真相

のおまけ




パジャマに着替えたミリアリアをディアッカは後ろから抱きしめた形でベットに横たわっていた。
そのまま静かに眠りにつこうした彼女を彼はほっておけなかった。
(この状態で寝ろっていってもね)

抱きしめる腕に感じる彼女の柔らかな誘惑に彼は逆らえない。
もちろん彼女にそんなつもりはない。
あくまで彼の問題だ。

華奢な身体にそぐわない彼女のふくよかな膨らみについ手が動いた。
最初は撫でるように、細いウエストから胸にかけてラインを確かめるように。
胸の膨らみのほどよい弾力を味わい
パジャマのボタンの間から指を差し入れて布地の上から飾りを探し当てる。
円を描いて摩るうちにそれは形をなしていく。
欲望はエスカレートしてそろそろとズボンの中に手が忍ばされると
「ディアッカ!」
怒りの声がとんだ。
「だって我慢できない」
素直に気持ちを伝える
「じゃあ私やっぱり戻る。」
「駄目」
捕まえる腕に力を込める
ついでにうなじをはむと彼女は顔を押しのけて身をおこしてとうとう怒った。
「もう!今日はイヤって言ったでしょ?」
落としていた照明を明るくして彼女は彼を睨む。
彼は急にまぶしくなった周りに目を細めた。まぶしいからではない。
(怒った顔もかわいい)にやける気持ちを隠して
今度は拗ねたように上目使いで彼はミリアリアを見た。

実はこの拗ねたディアッカにミリアリアは弱い。
いつも自身ありげに口の端をあげて不敵に振舞う彼だが
ミリアリアに対してだけは滑稽な程へたれ男になるのだ。
肌をあわせるようになってからは2人だけの時だけ強引にしてみせるが
相変わらず皆の前で冷たい態度のミリアリアに子供のように萎縮してみせる。
そしてこの拗ねた顔をするのだ。
2人で居る時との態度にわざと差をつけているミリアリアにとって
この顔は罪悪感を呼び起こす。
「そんな顔しても駄目よ。」
困った顔をしてミリアリアも応戦する。
今夜のディアッカはいつもにまして粘り強い。
「だってホントに我慢できない」
拗ねた上に甘えたように言ってくる。

ミリアリアは深く溜息をついた。

それを見て勝利を確信したのかニンマリ笑ってディアッカは彼女を引き寄せる。
照明をまた落として組み敷いてしまえばもう彼の勝ちだ。
ところが今夜の彼女は違う手にでた。

「ホントは苦手なんだけど…」
照明を落とし引き寄せる彼の腕をやんわりおさえると
彼の下肢に身体を向けて
「ホントに苦手なんだからね」と恥ずかしそうに彼の下着にふれた。
彼は予想しないこの展開に面食らった。

細い指が下着のしたから既に形をなす彼自身に触れた。
「えっっ、ちょっ、ちょっとミリアリア…」
肌をあわせる時は必ず主導権を握っていた彼が
うろたえる様を見せて嬉しいのか 
顔を赤くしたミリアリアがいたずらっぽく微笑んだ。
「今日は特別だからね」
そういうと引きずり出した彼自身にちゅっとキスをした。

「はぁーっ」と溜息ともとれる声をあげて大げさに彼は仰向けに倒れ込んだ。
今夜に限っては形勢逆転だった。

彼女は彼の下着をとりさり、むき出しになったペニスを細い指で扱きはじめる。

彼自身をじっと見るのははじめてだった。
この行為を彼女は死んだ恋人に何度かした事がある程度だったが
彼のそれはあきらかに死んだ恋人と質量が違う。
(コーディネーターだからなのかなぁ)
こんなことを考えてると彼が知ったら怒るだろうなと思いつつ
彼女はキャンディアイスを舐めるように彼に奉仕しはじめた。

ちろちろと自身を刺激する舌に彼は完全に屈服した。
彼の今までの経験値を考えればそれは稚拙なものだったが
彼女にされていると思うだけで童貞(ハジメテ)のように焦って興奮してしまう。
(うれしいけどーっ困ったなー)
そっと彼女を盗み見る。

外ハネの髪が彼の下腹部を上下に動きながら
唇からのぞいたピンクの舌が彼自身を舐めているのが見えた。
見るだけで自分が相当彼女に参ってることにディアッカはあせった。
(ビジュアル的に、もうヤバイ!)

彼はなるべく彼女にはやさしくあろうと努力していた。
初めて抱いた時の感じから 多分死んだ恋人くらいしか経験がないだろうと踏んでいたからだ。
プラントで遊び抱いた女達と同等に扱えば壊れてしまいそうで
彼女との情事は特別気持ちを込めた。
なのに今夜の彼女の煽るような行為に鬼畜な性が頭をもちあげる。

舌で舐めあげると彼自身から透明な液が湧き出るのがわかった。
くびれを回り舐めてからその液を唇ですすり上げる。
そうして彼女は彼自身の頭を唇に埋め込むと途中まで口の中に収め、 また出す事を繰り返した。
いつも彼女が貪られて翻弄されるくちづけのように
彼女の赤い唇に埋まるペニスを舌で絡め舐めまわす。
ちらっと彼を見ると目をつぶり快感に耐えているように見える。
(気持ちいいのかな…)

SEXの時は完全に自分を制圧している彼が
今夜は彼女の攻めに屈服し気持ちよくなってくれてると思うと嬉しくて
この行為が苦手だった彼女を助長させた。

しばらく口を上下しながら舌でなぞるのを続け、
彼自身から柔らかい裏側に愛撫を移した。

水風船のような感触のそれを軽く含むと中に硬さのある核を甘噛みして吸い付けてだした。
「うぅっ」彼が呻く。
それを聞いて気をよくした彼女は調子にのって執拗に続けた。

それが彼の理性をはじけとばした。

(あーもう限界!)
彼は身をおこすと彼女の頭を支えた。
急に身体を起こした彼に彼女は頭を抑え付けられ驚く。
そのすぐあとに自分が彼を見くびっていた事を知るはめになった。

半開きの唇に彼は淫棒を深く突き刺した。
のどの奥まで達する質量に彼女はむせ込む。
「歯たてんなよ」
いつか見た凶暴な彼がそこにあらわれた。
「ぅんっむっはぁっ」
彼女の口に秘苑に突き立てるような抽送をはじめる
苦しくて涙がにじんだ。
だが幸いそれは長くは続かなかった。

短い抽送で彼の動きは止まり先ほどまで彼女を苦しめた淫棒は大きく脈を打って
彼女の口の中におびただしい量の精を放った。

口いっぱいに広がるねっとりした液体に彼女は顔をしかめた。
彼は自身を扱くように彼女の口の中で軽く抽送させ息を吐いた。

そしてすぐ彼女のしかめ顔に気が付いた。
「…あ…ごめん」と自身を彼女の口から抜いてから
彼女だけにみせるいつものへたれ顔で
「吐き出しなよ」ときまずそうに言った。

そのへこたれ具合に彼女は母性をくすぐられ
口の中に残った生ぬるい精を思い切って飲み込んだ。
彼はそれを見て「飲んじゃった?」と驚いて言った。
彼女は「まずっ」と口に手をあてて苦虫を噛み潰す顔をすると
恨めしそうに彼を睨んだ。

「くっ」思わず彼は吹き出して彼女を抱きしめ
「ごめんっって。くっくっっ でも嬉しい」
そういって笑い転げた。
「ぅう――っディアッカの馬鹿、息止まるかと思った。」
「ごめんごめんってー、
 だってミリアリアがこんな嬉しいことしてくれると思わなかったからさ
 調子のっちゃった。」
ホントに嬉しそうなディアッカを見てミリアリアは
自分の行為が喜ばれた事を嬉しく思ったものの
なんともいえない味が口の中に残っているので
「うがいしてくる」と苦々しく言った。
「くっくくく」
そして なおも笑う彼に彼女は
「もう今夜はこれで終わりだからね!」と釘を刺した。
「了解ーっまた今度やってね」

「――っもうしない――っ」



end.



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(H15.9.24)

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