そう、その時旋律が走った





黄色と白と黒の螺旋


目の前が一瞬真っ白になったかと思うとそこには土煙がおびただしく舞い上がってい







その地には見知らぬ青年が横たわる・・・・・








召喚されし者









「・・・・・へ?」


間の抜けた声を出す女性、アレク。
アレク・ハーレン。それが彼女の名だ。

赤茶色の髪と瞳を持つ彼女・・・
その瞳には驚きの色が見え隠れしていた。

先ほどの衝撃で舞う風に、ウエーブのかかった巻き毛がふわりと揺れる。



・・・・一体なんなのだろう・・・・



くしゃり、軽くその赤茶色の髪をかき上げる。

そしてその驚きを隠せない瞳の奥で”彼”を見つめる。


「なんで・・・人が?あたしは確か・・・・」

『確か幻獣を呼び出そうとしていたはず』


ぽつり、呟こうとしたとき変化があった。
”彼”が気がついたのだ。


「ん・・・・・。何なんだ・・・・・」


頭を押さえむくりと起きあがる。
漆黒の髪に同じ色の瞳・・・

衣服はよくわからないが、異国の物らしい。
一色にまとめられた黒っぽい布地にその身体を納めている。
金のボタンが光りに反射する。

反射する光りに少し顔をしかめながらアレクは口を開く。


「貴方、何処の人?」


その一言にようやく存在に気づいたのか、彼はフッと顔を向けた。
やはり驚きの表情を一瞬見せるのだが・・・


「誰だお前?」



ずばっ


・・・・・ぴっきーん・・・・・・



その一言に思わず顔を引きつらせる。
笑みとも、怒りとも言えぬその表情。


な・・・な・・・・


人がせっかく丁重に会話を進めようとしているのに何?
「誰だ?」私が先に聞きたいわよ!
それより先に人に物を聞く態度ってもんが・・・


あぐらをかき、何げに態度が大きく感じる(被害妄想)相手に拳を握りしめうち振る
わせる。
気が動転しているせいもあるが上手く笑みを作れない。(寧ろ笑えない)

しかしここは一度大人になって・・・


フッ。

軽く落ち着きを見せる笑みを零す。
自分をなだめるかのように・・・



落ち着いて・・・落ち着くのよアレク。
自分のミスで引き寄せてしまったんだから何とか帰してあげないと・・・・





すーはーすーはーすーはー・・・






数回深呼吸。

何とか平常心を保ちつつ、にっこり笑みを見せ言葉を紡ぐ。


「私はアレク。アレク・ハーレンよ。貴方の名前は?」


にっこり


「うはぁ・・・。広い森だなー。ってか変な草がいっぱい。」




ぷっちーん





「人の話はちゃんときけーーーー!!!!」










大爆発なアレク嬢でした・・・













***










「―――で、聞くところ”ニホン”って所から来たわけね?」
「そう言うこと。」


とぼとぼと脚を進める二人。

向かう先はアレクの住まうインカローズの街。
ちなみに今居る森はオニキスの森である。

その森を歩きながら二人は会話をする。


「えーと、それで・・・トモヤだっけ?」
「あぁ。三上智哉。アレク・ハーレンって名前からして外国っぽいよなぁ・・・ マイ ネーム イズ トモヤ・ミカミ。」
「無理して変な言葉使わなくて良いから。」


呆れながら言うアレクに「何でだよ。」などと腑に落ちない表情をするトモヤ。

さくり、木の枝を踏みしめる。



それにしても・・・・


「幻獣の召還に人間が招かれるなんて・・・・前代未聞だわ。」
「それよか魔法とかオニキスの森だとか、少なくとも俺の住んでた所と違うんだけど。」


寧ろ魔法なんて、御伽話か漫画くらいでしかお目にかかれる物ではない。


何だって言うんだ?

まぁ、俺(日本)+召還→オニキスの森っていう方程式はわかるんだが・・・



わかってどうする、と言う方程式をたてながら頭を整理するトモヤ。
赤茶色の髪が揺れるアレクの後をついていく。



つまりは・・・だ。
良く小説や漫画であるみたいに俺は異世界へ召還されたっつーわけだ。
ここのところ変な夢も見てたしなー。うん。わかった。


「わかったぞーアレク。とりあえず飯だ。」
「順応早っ!少しはうろたえなさいよ!」


唐突な一言に逆に驚く。

飯はわかったからついてきなさい。そう言って溜息一つ。



なーんで私はこんな変なモノ拾っちゃったかなぁ(ヲイ)


とにかく元の世界に帰してあげないと・・・


あぁ、なんて説明しようかしら;







異世界・・・時空を越えた先の、未知なる世界・・・

魔法の力が発達しているアレクの世界。
しかし、それを持ってしても時空を越える・・・など前例がない。



「やるだけやってみるわ。」



手がある限り。

そうぽつりと呟き森を抜け、広がる視界に軽く笑みを見せる。


「あれが私が住んでいる町。インカローズよ。」
「へー。あれがか・・・。本当に魔法使いがいっぱいいるのか?」
「と言うか普通よ?そんなの?トモヤの世界も変わってるわよね。」


クスクスと笑みを零し、さて足を踏み入れ・・・・





・・・・ようとした。





それを止めるには十分の友人の姿を視界に入れて―――――









<戻>






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