
聞いたブライ老の片眉が吊りあがりました。
「……ほう。他には?」
「姫様! とか言ってハァハァしておったような」
「…………」 ←ライアン
これには戦士ライアンも犯人を確定せざるを得ません。
「うーむ。いずれにしても、姫様のお裸を覗こうなど許せない事です!」
「……」 ←ブライ
「……」 ←ライアン
翌朝。
村の真ん中に見せしめの氷柱(しに)が朝日に輝いて立っていました。
哀れ、氷結クリフト。
もはや犯罪者。
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