窓の外に広がる空があまりに青いから。閉じた瞳の裏側であいつが笑っていて、僕は思わず泣きたくなるのを堪えた。
……空があまりに青いから。だからきっと、少しだけ感傷的な気分になっているんだと思う。
一月の空は夏のように鮮やかでなく、だけどやっぱり真っ青だった。綺麗だとはあまり思わないけど、嫌いでは、ない。きっとあいつは好きだったけど。
というか、あいつに嫌いなものなんて、あったのか。僕はそう思って、一人で微かに笑った。
椅子の背にもたれると、ぎぃとまるで椅子が悲鳴をあげているかのような音が立つ。腕を高く上げて伸びをすると、立ち上がってベッドに横たわった。すると何だか眠くなってきたような気がしたので、瞳を閉じる。
暗闇の中で思い返すのは、綾時のことばかりだ。
(……病気だな)
僕は苦笑して、寝返りを打つ。どうしてこんなに綾時のことばかり考えているのだろうか、と考えて、僕はある考えに思い至った。そして、泣きそうになって、笑い出したくなる。
(僕、綾時のこと、)
好きだったんだ、と、分かった。今更気付いたところで、もうどうしようもないけれど。
自分の感情に鈍い主人公