～華～

こんな事、あっていいわけないっ・・・・！！

華～あの日の真実今ここに～

のお墓の前で、独りたたずむ。
もう１年も経ってしまった
中学に入って、１年の短さを痛感していたけど、今回ほど短くはなかった。
まるで、１年前のあの日が昨日の事のように思い出せる
眼を閉じればそこにはがいる。
後ろ姿しか見えないけれど、それは確かに。
こっちを向いてはくれないの？
あたしを怒っているの？
ねぇ・・・・こっち向いてよ・・・・
その顔は笑っているの？泣いているの？
あたしには、わからないよ
眼を開けて、もう一度目の前のお墓を見る。
掃除も花も、やるべき事は全部した。
あとは何をすればいいのか・・・・・

謝罪するべきなのだろうか

感謝するべきなのだろうか

同情するべきなのだろうか

ワカラナイ

そんな時、日の光を背中に浴びていたはずなのに目の前に自分のよりも長い影が現れる。
誰か来たのかな
部活終ってから来るって言ってたし、忍足かな・・・・
そう思って、後ろを見た
後ろにいたのは、以外な人物だった
「あ・・とべ」
「・・・よぉ」
その手には薔薇
確かに薔薇はの好きな花ではあったが、お供えするのに薔薇はどうかと・・・・
「・・・・・帰る」
逃げるように立ち去ろうとしたあたしの腕を、跡部は捕まえた。
「待てよ」
「放せっ・・・！！」
「逃げるっていうのは俺様にとって失礼だろうが」
「うるさい！」
気持ち、悪い・・・・・
「また逃げるのか？」
「・・・・・黙ってよ・・・」
「俺から逃げて、その後はどうする？」
「・・・・っ」
「逃げるな」
「やめっ・・・！」
いきなり抱きしめられた
の前なのに、やめてよ。放してよ・・・・！
どんなにジタバタしても、力では敵わない
「・・・あの時は・・・・・」
「あぁ？」
「あの時はあんたが逃げたくせに・・！！」
「・・・・・・」
「自分の言いたい事だけ言って、さっさと行ったくせに」
「・・・・だから？」
「だからっ！！はっ・・・・」
「・・・・俺のせいだとでも言うのかよ」
「っ・・・」
「ちがうだろ？」
「・・・うるさいっ・・！」
「本当は・・・・」

本当は、跡部でも、誰のせいでもない。
あたしのせい
あの時、喫茶店ですでに来ていた跡部と話して・・・それで・・

「なによ、話って」
跡部の向かい側に座るあたしと
はずっと下を向いて、何も喋らない
「まぁ待てよ」
「待てない。早くして。」
でないと、きっとボロをだしてしまう。
自分の気持ちを、知られたくない人達にばれてしまう・・・・
あたしの気持ち
相手を、想う気持ち・・・・・
「・・・ちゃん。あのね、あんまし驚かないでね？っていうか怒らないでね」
笑っているような、泣いているような顔。
わからない
今のこの子の気持ちが・・・・
「あたし、知っててひきうけたんだからね？」
「・・・・？だからなにを」
『だから何をしたんだ』そう聞こうとした。
でもその言葉は跡部によって遮られる
「俺の好きな奴はじゃねぇよ」
「・・・・・・？」
「俺が好きなのは」
喫茶店の一角。
あたし達が座ってる所だけが違う空間のように感じた。
周りの声は全然聞こえない
跡部の声だけがあたしに届く
「お前だよ、。」
冗談かと思った
でも今日はエイプリールフールでもなんでもない
普通の日
一瞬嬉しいと思ってしまった
でもここには、あれほど跡部のことを好きだといっていたが横にいる。
喜ぶことなど・・・できない・・・・・・・
それじゃなくてもにはあたしが跡部の事を好きだということは言ってなかったんだ
どう・・すれば・・・・
「・・・ごめんね。ちゃん」
「・・・ぇ」
「あたし知ってたの。」
「・・・何を・・？」
胸がドクッと鳴った
何を知ってたの？
何を・・・・・？？
「ちゃん、跡部君の事好きだったんでしょ？」
「な、にゆって・・！」
「隠してたつもりだったんだろうけど・・・わかっちゃった。」
また笑った
あの寂しそうな顔で。
でも、でも知ってたなら何故あたしの前であんなに跡部の話をしたの？
聞いてたあたしはつらかったんだよ？

つらすぎて・・・・泣いてたあたしを知っていた？

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お久しぶりの華。
真実編は２話にわたっておおくりしようかと・・・・・
もうそろそろ終らせたいけどオチ考えてないんだよねー。
2004.6.11 片桐茜