跡部を見て吐き気を覚えたのも、 跡部を見ていらついたのも、 どれもこれもあの日の所為。 華〜あたしの気持ち〜 真っ赤な薔薇の花 昔からが『大好きだ』って言っていた。 いつの日か、高いのに無理をして買ってあげたら、 満面の笑みをみせた。 見てるこっちが恥ずかしくて、頬を染めた。 いつからだったんだろうか。 その笑顔を、羨ましいと思えてきたのは。 自分の気持ちに素直なに、 自分の気持ちに不器用なあたし。 いつも比べられていた。 その度に胸が苦しくて、 を憎んでた。 自分を変えようなんて思わなかった。 違う、考えられなかった。 見難い自分を見つめなおすのが怖くて、 見難い自分を認めるのが怖くて。 こんな自分を誰も好きになんてなってくれないと思ってた。 それなら、自分から距離を置こうって思ったの。 と比べられなくていい距離を。 でもそれは無理だった。 逆に前よりももっと比べられるようになった。 変わっていく自分。 変わっていく気持ち。 自分の後をトコトコ着いてきた可愛い妹も、 今では自分を苦しめるだけの存在。 でもその存在を無くした今 あたしは何を考えている? いなくなってよかった? これであたしは救われる? そう思っていた瞳から流れるのは、大粒の涙だけだった。 理由はなんであれ、自分に話しかけてくれた忍足に感謝した。 こんな自分にも話しかけてくれる人がいたって。 最初無視してたのは、単なる照れ隠し。 嬉しかったの。 の姉というあたしじゃなくて、 あたしに話しかけてくれた忍足が。 愛情でも、友情でもいい。 あたしに想いを下さい。 1人泣き明かす夜 目を腫らし、起きた朝が何日あっただろうか。 『そ・でも・・・あた・ちゃんの・・と、だ・・だから。 』 は何を言ったの? 何を言ってくれたの? 思い出せない記憶に、焦る自分。 答えをださなきゃいけないのはわかってる。 暗闇を歩く決心はできていた。 でも、いざとなると足はすくんで1人じゃ歩けない。 明かりはないの? 他に誰かいないの? 声を出したくても言葉にならない声。 叫んでも誰も助けてくれない。 みんなそっぽ向いてる。 そんな時に思い出すのは、跡部の言葉だった。 あたしを好きだと言ってくれた。 あたしを見ていてくれた。 嬉しかった。 私の存在、認めてくれた人がいた。 明かりは灯った。 あとはあたしが歩くだけ。 答えを出そう。 それができるのは、あたししかいないのだから。 ---------------------------------------------------------- はーい。 あんま本編に関係はないちゃんの今の気持ちです。 最初ダークですが最後はホンノリ明るく出来たはず・・。 2004.9.3 片桐茜 |