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「神の兵隊に銃殺される」楓編
プロローグ
え?ケイスとの関係って?
話してなかったっけ?
・・・ああ、えーとね。むかし組んでたのよ。
仲間として誘われた・・・、ってのが正しいかな。
そうねー。まあまあの関係だったわよ。
腕っぷしはからっきしだったけど、あいつの心意気って奴?そこに惚れたのかな・・・。
ま、そんなことはどうでもいいんだけど。
え?わたしと彼の出会い?・・・リビングランドだったかしら。
そう、アメリカね。
前の会社辞めて・・・、それでフリーになってはじめて取材に行ったトコなんだけど、
そこで物資を運ぶ仕事にもぐりこんだのよ。
レジスタンス村に到着するまでは順調な旅路だったんだけどねー。
ところがどっこい、トカゲに村ごと襲われたのよ。それで私たちみーんな隠れちゃって。
あとは奴らのしたい放題。わたしは自分達に気付きませんようにって祈ってたわ。
・・・で、たまたまそこに現れたのが彼。
一人でトカゲに突っ込んでいきそうな顔してたから、わたし止めたのよ。
するとこう言ったの・・・
「俺はストームナイトだ」
・・・ってね。
目が点でしょ?
ショットガン振り回して健闘したけど、一人で戦ってんだもん。とーぜん多勢に無勢ね。
そのうち不利になるのが目に見えてわ・・・。
でもね・・・。その時、信じられないことが起こったの。
・・・わたし、トカゲに向かって走り出してた・・・。
それからよ、村の人たちが鍬だの、椅子だの、動かないライフルだのを持ち出して、形勢・・・
・・・え、何よ?らしくない??・・・そーねぇ。私もつくづくそう思うわよ。
でも・・・でもね・・・・・・。
わたし・・・。わたし、その時初めて自分の世界がゆさぶられた気がしたのよ―――