ぼくはカミサマを見た。 カミサマはこっちを見て微笑んでいた。 カミサマはそっと空を見上げて手を広げた。 その途端優しく暖かい風が泣いていたぼくを包んだ。 あたしはカミサマを見た。 カミサマは寂しそうな顔をして街をみつめていた。 カミサマはそっと手を広げた。 その途端強い風が街の汚い空気を全部連れ去っていってくれた。 私はカミサマを見た。 カミサマは無表情だった。 カミサマはそっと指を山の方へと向けた。 その途端山の火は一気に消えていった。 カミサマが作った世界 ヒトによって汚されていくこの世界。 カミサマの姿はもうどこにも見当たらない――――― |