智代アフター



智代アフター

Key
(C)Key

智代アフター公式



 Keyと言うことで良作なのは間違い無いだろうと思っていたんですが、どうも巷では評判があまり良くないみたいですね……。
 Keyは好き嫌いが分かれるところでしょうけれど、私は好きなので楽しみではありますが。
 ところで、CLANNADで18禁はもう終わりかと思ったらまた18禁で出してきたわけで。
 正直なところ、私はKeyのゲームはHシーンなどいらないと思っている人間なのでその辺りがやや気にかかります。
 ともあれ、プレイ記を付けていきますよー!




第一回


 約4.2GB。いつものビジュアルアーツシステムで、ディスクレス起動可です。

 開始数分から、いきなり智代とのHシーンが始まります。
「エロいか?」と言うとそれ程でもありませんが、いたる絵(今回いたる氏はキャラデザのみ)で無くなっているので、
えち度は上がっていると言って良いと思いますよ。
 前半のテキストは相変わらず単調です。麻枝氏のテキストは後半に進むにつれて良くなっていくので問題無いとは思いますが。
 それでもギャグセンスは光っていますので心配には及びません。
 ……とは言え、毎日毎日Hシーンを入れるのはどうなんだろう。
 一回一回が短いのもどうなんだろう。
 それと毎回H直後にギャグが入るのはどうなんだろう。
 ギャグは好きですが、必要無いHシーンは入れない方が良いと思っている私にとってはちょっと今回のセンスは合わないみたいです。



 ………………



 !?



 と、思っていたらOPキター!!

 ウホォオウッ!!
 あれですか! Hシーンなどホンの前座に過ぎなかったってことですね!
 やはりKeyはこうでなくちゃね!
 躍動感溢れるムービーが! 悲壮感漂う主題歌が! 純粋さが光るキャラクターが!
 私を呼んでいるっ!!
 皆、叫ぼう!
 ワンダフォー!!




第ニ回


とも  とも可愛ぃいいぇええぉおおっ!!

 いやー、やっぱり子供って良いですね。
 ……とか書くと何か誤解招きそうですが。
 私の中の零れ落ちんばかりに溢れる父性愛が炸裂しているだけで
決して「小さい娘だギャッハー」とかいってるわけではありませんよ?

 こうして血の繋がりの無い人間が寄ってたかって家族を構成すると言うのは家族計画みたいですね。
 麻枝氏はこういう話が好きなんですかね、真琴と言い観鈴と言い。
 血の繋がりなど無くても人間は繋がることが可能だと。
 今回もそんな感じで話が進むんでしょうか。
 ……とすると、最終的にともが死にそうで嫌ですが(^^;

 OPムービー後、ギャグの輝きが増してきます。
 いつもながら地の文は単調ですが、会話の掛け合いが楽しいですね。
 声優ですが、智代が一色ヒカル、河南子が涼森ちさと、ともが佐々木あかりと言うことで。
 中堅〜ベテランを集めましたね。  今のところ、河南子役が一番上手く感じます。
 智代はイメージとしてはピッタリなんですが、若干不安定です。
 ともは不安定な声ですが、その辺が子供らしくて良いです。

 片親とか両親がいないとか設定は相変わらず無茶苦茶ですけど、どこまで感動させてくれるのか。




第三回


 今回も青春だなぁ……と。
 拳で分かり合う友情ってのはあるんですよね。
 萌えも好きだけど、男臭さ溢れる展開も好きです。
「どこの青春漫画だよ」と言われるかもしれませんが、殴り合いの喧嘩をした後って妙にお互いのことを分かり合えるものがあると私は思います。
 皆さんもそう言う経験があるのではないでしょうか。
 残念ながら「女を守るっ!」なーんて格好良い理由では無いですが、私もそういう経験が何度かありますので共感してしまうんですなぁ。
 花火をバックに敵をちぎっては投げちぎっては投げ。
 うん、タイガーマスクだな、こりゃ。

 でもって、8月まで突入して、鷹文編をクリアーしたことになるのかな?
 あからさまなお涙頂戴な展開なんですけど、不覚にも感動してしまう自分がここにいる。
 音楽が良いんだよなあ……。最後の演出も捨てがたいんだよなあ……。絵も良いしテキストも良い。
 Keyゲーをやってて思うことは、一体私は何に感動してるんだろうかと言うことです。
 テキストも良いんですが、やはり音楽に感動させられてるんじゃないだろうか。
 ADGと言うのは総合力が大切なんですが、毎回お約束の様な感動展開に涙するのはやはり音楽の力が偉大だからなんだろうなぁ。
 ……と、ふと思ってしまいました(^^;
 いや、全部が良いんですけどね。




第四回


号泣

 やられたよ……



 とも編クリアー

 泣かないぞ泣かないぞと思ってたんですが、最後の最後に涙腺が圧壊しました(TT)
 最後にあんな音楽流されてはもう仕方ないというものです。
 うーん、やはりKeyゲーには音楽で泣かされてるのかなあ。

 色々と思うものはありました。
 朋也の行動には共感するところはありますが、その後のともの人生を狭めそうな感もしました。
 しかし、限られた期間であったとしても大切な人との関係は必ず思い出に残ることは確かですし、それはきっとその人の糧になることも確かです。
 正直なところ、「正解」なんてものは無いんだと思います。
 あちらをとればこちらがへこむ、こちらをとればあちらがへこむ。人生は答えの出無い選択肢のオンパレードですしね。
 ゲームの様に選択肢を戻ることなんて出来ないんですなあ。
 だからこそ、日々を大切に生きようと。今日会った人にまた同じ様に会えるとは限らないですから……。

*ただ、最後にともに選択を迫ったのはやりすぎな気も。
 あんな状況にともを導いておいてあれ以外の選択はありませんって。
 若干傷口に塩を塗っている感じがしましたが、これは過剰反応すぎますかね(^^;




 とも編をクリアーして、このゲームの主役は確かに智代なんだな……と再確認しました。
 ともと朋也達との家族物語だけでは無く、主題は「智代の成長」にあるんですね。
 それと脇役が今回も良い仕事してます。河南子が鷹文が、そして名も無きエキストラが。
 ところどころでポッと語る一言、起こす行動にじんわりときます。
 こう言うキャラクターの使い方を見ると本当に良いゲームだなあと思えるわけで。
 うん、智代アフター凄く良いですよ?
 何でこうも評判がいまいちなのか良く分かりません。う〜む、この後に何かが待ち受けているのか……?




最終回




ソウイウコトカ……



 何でこのゲームの評価が今一つなのか分かりました。
 総括に入る前に、各種項目のまとめを軽く。

 キャラクター。
 顔が変わった。
 声が付いた。
 うおお、すげえ。
 ……智代の基本的な性格は変わっていませんし、声も合っています。
 絵は安定した万人向けなものなので、余程いたる絵にこだわりがある方でなければ問題無しかと。
 サブキャラも良く周りと絡んでいましたので、バッチリです。
 声優。
 智代との相性はかなり良いでしょう。
 河南子、とも、鷹文、親父、その他キャラも違和感無し。
 相変わらず良い人選だと思います。

 音楽。
 やられる。
 今回も音楽がシナリオを強力サポートしてます。
 油断出来ません(笑)
 歌もOP、EDともにKeyらしさが出てると思いますね。

 テキスト。
 地の文は単調で会話文は命がこもるいつもの麻枝テキストです。
 ギャグは健在。
 読みやすさは微妙ですが、読ませる文なので大丈夫。

 システム。
 いつものビジュアルアーツのシステムです。
 オートメッセージがコンマ単位で設定出来るし、スキップも早い。
 前の選択肢にも一発で戻れますのでここのシステムはとても使いやすいと思います。

 演出。
 良さそうで良くない。
 ムービーは良いんだ。
 ただ、智代のナレーションをキーボード調にカタカタ表すのはやめて欲しかった。
 機械的で、感情がこもり切っていない様に感じてしまう。
 まあ、PCでやっているという設定上仕方無いものがあるのですが。
 効果音は良かったので、ここだけが勿体無かったです。

 グラフィック。
 凄い。
 いつもながら、この仕事ぶりには感服します。
 背景なんて草薙顔負けですよ。
 これからも頑張って下さい。応援してます!

 Hシーン。
 いらない。
 最初に言いましたが、私はKeyのゲームにHシーンなんていらないと考えています。
 ただ、使い方は必要な時に限って使われているので問題無し。
 とは言ってもやっぱり……いらないなぁ。
 エロ度的にはややエロい程度で、実用的かと言うと?マークが付きます。
 フェラなども殆どテキストで表現されて声が出ないのでやる気があるのか疑ってしまいます。
 それに、サブキャラのHシーンはありません。
 まさかとものHシーンを考えた人はいないと思いますが、河南子のHシーン描写もありません。
 智代オンリーです。ざまあみろ!<私が
 と言うことで、Hシーンは不合格。

 以下、一応婉曲的に表現しますが、ネタバレありと思ってもらった方が良いかも(^^;
 ネタバレしない方が良い方は見ない方が良いかもしれません。















 要はセンチ2なんですよ。
 いや、まあいきなりゴニョゴニョと言うことは無いですが、センチやり込んでセンチ2に入った私としては同じ感覚でして。
 何ですかね、まあ麻枝氏が単なるハッピーエンドを持ってくるとは思ってませんでしたけど。
 あのトリックは一瞬「はぁ!?」と思わせられましたけど。
 とは言え、確かにこのエンディングは好き嫌い分かれそうだなあ、うん。
 しかしだ。
 私はこのエンディングはありだと思う。
「死が二人を別つまで」なんて言葉がありますが、この二人の愛は正しく「永遠」なんだと思う。







 ……と言って綺麗に締め括りたかったところなんですが。
 私は最後の最後でこのゲームが分からなくなってしまった。
 どちらが言ったかは関係無い。最後の最後のこの一言。

「ありがとう。お前のおかげで良い人生だったよ」

 これは違うんじゃないか?
 長い間待って、やっと聞くことが出来たすべてを決定付けた一言をここで使うべきなんじゃないですか?
 だって「ありがとう」は聞きたかった言葉では無かったでしょう?
 ここは「好きだ」で締めるべきです。
 その方が、二人の永遠の愛を信じられます。
 このゲームでは、「ありがとう」は終焉の言葉です。
 だから「ありがとう」で締め括られては永遠なんて信じられません。
 この後、一体どうなってしまったのか。
 人生は確かに素晴らしいものでしょう。
 しかし、永遠の愛と言うものは果たして存在したのでしょうか?
 一体、智代アフターは何を語りたかったゲームなのか?
 このゲームでは、一切答えが出されていません。
 このエンディングは確かにあり得ませんな。
 いや、誤解して欲しくないのですが、朋也がどうなったからってことじゃないですよ。
 最後の一言がすべてを滅茶苦茶にしたんです。
 これは評判が悪くても文句言えませんな。



 ……ただですね、確かに上記の様にエンディングは微妙だったんですが、とても良い場面がたくさんあったことも事実です。
 鷹文と河南子の物語、ともの物語。
 そして何より直幸のその後。
 私、駄目なんですよね……年老いた親が子供を想って苦労している姿って。
 いかん……あのシーンだけは本気で涙が出てくる。
 CLANNAD本編の渚と結ばれた後の直幸編も大泣きしたけど、智代と結婚した後の直幸はもっと泣ける。
 本編でどれだけ直幸が朋也のために苦労したか知っているだけに余計に泣けるんだ。
 泣ける。と言うか泣く。むしろ泣け!
 このシーンを見るためだけに買っても良いかもしれない。

 と言うことで、何とも奇妙なエンディングのゲームではありますが、良い話ではありますよ。
 超素晴らしいとは言いませんが、音楽の力が偉大なので値段に見合った出来ではあると思います。
 サントラ付きの初回版なら買って良いかと思います。

 それとですね、クリアー後にお楽しみのミニゲームが待っています!
 DUNGEONS&DRAGONSのパクリっぽいDUNGEONS&TAKAFUMISとか言うゲームですよ!
 一周してやめた皆さん、もう一周してみましょう!



D&T D&T

新たな冒険が私たちを待っている……!

 最後の最後でまったく違うゲームになった気が(汗)



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