BAD COMMUNICATION(先生・・・(涙目))  
BAD COMMUNICATION




「・・・っ・・・あぁ・・・。」
いつも先生に抱かれるヒミツの部屋の扉を開けると、そこには先客が居た。
成績をいつも競う彼女。話した事も無いけれど、顔は知っていた。
私の知っている彼女の顔。
それは神経質そうに眉の間に皺を寄せて、近寄る者全てを否定したような表情で
綺麗な顔を台無しにしていた。
その顔が・・・今、先生の腕の中で、淫らに崩れていた。

一体、何時からなんだろう。彼女は何度先生に抱かれたんだろう。
薄く開いた扉の隙間から中を伺いながら、私は嫉妬に身を浸す。

『君は、私に何を求めている?』
初めて先生に抱かれる直前、彼は私にこう尋ねた。
心が荒みかけていた私は、『快楽』と答えた。
彼は口端だけで笑うと、私の首筋に指揮棒を這わせた。

それからこの部屋で、私は望む物を何度与えられただろう。
醜い感情にかき回され始めた私は、もうその回数を思い出せない。
服を着たままの男に、半裸の女生徒。
目の前に広がるその光景は、いやらしくて、不快だった。
細身の割りに豊かな胸に、先生の舌が這う。
あの舌先から与えられる快感を、私は知っている。
まるで彼女の感覚が、私に憑依したかのような、錯覚。
その錯覚に、いつも彼に入念に愛されるしたたかな部位は、潤みを湛え始めた。
「ん・・・あぁ・・・っ・・・せん・・・せ・・い。」
背徳というスパイスが、私の視線をその光景に釘付けにする。
スカートを履いたまま、下着だけをもぎ取られている。
彼女が脚を開けば、その淫らな涎を流す口が顔を出す。
先生のしなやかな指先が、ゆっくりと差し込まれた。
彼女の身体は弓のように反り、狂ったように腰が踊った。

私は思わず唾を飲んだ。
イヤだ。でも、ここから離れられない。
足が見えない力で、床に貼り付けられている。
彼女に潜りこんだ指が、蜜を絡めて艶を帯びている。
先生が奏でる彼女の淫猥な水音が、聞こえる。
・・・それを捉えたのは耳じゃない。
彼に抱かれて刻まれた感覚が、音を頭に響かせている。

彼女の頬が、紅潮しだした。
・・・もうすぐ、イク。
私の呼吸も、何時の間にが上がっていた。
先生の指を介して、彼女と私の身体が、一つの頂点に達しようとした。

・・・その時。

「・・・見学か?見学は許可を取ってからにしてもらおう。」
言葉と共に、鋭い視線が私に投げられた。
驚きで、身体が強張るのが解った。
床に執拗に張り付いていた足が、軽くなる。
そこから逃げ出す気が毛頭無い時点で、私は既に狂い始めていたのかも知れない。
彼が浮かべる酷薄な笑みに良く似た微笑が、私の口元から零れた。
成すがままだった彼女が上半身を起こし、怯えた表情で私を見る。
「見学させて下さい。」
胸の奥の嫉妬も、身体が発情している事も全てを隠した声で、私は彼に申し出た。
彼が静かに声を上げて笑う。その声は、何の感情も無い。
「どうする?有沢。彼女が見学したいそうだ。」
羞恥と快楽にまみれた潤んだ瞳で、彼女は当惑していた。
私と彼女は、恐らく似たような状況で彼に抱かれているのだろう。
ただ、私と彼女は決定的に違うところが有る。
常識という枷を、簡単に外せるかどうか。
彼女は世間一般という檻に閉じ込められた、哀れなヒトだ。
・・・私は、この場に足を踏み入れた時点で、しがらみはまるで無い。
「あの・・・私・・・。」
消え入りそうな程小さく、甘い声が辛うじて彼女の唇から吐き出された。
無造作に開かれていた脚は閉ざされ、肌蹴た制服の上衣を慌てて整える。

「・・では、ここまでだな。」
彼女の建前を奪い去っていた指先が、名残惜しそうな音と共に引き抜かれる。
「そんな・・・。」
私は腕組みをして、その陳腐なやり取りに耳を傾けていた。
彼が何を言うか、想像はつく。

―私たちは、求めれば与えられる。

先生は求められれば、拒まない。
物陰から彼の様子を伺っては黄色い声を上げている、半ばファンみたいな子達がこの事を知ったら、
行列が出来るのではないか、と想像して笑ってしまう。
拒まない理由は、先生にとってセックスが質問と大して変わりない事だからだと、私は理解していた。
だから、彼から誘われる事など絶対にない。
・・・彼は、歪みながらも教師なのだ。
「あなた、出て行ってくれない?」
彼女は彼の問いに、何と答えたのだろう。
感情を露にする彼女が、不快だった。
「・・・は?」
私の言葉に、彼女は益々不快感を表に出す。
「残念だが、有沢。」
指先に纏いつく彼女の蜜を処理しながら、先生が私たちの間に割って入る。
「私は君に、どうするかを問い掛けた。しかしそれは、彼女の見学の認否に対してではない。」
彼女は黙って、うなだれていた。それが彼らの間で、どちらが上位かを露呈している。
「彼女の前で、続けるか否かだ。」
驚いた顔で、彼女は先生に視線を投げた。
先生はそれに対して、眉一つ動かさずに冷淡な視線を彼女に向けていた。
「・・・あなたがイヤなら、私の番。」
受け入れたく無いのに、彼女と先生を共有している事を、認めるような台詞を私は吐いた。
黙り込む時間が、もったいない。
私は先生が、欲しい。
「・・・あなたは平気なの?」
「何が?」
彼女と押し問答をしに、ここに来たんじゃない。
心がちりちりと焦げ付くのを感じた。
「誰が見ていようが、先生が誰を抱いていようが、私には関係ない。」
彼女の目が、意地悪な光を放つ。
「じゃあ、見せてよ。」


私は先生に歩み寄ると、跪いてベルトに手をかけた。
彼は何の抵抗もしない。
ただ、私を眺めているだけ。
扱いなれたベルトを外して、ファスナーを下ろす。
「・・・先生、上着着てたら不恰好ですよ?」
先生は鼻で笑うと、上着を脱ぎ、ネクタイを緩めた。
「途中で逃げないでね。有沢さん。」
彼女にそう言い捨てると、衣服の奥から引きずり出した彼自身を口に含んだ。

「君は・・・他に誘い方を知らないのか?」
深く咥え込み、舌を泳がせていると抗議の声が聞こえた。
・・・そういう求め方を教えたのは、誰?
食ってかかりたくなったけれど、何となく興醒めしそうだったから止めた。
口内で力を帯びるモノを、離したくない。
決して表には出せない独占欲。
醜い音と汚い唾液にまみれながら、唇はただ独り占めしたいと言う意思だけで、
せわしなく彼に奉仕する。
彼女の視線が、更に私を熱くした。
ちらりと目線を投げると、屈辱的な表情が見えた。
先端へ舌を這わせ、執拗に愛撫する。
手を置いていた彼の太腿が、軽く強張るのが解った。
軽く唇を離すと、彼の視線が注がれる。
「どうしますか?先生。」
先端に軽く舌を絡めながら、先生に上目遣いで問い掛けた。
「君の、望むままに。」
先生は、いつもそう。
それが嬉しくて、悔しい。
再び彼女を見やると、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
悲しみだけじゃない。その瞳には、妖しい光も混在している。

ヒトが堕ちていく様は、美しい。
彼女の様に、清らかであれば・・・尚更。

怒張し始める肉塊を、手で覆う。
軽く握ると、強い反応が返ってきた。
手先を繰れば、更に口の中で体積が増してゆくのが感じられた。
煽る対象は、先生だけではない。
口に収めているそれが彼女に見えるように退き、じらすように深く飲み込んだ。
先生との秘め事を、見られても構わないと思った。
羞恥心は、先生を支配したいという欲がかき消していく。
先生の呼吸の乱れにつられるように、私の息もまた上がり始めた。
私の身体は指で触れられなくても、彼を受け入れるには充分過ぎるほど潤んでいた。

時折口の中に注がれる、何にも抗いがたい媚薬が私をどんどん淫らに変える。
ただ醜くも、先生を求めているだけとなっていた。

私の思考を見失った先生が天井を仰ぎ、息を上げている。
唇を離すと、望みを告げた。
「“いつものように”、私を・・・。」
彼女が横たわっていた机に私が身を投げだすと、彼の唇が首筋を這った。
器用に私の制服を剥ぐと、緩やかに開いていた脚をこじ開け、顔を埋めた。
私は視線を彼女に投げる。

・・・ワタシニハ、シテクレナイノニ。

たどたどしく動く彼女の唇は、確かにそう言った。
唇の震えは、怒りからなのか。それとも・・・絶望か。
先生の舌が花芯を撫で上げると、私はわざとにいつもより大きく、艶かしく声を上げた。
「涼しい顔をしておきながら・・・。」
彼はそういうと、浅ましい音を立てて私の蜜を啜る。
一瞥した彼女の顔は、欲情していた。
それを確かめると、私は一旦意識を彼に向ける。
舌先がじわじわと、花弁を開いて奥へと進む。
私は彼女に聞かせるように、喘ぎ声を更に大きく解き放った。
それを楽しむように、彼は隆起し始めた肉芽を貪る。
強く吸い尽くされ、私は絶頂を得た。


だらしなく脚を開いて、床に座り込むかつてのライバルは
私の蔑みの視線を受け入れた。
「・・・せんせ・・い。ください。」
開かれた脚の間に手をあてがって、彼女は自分を慰めていた。

欲望には、誰も抗えない。
魅入られた者は、ただ堕ちゆくのみ。

虐げられる事に喜びの表情を浮かべて、自分の蜜で濡れた指で花芯をせわしなく弄りながら悶えている。
「彼女に・・・してあげて。」
それは、哀れみではない。
私と彼女の立場の違いを、よりあからさまにする為。
私は机の引き出しの中から避妊具を取り出すと、彼に手渡す。
彼は顔をあげるとそれを受け取り、私から離れて彼女に歩み寄る。
「せ・・んせ・・・。お願い。」
彼女は恍惚の表情を浮かべて、彼自身をねだる。
その光景は、私の嗜虐心をくすぐった。
そして先生もまた、そんな様子で彼女を侮蔑していた。

「手を退けなさい。」
脚の間で蠢く彼女の綺麗な手を退かすと、彼女の身体を乱暴に床に押し倒した。
そして私の口の中で怒張していたモノを無機物で覆うと、彼女を一気に貫く。
彼女の唇から、泣き声に近い声があがった。
先生は焦らすように腰を遣って、彼女をどんどん追い詰めてゆく。
粘液の擦れる音は、艶かしく静かな部屋に響く。
リアルな音の所為か。目の前で行われている行為の所為か。
私は更に、彼を欲した。
念願のものをその体内に受け入れた彼女は、何度も一歩手前で抑制されていたせいか、
絶頂がもうすぐそこまで来てるようだった。
「・・・い、ああああ、あ・・・・。」
断続的に放たれた叫び声。
彼女がぐったりして動かなくなると、先生は彼女から体を離した。

「楽しいか?見学は。」
軽く呼吸を乱しながら、先生は私を詰るように問い掛けてきた。
「別に。」
私は顔をそむけて、ぶっきらぼうに言い放った。
・・・楽しくなんか、無い。
快感と不快感が、交互に押し寄せてくる。
「・・・不機嫌だな。君も嫉妬するのか。」
心の深奥を見透かされ、身体が怒りで熱くなる。
「違います!」
否定は言葉だけ。先生の顔を見る事が出来ない。
耳元で私の名前を呼ぶと、全てを見透かしたように先生が微笑んだ。
「・・・深入りしないで。」
私の感情を、感じ取らないで欲しい。
生徒以上に、愛してくれないのなら。

「そうだったな。」
その声には、何の色もない。
彼女に対して感じた優越感は、ただのまやかしだった。
この人に取って、私も彼女も大差ないのだから。
「・・・で、次はどうしたらいい?まだ彼女を抱けばいいのか?」
私は黙って首を横に振る。
胸の奥が苦しくて、眩暈がする。
この人を教師以上に想う気持ちを、忘れたい。
「私を・・・抱いて・・・。」
顔も上げずに言い捨てると、先生は無言で、さっきまで彼女に埋めていた熱い肉塊で私を貫いた。

ほんの一瞬でいい。身体が感じる快感に、全てを支配されたい。
意識も、何もかも・・・。

「先生。私と・・・有沢さんと・・・どっちが・・・いいんですか?」
息を切らせながら、私は素朴な疑問を口にした。
先生は動きを止めると、口端だけで笑っていた。
「・・・気に、なるのか?」
そう問い掛けると抜け落ちそうになるまで、先生が退く。
「・・・あ・・・。」
「君の口癖を借りるなら、”深入りするな”だ。」
私にそう警告すると、先生は再び抜き差しを再開する。

この感覚を、何て表現したらいいんだろう。
失神して床に横たわっている彼女の様に、先生に心まで預けられたら・・・。
突き放される恐怖に怯えずに、全てを委ねられたら・・・。

彼女を高い位置から見下ろしていると、思い込もうとしていた自分に気付く。
彼女が羨ましかった。だから私は意地悪をした。
太腿を、素直に蜜がつたい落ちる。
「キスして・・・先生。」
怖くて避けていた事を先生に催促すると、顔が近づいてきて、薄い唇が軽く触れた。
「・・・もっと。」
肉のぶつかり合う音が、口付けと共に激しくなってゆく。

・・・その唇で、私を愛していると言って・・

それを言葉にする前に、私の意識は求めていた真っ白な場所に辿りついた。

「コレ、いや。」
さっき被せた異物がこの上なく邪魔に感じた私は、先生から一度身を離すと、覆いかぶさっている避妊具を取り除いた。
「・・・何をする。」
床に投げ捨てると、表側に纏わり付いた蜜が情けない音を微かに立てた。
「そのままで、してください。」

あなたを、もっと感じたい。
私を、特別扱いして欲しい。

口に出せたら、願いは叶うのだろうか。
たとえ確率が上がるとしても、私には言えない。
「・・・全く、君は。」
先生はそう言い捨てると、私をきつく抱きしめ、再びじわじわと肉塊を埋めていった。
「・・・んっ・・・ふ・・・。」
望むものを与えられて、身体に痺れが走る。
それはさっきまでの比じゃなかった。
彼の熱が、彼の感触が、ダイレクトに伝わってくる。

あなたを感じて、涙を浮かべる私を見て。

先生が私の涙を唇で掬い取る。
嘘偽り無い嬌声が、私の喉から放たれる。
先生が抜き差しを繰り返す度、私も伸縮を繰り返す。
「・・・言いたい事があるなら・・・はっきり言いなさい。」
息を上げながら、先生は私を問いただす。
こんな事を聞かれるのは、初めてだった。
いつもはただ貪りあって、終わるだけの情事。

彼も・・・私と同じ?
欲しいのは、快楽だけじゃない?

「先生を・・・あい・・・し・・て・・・ます。」
蜜を絡め、淫猥な音を奏でる肉塊を強く締め上げながら、私は初めて想いを口にした。
「・・・俺もだ。」
先生は耳元でそう囁くと、激しく抽送を繰り返す。
身体も心も満たされ、身体に精がそそがれる。
私はそのまま意識を失った。


力の入らない身体を投げ出して、私の淫らな蜜にまみれた先生自身を口で清める。
床で気を失っていた彼女は、いつの間にか意識を取り戻して、私の秘所へ顔を埋めると
私と先生の入り混じった体液を嬉しそうに舐めていた。
私の口の中で、先生が再び力を取り戻し始める。
それにつられるように、私もまた身体が疼く。


イケナイ関係は・・・まだ、終わりそうにない。





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言い訳(汗)

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