気付かないフリは、
余計自分を傷付けるだけ。





























    華〜本音〜














「なんで謝るんですか?」
「・・・・・。」
「俺、別にあなたになにもされてませんよ?」
「あたしも、した覚えは無いけど・・・。」
オオトリ君には何もしていない。
あたしは、何も。
でも無くしてしまった。
1つの命を。
1人の大切な人を・・・。
「オオトリ君がさっき呼んだ先輩って、の事でしょ?」
「・・・・・はい。」
「あたしの存在は・・・知らなかった?」
「知ってました。会ってみたいって、思った時もありました。」
「そ、なの。」
「でも、こんなにそっくりだとは思ってなくて・・・。」
「あぁ、あたし達一卵性だから・・・。」
「そうなんですか・・。」
しばしの沈黙
何か喋ろうとも思ったけど、何を話していいかわからない。
の事?
盛り下がるだけでしょ・・。
「・・・・あの、さっきはすいませんでした。」
沈黙をやぶってくれたのはオオトリ君の方だった。
「・・どうしてさっきあんなにあたしをひきとめたの?」
「え・・・・」
「すっごい必死な顔して、あたしの事ひきとめたじゃない。」
「・・・・・」
「ぁ、あたしじゃなくての事を。だったのかな?」
「す、すいません!」
「・・・なんで謝るの?」
さっきとは逆。
さっきはあたしが謝って、今はオオトリ君が謝ってる。
だって本当の事でしょう?
あたしの存在を知っていたとしても、
会った事がなかったならあたしを見てと間違えるのもわから
ないことでもない。
親でも間違えたあたし達を、
見ず知らずのオオトリ君が間違えるのも、仕方ない。
「・・・・・・」
「今の質問はやめよっか」
「すいません・・。」
「ううん、いいよ・・・。」
「なんか俺達、さっきから謝ってばっかですね。」
ちょっと笑った彼の顔に、懐かしいモノを感じた。
そう思ったら、あたしの目から涙が流れていた。
「え・え・え!?」
「ご、ごめんね・・・。」
慌て振りにも、重ねてしまう。
を・・・・。











忘れる事の出来ない思い出
あたしはどうやってこの柵から抜け出せばいい?
思わないようにすればするほど、
頭の中にはあの子の事ばかりで。
嫌な時もあった。
でも、それ以上に楽しい思い出もあった。
憎いと思った自分に、
何度後悔の言葉を投げつけた?
何度自分で自分を怒った?
あの時死ぬべきだったのはあたしだったのに。
狂わせてしまったモノを、必死に直そうとするあたしは、
まるで罠にかかった動物。
開きもしない扉の前で、もがいているのはあたし。
どうして
どうして
心と身体は正直。
悲しみは、あたしに涙を流させた。












先輩・・・・。」
「ごめっんっ・・・・!」
泣きじゃくるあたしを前に、オオトリ君は困ってた。
きっとどうして泣き出したんだろうって思ってる。




でも今だけは、泣かせて欲しい



ズタズタになってしまっているあたしの心

癒せそうな人はいないの

忍足の気持ちに本当は気付いてた

気付いてて、気付かないフリしてた

それがあたしの為

忍足の為

忍足の瞳に写るあたしは

忍足はあたしとを錯覚してた

双子だった、あたしに・・・・・

だからかな

もう忍足には優しくしてもらえない

されたらもっとあたしは、惨めな気持ちになる。

もっと、もっと・・・・・。

の変わりのあたしはいらない

が欲しい

本音を出せば、弱音ばかりで、

誰かに必要にされたい心

わかってくれるのは誰なのかな?

交差する気持ちと本音

自分の事なのに自分でもよくわからなくて、
不安になるの。

誰か、傍に居て下さい・・・・・。

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やっぱり長太郎は優しい少年・・・。
どんどん他人とも話すようになったちゃん。
気持ちをかくのが好きになってきた今日この頃v
2004.9.17 片桐茜



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