嫉妬



その日彼は上機嫌だった。

いつものからかうような口調はなく、

そっけない彼女に対してあくまで優しく丁寧に

何かの小説に出てきそうなくらいフェミニストで

女の人にかなりモテていたといわれても 納得できるような

知らない女性がそれをみたら理想的な男性と思わせるような

そんな振る舞いが生まれながらに身についてるかのようだった。


彼女はかえって気味が悪かった。
そのスマートさの中に毒々しい棘があるようで
そのカンはあたっていた。


彼のエスコートにのせられるまま その夜も彼女は彼の部屋に入った。
ドアにロックをかけると
彼は薄い笑いを浮かべたまま
彼女をベットに突き飛ばす。
「きゃっ」
紳士だった彼は消えうせ
そこには冷たく獲物を狙う獣がいる。
「…なに…?」 彼女が何事かと彼に向き合おうとすると
パシッ
彼女の頬を彼は叩き、勢いで倒れ込む彼女の上に乗り上げる。
そして乱暴に彼女の上着を剥ぐと
腕を袖で縛り付けた。

「ディアっ…!」
大きな褐色の手が彼女の口を覆いふさいだ。
彼の目に凶暴な色が浮かんでいる。

「ミリアリア…」
口角に笑みを浮かべたまま低く艶のある声で彼女の名を呼んだ。

「朝、あいつと何話していたの?」



思い当たる事は何もない。
(あいつ?)
彼の冷たい瞳に強張りながら朝からの自分を振り返ってみる。

(朝は確かエターナルからキラとアスランがやってきて…)

そういえばアスランと歩きながら話しているとき
彼が持っていた書類が落ちたのを
同じタイミングで拾おうとして顔が近づいた。
それはほんの一瞬だったが、彼女は近づいた端正な横顔に少し赤面したのだ。
(あのこと?)
それ以外アイツといわれそうな男性と親しく話すといった事はない。
なんでそんなに怒ってるんだろう。

「ミリアリア トール殺したあいつが好き?」
彼女は眉を顰めた。

彼女に馬乗りになっている彼はもう片方の手でやさしく首筋をなでる。
「恋人を殺された女が殺した犯人に惹かれる話って知ってる?」

覆った手を離し彼女の唇に触れる位置で彼は低く呟く。
「俺は認めないから」
そういうと 反論しようとする彼女の唇を激しく貪りだす。

彼女はその口付を大人しく受け入れた。

この激しく偏った愛を裏切る事はないだろう。




end.

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脳内続きモノ設定ディアはヤキモチという感情が欠如してる欠陥人間
なのでこのディアミリは別次元世界ということで…
裏はないです
(H15.9.27)
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