私を撫でる、優しい手。 その時あなたは、何を考えていたの? 華〜小さなプレゼント〜 あれから、跡部がのお墓に花束を置いて行って、 跡部とすれ違いに忍足がやってきた。 足に力が入らなくて、日が暮れるまでずっとお墓の前で座り込んでいた。 そんなあたしを忍足は優しく頭を撫でていた。 でも、優しさに甘える事も、あたしにはできなかった。 忍足には先に帰ってもらう事にして、あたしはずっと考えていた。 跡部に言われた事 あたしの気持ち の気持ち この、途方もない想いはどこにいけば楽になるのか。 わからなすぎて、涙がでた。 静まり返るお墓に、あたしの泣き声が響く 「もう・・・・やだよぉ。」 全てに疲れきってしまった。 今まで頑張ってきたけど、もう限界。 張り詰めていた糸が、プツンと切れる。 まるで小さな子供のように泣きじゃくる自分。 これからどうすればいいのかさえわからない。 答えを出さねばいけないのは自分 わかってる でも、もう疲れた この想いにも、与えられる想いにも。 抱えきれない想いの行方は、どこ? ダレに支えてもらえばいいの? ダレか、教えてよ。 「・・・・。」 「・・なに?」 「昨日は、跡部となに話しとったん?」 「・・別に。しょうもない話しだけど。」 次の日学校に行けば、多分聞いてくるだろうなって思ってた、忍足の質問。 しばしの沈黙の後、忍足が話し始めた。 「・・・まぁええわ。ほな、これプレゼント。」 そう言って、目の前に差し出された1つの小さな袋 「なに?」 「プレゼントv」 「でもあたし・・・・誕生日まだだけど?」 「まぁもらってぇや。絶対に似合うと思って」 「・・・・ありがと。」 中を見ると、そこにはネックレスが入っていた。 小さな水晶がついた、カワイイネックレス。 「つけてみ。」 少し恥ずかしい気持ちがあったが、折角くれたのだからと、あたしはそれをつけた。 「似合うやん。」 「・・・・・・」 照れて、忍足の顔がよく見れなかった 小さな袋の中には、なにかメッセージの紙・・・のような物が入っていた。 あたしがそれを開くと、中には、 『DEAR Happybirthday FROM忍足』 と書いてあった。 忍足はあたしが読んでいるものにハッと気付き、それをあたしから奪い取る。 「これはっ・・・・」 言葉を濁らせながら忍足が何か言おうとした。 でも、あたしには、そんなのどうでもよくて、 これは、忍足がにむけて買ったもの。 おそらく去年買ったのだろう。 そして、わかりたくもなかった、忍足の気持ちにも気付いてしまった。 「すまん・・・・」 忍足はその一言だけを言った。 ・・・何に謝ったの? あたしは、何を言えばいいの・・・・? あたしを撫でる、優しい手。 でもあなたはあの時、 何を考えていたの? ---------------------------------------------------------- お久しぶりの華です! これから頑張って書きますので、これからも・・・・ よろしくおねがい、しま・・す。(エンスト) 2004.7.19 片桐茜 |