長崎旅行・軍艦島上陸作戦

 行きたいと思ってきた国内の街は大体学生時代に訪れましたが、最後の最後まで残って未だ行きていなかったのが長崎です。港町の雰囲気が好きな私にとっては是非訪れたい街でしたが、如何せん遠くなかなかその機会がありませんでした。そんな私でしたが、2月に転職することとなり、有給消化でまとまった休みが取れることになり、ついに念願の長崎旅行を実行に移すことにしました。
 長崎といえば異国情緒溢れる港町というイメージがありますが、市街の他にどうしても訪れたい場所がありました。それが軍艦島です。2009年から上陸が可能となり、先日観た「007スカイフォール」にも登場した廃墟の中の廃墟「軍艦島」。石炭採掘のために岩礁の上に作られた人工の島で、閉山後、その街は風雨に晒され倒壊を続けています。気象条件が整わないと上陸できないこの島に上陸するため、天候の良い日を睨んで上陸クルーズの予約を入れ、2泊3日の旅が始まりました。





長崎空港  長崎空港に到着。ちょっと見えづらいですが、奥の方の丘に「NAGASAKI」と緑で文字が作られています。
 空港からバスで佐世保に着いた辺りで、小雨もパラついてきました。駅に入る人が傘を畳んでいるのがお分かりでしょう。「長崎は雨だった」というヤツですね。
佐世保駅




三浦天主堂  佐世保といえば旧帝国海軍の基地があったところで、海自の大きな資料館があります。一度見たかったので、そこを目指すことに。とりあえず徒歩で向かいましたが、駅から歩いてすぐのところに有名な「三浦天主堂」が経っていました。小高い段上に構えていて一見ロケーションは良いのですが、下の「ニコニコレンタカー」が雰囲気を台無しにしています(^^;
 しばらくして雨が本振りになってきたので、アーケードへ退避。鹿児島もそうだったけれど、九州のアーケードって結構大きいですねー。
佐世保のアーケード


セイルタワー  これが海自資料館「セイルタワー」です。1階〜7階まで資料や模型がテンコモリ。入場は無料で、映像や船舶運転シミュレーターもあり、大人から子供まで、じっくり見れば2、3日楽しめそうな施設です。最上階からは、佐世保が港の方まで見渡せます。米軍の艦船も見えますね。設備は撮影禁止なので内部は行ってみてのお楽しみということで。 佐世保港方面の眺望


佐世保消防署  セイルタワー向かいに消防署があるんですが、佐世保消防署のマークはイカなんですね。可愛い感じです。 イカ


HIKARIバーガー  佐世保といえば佐世保バーガー。佐世保はハンバーガー国内発祥の地なんだそうです。近くにあった「HIKARIバーガー」へ行ってみました。女性客しかいなかったためちょっと恥ずかしくて写真は撮れなかったのですが、その場で肉やフライなどに衣をつけて調理するので、焼きたてで美味しいです。私はベーコンエッグバーガーとポテトを注文しました。やっぱりマックとかのファーストフードとは全然違います。
 そろそろ佐世保を出る時間になったのですが、若干余裕があったので「宮地嶽神社」を参拝。坂の上でちょっと分かりにくいところにありますが厄除けの御利益があるところだそうです。
宮地嶽神社


松浦鉄道  佐世保の次は、松浦鉄道で宿泊地である平戸口へ向かいます。1両編成の気動車なんですが、終点の「たびら平戸口」はなんと日本最西端の駅! 思わぬところで収穫が。 たびら平戸口駅


たびら平戸口駅前  到着したのは18時30分頃なんですが、駅前は結構暗くて、開いている店もありませんでした。現地の旨い店で食事をして宿で寝るつもりだったのですが、思いっきり予定外。已む無く、そのまま宿を目指して歩くことに……。雨も降ってきてちょっと怪しげな感じになってきました。 宿へ向かって……


グラスホテルへの道  宿泊先はグラスハウスというユース兼ホテルなんですが、駅から歩いて20分くらいでしょうか。とにかく道が暗くて「あばれうしどり」とか「おおなめくじ」が出てきそうな雰囲気です。私の旅行はいつもこんな怪しげな雰囲気になるのは何故なんでしょうか。だが、それがいい……! グラスホテルへの道


グラスホテル  ようやく宿に着きました。ユースとは思えない規模で、普通のホテルとか旅館のような感じです。食事は予約していなかったので、支配人に食事処があるか聞いたところ、連れて行ってくれました。助かった……。この日の宿泊客は私しかいないということもあって、夜は支配人と一杯やりながら、更けていきました。




平戸口から眺める平戸  翌朝。グラスホテルからの眺め。夜とは打って変わって素晴らしい景色です。9時半に出発して(また支配人に少し遠くのバス停まで送ってもらいました)平戸へ向かいます。
 平戸口から平戸まではバスで15分ぐらい。平戸大橋を通って向かいます。ちょっと歩くにはきつい距離です。
平戸大橋


幸橋  左は平戸にある幸橋。江戸時代に作られたもので、国の重要文化財です。まずは最も目立つ平戸城へ。 平戸城


平戸城  城はレプリカで、見学場所はそれほど多いわけではないんですが、天守閣に資料がたくさんあるので、歴史好きなら楽しめるかも。中にあった怪しげな黒いボンボリが付いた棒は、儀式で使う槍なんだそうです。 謎の槍


オランダ商館  続いてオランダ商館へ。ここは旧オランダ商館の倉庫を復元した施設です。右の怪しげな物体はマスコットの「かぴたんず」。普通に怖いです。 かぴたんず


松浦資料館  次の目的地は松浦資料館。当時の内装をほぼ残して、中に資料を展示してある資料館です。右のものは「双六」だそうです。どうやって遊ぶんだ……。 双六


日本一の長身力士  長崎には日本一の長身力士がいたそうです。2mは余裕でありますね。ビックショーみたいな大きさです。足もこれだけ大きい! 私が26cmですから、32cmはあるんじゃないでしょうか。 日本一の長身力士の足


眺望亭  お腹が空いたので、すぐ側の喫茶店「眺望亭」でオランダ料理を注文。グリーンピースと野菜を煮込んだ「エルテンスープ」と、トーストの上に野菜とピクルス、そして目玉焼きを乗せたオランダ風オープンサンド「アウツマイター」を食します。コーヒー付きで1000円。見た目よりボリュームがあって、ピクルスのピリ辛さとグリーンピースのしつこくないトロトロさが良い感じ。 オランダセット


崎方公園  そろそろ平戸を離れる時間となりましたが、やはり少し余裕があったので、近くのザビエルの墓を見てみることにします。入り組んだ坂を上っていくとそれはあります。しかし、平戸は坂が多い! RPGのダンジョンのようです。 崎方公園


ザビエル墓地  こんな感じ。まあ、特にすごいってわけじゃないんですけど。
 長崎までは佐世保で乗り継いでバスで約3時間です。


長崎の市電  さあ、長崎へ到着です! まず驚いたのは市電の多さ。線路がそこら中に這っていて、2、3分おきにバンバン走っている姿を見かけます。札幌や京都の比ではありません。広島より盛んじゃないでしょうか。今まで見た中では一番多いです。市電ファンにはたまらないかも?
 宿へチェックインして、新地中華街へ向かいます。横浜や神戸程の規模ではありませんが、賑やかな雰囲気です。一人で紹興酒やちゃんぽんやらなんだかんだで5000円分食べてしまいました。
新地中華街


淵神社  食後の運動も兼ねて、新・世界三大夜景に指定されたという稲佐山からの夜景を見に出発します。ここのロープウェイは「淵神社」という神社の中にあるようで、鳥居をくぐった中に乗り場があるというのが面白いですね。この時間に男一人でロープウェイに乗っているヤツは流石に私ぐらいでしたが……。モウ何モキニシナイ。 ロープウェー


稲佐山  頂上に着いたら、このブルーの通路を通って展望台へ行きます。
 流石に眺めは素晴らしいです。山に囲まれつつ、港も見え、街も綺麗。函館のような密集度はありませんが、勾配が周囲に広がっていて迫力十分です。ロープウェーの最終便まで30分あったのですが、ギリギリまで見てしまいましたよ。
 この時点で22時なのですが、概ね天気は晴れ。翌日への期待を胸にホテルへ戻りました。
稲佐山からの夜景




軍艦島クルーズ(株)  いよいよメインの軍艦島上陸日です。このクルーズツアーを行っている会社は幾つかあるのですが、私が予約したのは軍艦島クルーズ(株)というそのものズバリの会社。港の前にある小さな事務所です。料金は県への上陸料金300円を含めて4300円也。出発は9時で、8時45分に集合です。右写真の奥に写っている山は、昨日の稲佐山です。 長崎港


ブラックダイアモンド号  私を軍艦島まで連れて行ってくれる「ブラックダイアモンド号」です。格好良い! 海賊船みたい……という評判もあるとか(笑) 船内はこんな感じ。全体的にオレンジと黒で統一されています。トイレも驚くほど綺麗です。 ブラックダイアモンド号


護衛艦  出港すると船が沢山見えてきますが、海自の艦艇に注目してみましょう。左が建造中の「すずつき」、中央が整備中のイージス艦「あしがら」、右も整備中の護衛艦「くらま」です。これらの艦艇がわが国の領土を守るために活躍するわけです。
 右写真は日本有数の斜張橋「女神大橋」です。この下をくぐって港を抜けていきます。
女神大橋


ガスタンカー  しばらくすると丸いドーム状の突起を持った船が見えてきました。船のスタッフに聞いたところ、このドームの中に天然ガスを格納しているのだそうです。ガスは冷却して固体にした上で運ばなければならず、温度の関係からドーム状になっているのだとか。
 右は石炭採掘が行われていた「横島」。採掘が終わってからは少しずつ沈んでいき、今ではほとんど姿が見えなくなっています。
横島


高島の模型  船はこの先、伊崎島でお客さんを乗せた後、高島に泊まり、ここの軍艦島資料館で模型と資料を使って解説が行われます。歴史好きの私にとっては話が面白くてたまりませんでした。というか、ここまで来るお客さんは皆多かれ少なかれ軍艦島とか炭鉱の歴史に興味がある人でしょうから、まず楽しめると思います。
 右は軍艦島と長崎を往復していた郵便船の霧笛。貴重なものだそうです。
霧笛


人車  左のような人車に乗って炭鉱を進んだそうです。
 そして、高島を出港するとついに軍艦島が見えてきました! 何とか平行を保って撮っていますが、現場はかなり揺れます。手すりに捕まらないと落ちてしまいそうになりますので注意! これで全然揺れない方だというのですから、時化のときはどうなるのか……。写真なんて撮れないでしょうね。
軍艦島


軍艦島  接岸作業中。驚いたことに、釣りをしている人が何人もいます。立ち入り禁止じゃないの!?と思ったら。軍艦島の外側は海岸線扱いで立ち入れるのだとか。だから釣りも可能ってわけです。波が高いときとかかなり怖いでしょうけど……。 軍艦島


軍艦島  完全な廃墟です。写っている枠のようなものは元ベルトコンベアー。採掘所からボタと一緒に運んできたものが選別され、その後ベルトコンベアーでここへと運ばれ、積み込まれていったのです。奥には団地があって、屋上には保育所があり、日本で最初に屋上緑化を取り入れたそうです。この辺りはエピソードが一杯でとても書ききれません。
 この後もう少し進んでいけます。トンネルは途中からは新しく整備されたものです。
軍艦島


軍艦島  トンネルには立ち入り禁止の分かれ道もあるのですが、中に何故か落書きが。柵で塞ぐ前に誰かが行ったんでしょうが……。スタッフによると島にはこうした落書きがアチコチにあるそうです。
 トンネルを抜けるとそこは……やはり廃墟です。この辺りには島で最も高いクレーンの塔があったのですが、今では朽ち果てて残骸が残るのみです。奥のレンガ塀は、天気が悪いと潮で真っ白になるんだそうです。
軍艦島


軍艦島  立坑です。ここからフリーフォールのような速度で乗り物で降りていくのだそうです。下に付いた頃には屈強な採掘夫でも気絶していたとか。過酷な採掘現場では帰ってこれなかった人も多かったようです。
 右は最後の見学現場の団地です。中には家具が残っている部屋も……。ここで見学ツアーは20分の自由時間となります。写真を撮り放題。
軍艦島
軍艦島  見学時間も終わり、軍艦島を離れます。十分すぎるほど満喫しましたね……。軍艦島は今も風化し続けているため、次に来たときは今あったものがなかったりするそうです。完全に倒壊して立ち入り禁止になる前にまた来たいものです。
 ちなみに右に写っているのは隣にある「中ノ島」。様々な娯楽施設が揃っている軍艦島になかったものがここにはあります。それは火葬場。今でも焼き場が見えます。
中ノ島


大浦天主堂前駅  続いてグラバー園に向かいます。左は長崎がいかに勾配が多く、盆地上になっているかを示す写真です。
 グラバー園の付近は観光地になっていて、土産物屋が立ち並んでいます。
長崎市内


大浦天主堂  途中に大浦天主堂があります。景観は抜群ですが、ここはあまり見るものがありません。
 隣がグラバー園内のグラバー邸です。センチメンタルグラフティの遠藤晶を攻略するときに必ずここに来ますね!(古いな……) 園内にはここだけではなく沢山の邸宅があります。
グラバー邸


ハートの石  石畳にはハート型のものが2つあって、両方に触ると良いことがあるとか。グラバー邸の近くで一個見つけたので撮りましたが、もう一個は分かりませんでした。
 右は喫茶店の一こまなんですが、センチの晶に会いに行ったとき、こういうポジションでのデートシーンがあったような……。図らずも(!?)聖地巡礼になってしまったようです。
グラバー園


角煮饅頭  長崎名物の角煮まんじゅう。豚の角煮が入った饅頭です。意外とボリュームがあります。
 一通り見学を終えると、何故か長崎の郷土資料館へと誘導されます。いきなり日本的な雰囲気になって面食らいましたがこれはこれで面白いから良いか。
郷土資料館


オランダ坂  グラバー園を抜けると、もう帰りの空港バスが出る15分前。急いでバス停へと向かいます。その途中でオランダ坂を見つけたので激写! 次は登らなければ。

 全体的に天気が良くなくて慌しくなった感はありますが、目当ての軍艦島は問題なく上陸できましたし、長崎の異国情緒溢れる景観はとても気に入りました。私は歳をとったら函館に住もうと思っているんですが、長崎も雰囲気が近いし候補の一つになりそう……。まだ幾つも回っていないスポットがあるので、また別の季節に来たいと思います。
長崎空港





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