もしもゼシカが…?
男達三人は、宿屋で考えごとをしていました。
「ゼシカ、なんで昼間怒ってたのかな…」
「でもさ、案外、レベルが99までいっても、まだスキルの種があるってことは、隠しスキルとかあるんじゃない? 怒りんぼスキル…なんてね」
ここでククールが話題をずらします。
「でも、今日はゼシカの姉ちゃん、メラゾーマを兄貴にぶっ放しやした…。魔法下手スキル?」
ここで乗ってあげるのがヤンガスの良いところです。しかし、言ってる内容は
「…二人とも、あんまり大きい声で騒ぐと聞こえるよ」
既に二人は自分や相手の隠しスキルだとか、ゼシカの噂? で騒いでいました。
ちょうどその時、ゼシカが廊下を通ったので、その会話はゼシカに聞かれていました。
「だれが魔法下手よ!!」
「うわぁ! ゼシカ!! 脅かすなよ!」
ククールの声は全く無視して、ゼシカはメラミの詠唱に入っていました。その大きな火の玉は、ククールご自慢の顔に命中しました。
「うう…。顔が…」
「自業自得! よかったじゃない、ナンパできなくて」
ゼシカは乱暴に去っていきました。
「…大丈夫?」
エイトはベホイミを唱えました。HPは良くなっても顔は変わらないので、エイトは諦めて座り込みました。
「…わかったでがす!」
「何が?」
「通り魔スキルでかすよ!!」
「………」
暫くの沈黙。
「ヤンガス、まだ言ってんのか」
「ヤンガス、それは言っちゃまずいよ。死んじゃうよ」
「そうでがすなぁ」
ヤンガスはかなり素直に答えます。
もしかしたら、ドラクエ1素直ランキングなんてあったら、一位に必ず? ランクインしていそうなヤンガスなのでした。
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