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『小僧も元気でな。早く大きくなれるといいな』
『ガキ扱いするんじゃねぇ。これは呪いだって言ってるだろう』
『はは、分かってるのな。もう一緒には居られねぇけど呪いが解けるよう祈ってるぜ』
『俺にそんな口を叩けるのはお前ぐらいだぞ。生意気な弟子だな』
最後の別れの時。
いつも通り山本の肩に乗って交わした会話をよく覚えている。
未来での修行の折に明かすことになったアルコバレーノの真実。
それによって何かしら山本の中で変化があるかと思いきや、彼は何も変わらなかった。
畏怖することも、媚びることもなく、いつも通りの笑みを浮かべてそこに居た。
今でも昨日のことのように覚えている。
山本の傍は誰よりも、何よりも心地良かった。
こうして再会し、その笑顔を真っ直ぐ受けてみると。
リボーンは手を伸ばすことを止められなかった。
君、在りて 6
(可愛いヤツめ)
睨むような表情も、脅すような強気の発言も、似合わない優しい男。
一生恨むなんて山本にできるわけがないことをリボーンは知っている。
実際に山本を見守っていたのは2年ほど。並盛で共に過ごした時間は少ない。
それでもファミリーとして命を懸け、仲間のために過ごした時間に嘘はなかった。
何よりも他人に甘く、重度のお人好し。それが山本武なのだ。
「お前になら・・・かまわねぇぞ、山本」
深くなっていく口づけの間に囁いてみると。
その言葉に激しく動揺したらしい山本の姿に笑みが深くなる。
一度触れてしまうと、何度でも触れて味わいたい衝動に駆られた。
ベッドの上に押し倒されて強張った体を解すよう丁寧に重ね合う。
両手で包み込むように触れた山本の頬は熱かった。
何の抵抗もなく白いバスローブを脱がせ、鎖骨から胸板にかけて口付ける。
薄い皮膚の上に指先を滑らせてリボーンはその感触を楽しんだ。
「ハハ、くすぐってぇ」
「案外余裕みてぇだな、山本」
安心したぞ。
その言葉をきっかけに、そこからは欲望の渦に身を任せる。
リボーンも身につけていた衣服を全て脱ぎ去り、山本の上に覆い被さった。
「・・・は、こぞ・・・熱ぃ」
さほど変わらない身長のため、重なり合った時に触れ合う性器は互いに熱を孕んでいた。
山本は恥ずかしいのか交差した腕で顔を隠したまま呟いたその声に興奮が倍増する。
まさか自分がここまで彼を欲していたとは思わなかった。
それでも、今、喉が渇く。目の前に横たわる青年のすべてを暴いてしまいたい。
「あああっ」
硬くなった性器を握り、軽く扱くと背を仰け反らせて山本が喘いだ。
顔などとは違ってユニホームの下のあまり日焼けしていない身体は程よく白く、美しい。
女と違って柔らかな触り心地ではないが、無駄な肉がない均整のとれた身体はダイレクトに山本の輪郭に触れることができる。
膝裏を抱え込んで両足を折り曲げ、リボーンは熱くなった山本のモノを躊躇なく口に含んだ。
「ふ、ぁっ!!・・・や・・・やめ・・・」
衝撃で足をばたつかせて抗議する姿はどこか頼りない。力が思うように入らないのだろうと予測する。
リボーンは気にせず先端を舌で刺激しながら全体を愛撫することに集中した。
「うぅ・・・ぁ・・・はぁ・・・」
ますます両腕を顔に押しつけて表情を見せようとしない山本。
懸命に口を閉じて声を出さないようにしようとしているが、どうやら我慢できないらしい。
「女にされたことぐらいあるんだろう?素直に感じていればいいんだぞ」
「ぅわ・・・、ンなことで喋んなよー・・・」
思わず顔を上げてしまったらしい山本と目が合う。
部屋の明かりの下、真っ赤に染まった頬や潤んだ瞳に普段の山本からは想像できないほどの色気が出ていた。
(気を抜くと俺の方がヤベぇな)
本番はこれからだと。
乾いた唇を舐め、リボーンは山本に向けて極上の笑みを浮かべていた。
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