◆「パイのお仕事?」◆パイが家の外で遊んでいると 買い物帰りの三都亜とアンリの姿が目に入った。 どうやら三都亜の買い物にアンリが付き添ったようである。 「アンリ、今日は買い物に付き合ってくれてアリガトね」 「いえいえ、これもお勤めですから」と言うアンリの表情は嬉しそうだ。 一緒にお買い物かぁ〜良いなぁ〜 それと褒められるって気持ち良さそう。 羨ましいな〜 今日中に終わらせなければならない課題があるからと 健に一人で遊ぶように言い付けられていたパイには 三都亜に労いの言葉を掛けられたアンリが凄く幸せに見えた。 しばらくして、遊んでるパイの影が長く伸びていた夕暮れ時 通りの向こうから彩が息を切らせて走って来るのが見えた。 あ、ヒカルちゃんだ♪ あれ?大きな声で何か言ってる?? 直線で50m程の距離をあっと言う間に走ってきたヒカルは 「おーいパイー、タケルちゃんいるー?」 なーんだ、遊んでくれるんじゃないんだ… と、ちょっとガッカリしたパイだったが 健のところに早めに帰る口実が出来たことに内心嬉しかった。 「健ならお部屋で勉強してるよ。あ、煩くしちゃダメだからねー」 「大丈夫だぁ〜って〜、結実に頼まれたモン渡すだけだからさー」 ふーん、本当に大丈夫かなぁ〜? あ、ヒカルちゃんの服可愛い♪ 「ねえねえヒカルちゃん。その服どうしたの?」 「え?ああ、どう?可愛いでしょう♪ 結実のママさんに作ってもらったんだよん」 「へぇ〜、凄いんだ結実ちゃんのママさんって。 お願いしたらパイにも作ってくれるかな?」 「んー、わからないけど。一緒にお願いしてあげるよー」 「わーい、ありがとー♪」 良い気分で健の部屋にヒカルを案内するパイ。 部屋のドアを開くや否や傍に居たヒカルが… いた。 と言うか健の顔に自分の胸を押し付けている!? 「ほれほれ〜。パイとは違うのだよ、パイとは!」 むにむにむにむに〜と楽しそうなヒカル。 「うをーーーーーーーっ!」とよくわからない状態の健。 あ、健の顔が赤から青に変わった…。 「ヒカルちゃん、ダメだってば〜」 「そんなことないってー。タケルちゃんだって絶対嬉しいってー♪」 そんなやり取りの中どんどんオラオラになっていくヒカル そしてどんどん顔色がヤバくなっていく健。 「ヒカルちゃんやめてってばーっ!!」 と、無造作にパイがヒカルにしがみついた…瞬間…。 ぽろん(というかポヨーン) ヒカルの乳房が服からこぼれた。 「あー!」「え?」「おおー♪」 健の顔とヒカルの顔が同時に赤く染まる。 パイにはそれがナゼなのか解からなかったが 健の表情が「嬉しい」になっているのだけは解かった。 おっぱいポロン=健は嬉しい♪ また一つ健のことが解かって嬉しいパイであったが 残念なことにパイにはポロンとこぼれる程の乳房の持ち合わせが無い。 おそらくは今後立派に成長するであろうことなど露程も知らず 健やヒカルとは違う次元で落ち込むパイであった…。 顔を赤らめていそいそと自分の胸をしまうヒカル。 そしてそれをなるべく見ないようにしてソッポを向く健。 そこでパイ。雰囲気を変えようと… 「ねえねえ健、ヒカルちゃんの服可愛いでしょう〜@」 「え、おおっ、どこぞのメイドさんみたいじゃないかヒカル」 と、ヒカルの様子を見て感嘆の声を上げる健。 そりゃそうだ、さっきまで何も見えない状態で見たのはおっぱいだけだったのだから。 「あ、良いでしょう♪ 結実のママさんが作ってくれたんだよーん♪」 「ほうほう、アイツのオカンは洋裁が抜群だからなぁ〜」 あ、また健の顔が嬉しそう。 メイドさん=健は嬉しい♪ そう、猫は一度覚えたら忘れない。特に自分に都合の良いことは忘れない。 パイも例に漏れずツマラナイことはよく覚えてる(困ったことである) 結実のママに服を作ってもらうことを思い出して 心の中で小さくガッツポーズをするパイであった。 次の日 わくわく気分の顔を隠しもせず 昨日のヒカルとの約束を守ってもらうべく結実の家に向うパイ。 「こんにちはー、ヒカルちゃんいるー?」 「あれ?パイじゃない。タケルも一緒?」 「ううん、違うヨ。パイひとりで来たんだよ@」 「ほー、エライエライ(なでなで) で、今日はナニ?」 「えーと、ヒカルちゃんは?」 「ヒカル? あー、いるはずだよ。ヒーカールー!」 「あれー パイ? 今日はナニ?」 「ナニ? じゃないよーヒカルちゃん!!」 「えーナニ? ヒカル、何か用があったの?」 「そうだよー、ハイは服を作ってもらいに来たんだよー♪」 「服?」 「あ、そうだった。ママさんに一緒にお願いする約束したんだった」 「ママに? ほうほう、たぶん大丈夫だよ。私からもお願いしてみるね」 「わーい、アリガトー♪」 「そいでねそいでね昨日ね、ヒカルちゃんが健におっぱ(ドガッ!ぷしゅ〜)」 「え、ナニ? タケルが何だって??」 「いやいや…」 更に数日後… 「健ぅ〜、見て見て〜♪」 「ん? おう、どうしたパイ」 「結実ちゃんのママさんに作ってもらったー!」 「おおー、良かったじゃないか。可愛いゾ@」 「わーい、エヘヘー♪」 でも、あれ? この前みたいな嬉しい顔じゃない?? ん? もしかして メイドさん=健は嬉しい♪ ではなくて オッパイ+メイドさん=健は嬉しい♪ なのか?(ガーーーーーーン!) おしまい、獅子舞。 Excursion!第2話「パイのお仕事?」(1stの元になったお話です) |
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