「ヌァ〜ミィ〜すァん」
語尾にハートマークを飛ばしGM号のラブコックのサンジがナミを呼ぶ。
下拵えを終えたサンジが再び甲板に現れた。
「おっ、ウソップもいんのか。丁度いい。キスしようぜ」
女好きの彼の言葉とは思えない台詞が口から飛び出す。
「ちょ、ちょっと待て!そ、そのことで話がある」
「ああん?話だァ?んなモンは後にしろ。さっさとキスしようぜ」
サンジはウソップとキスをする為、彼を捕まえようとする。
「だから、待て待て待て」
慌てるウソップ。
「サンジくん、落ち着いて」
「あ〜い、ナミさん」
ナミの言葉はサンジにとってツルの一声。
瞬時に大人しくなる。
「ウソップがね。こともあろうに、サンジくんとのキスが嫌だと言うの。だから、ウソップにゲームをしてもらうことにしたの。ゾロとゲームをして、負けた方がサンジくんとキスをする。ね、どう。これなら公平でしょ?」
「ちょ、ちょっと待て。い、いつからそんな話になったんだ」
ウソップはギョとした顔でナミを見る。
「あらっ。さっき、言ったじゃない」
「聞いてねェ!」
どこが公平なんだとかオレには関係ねェとか叫んでいるが、誰も彼の言葉に耳を傾けない。
「というわけで、ゾロを呼んで来て欲しいの。お願い、サンジくん」
にっこりと魔女宜しくナミが言う。
もちろんサンジにとっては天使の言葉だ。
「ふァい、ナミさァん」
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