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今日は暑かった。
甲板に出れば強すぎる日差しが体に突き射さる。

サンジはキッチンの戸を開けその眩しい日差しに思わず目を細める。

「かぁ〜クソあっちいぜ・・・」

そう言ってシャツのボタンを3つ開けた。
少しでも風が入るようにとぱたぱた仰ぐ。

と、そこへどこからやってきたのか大きな蜂がぶ〜んと飛んできた。
海の上で蜂とはめずらしいがきっと前に寄航した島でナミのみかん畑にでももぐりこんでいたのだろう。
サンジは条件反射かぱたぱた動かしていた手が止まる。
「ここで動いたら刺される」と脳が指令でも下したのか。

「・・・・・」

無言で早くどこかに行けと睨みつける。
しかし蜂はそのサンジの意に反しなんとサンジのシャツに先ほど3つほどボタンをはずしたところからするりと入ってしまった。

「!!」

サンジの体が硬直する。
「絶対動くな!刺される事間違いなし!」とまた脳が勝手に指令を出す。

動く事も出来ずサンジはしばらくキッチンの前で立ち尽くしていた。
シャツの中で動き回る蜂がなんとも気持ち悪いのだがそれよりも「刺されると痛い」という気持ちが大きい。
日頃いろいろな屈強な戦士と戦う身にありながらもこの恐怖はまた少し違うのである。

そこへ、この暑い中平気でガーガーと寝ていた剣士が飲み物を求めてキッチンへやってきた。
未だ寝ぼけ眼で頭をボリボリかきながらサンジの目の前で止まる。

「・・・なんか飲みモン」

それすらも面倒くさそうにポツリと言う。

「アホか!!自分でやれ!オレは今動けねえんだよっ!」

体を全く動かさずに首だけゾロの方に向け罵倒するサンジにゾロが首を傾げる。

「・・・なんかの修行か?」
「んなわけあるかボケ」

サンジが即答する。
なんとなくバカにされたようでゾロはムッとする。

「じゃあ何してんだよ」

「蜂が」

「蜂?」


「シャツに入った」











































「テメエ本当に大丈夫だろなあ」



今ゾロはサンジのシャツに手を突っ込もうとしてる。

「おう。こんなものは掴んでぎゅっと潰しちまえばいいんだよ」
「ぜってー刺されんぞテメエ。まっオレじゃなけりゃいいけどよ」
「刺されねえように潰す」
「それを不可能っつうんだよ」
「じゃテメエこのままでいいのか?」
「う・・・・」
「今どこにいる?」
「・・・・背中・・・」


ソレを聞いたゾロがサンジの首からゆっくりと手を差し入れていく。
威勢はよかったのだがやはりどこか恐怖を感じているのか随分と丁寧に手を入れていく。

そおっと動かされるその手がサンジの肌に軽く触れくすぐったい。
蜂の事を忘れそのゾロの手つきに神経がいく。

「く、くすぐってぇ・・・」

「アホコック動くな」

ゾロはそれに構わずゆっくりと手をサンジの肌になぞらせる。

「どこだよ・・・」

「・・・もっと下の方だ」

つうーっと移動させるゾロの手つきにサンジの体がぶるっと震える。
ゾロがそれに気づきもう1度「動くな」と忠告する。

「う、動くなっつってもくすぐってえんだよ」

「我慢しろ」

きっぱりと言い放ちまた蜂探しを再開させる。
ゾロも一応自分のためにやってくれている事なのでサンジもくすぐったいのをぐっと我慢する。

しばらくサンジの背中をいったりきたりとゾロの手がゆっくりと動く。
しかし蜂はなかなかすばしっこいのか捕まらない。

「げっ!」

その時サンジが変な声を出した。

「なんだ?」

「ま、前にきた・・・」

「ああ?」ゾロ眉間に皺を寄せふぅっとため息をつく。
そして背中にまわっていた手を一旦出しまたそこから今度は前にとゆっくり手を差し入れる。
まるで電車の中の大胆な痴漢のようである。
しかし蜂を捕まえるのに必死なゾロとくすぐったさを必死で我慢するサンジはそれに気がつかない。

そしてゾロの手が今度はサンジの鎖骨の辺りからゆっくりと動き出す。
どこだどこだと言っているかのように丁寧に動き回る手。
その手が一瞬サンジの乳首をかすめた。

「うあっ!」

突然発せられたサンジの素っ頓狂な声にゾロが少し驚く。

「く、くすぐってえ」

声を上ずらせながらまたむず痒さに耐えるため口をぐっと閉める
ゾロはそのサンジの声としぐさを見て思わず今の状況を再認識する。


(なんか・・・ヤバイ事してるみてぇだな)

(いや、でもなんかこいつ面白れえ・・・)

(・・・ちょっと遊んでやるか)


ゾロの中で小さないたずら心が芽生える。
そんなことも知らずサンジは健気にむず痒さと戦っている。
ゾロはサンジの後ろで不敵な笑みを浮かべさっき以上にゆっくりとした動作で手を動かし始める。

「ぬぅ・・・・」

サンジが必死で絶える。
ゾロの手は掠れるか掠れないくらいでサンジの肌にふれるのか突然わき腹あたりをなぞったりと予測不可能な動きでサンジを翻弄した。
もはや2人とも蜂の事をきれいさっぱり忘れている。

ゾロはその反応を楽しんでいたのだがふとさっきサンジが素っ頓狂な声を上げたのを思い出す。
そういえばあれはサンジの乳首を少し手が触れた時だった。
また顔に薄く笑みが浮かんでくる。

ゾロの手がわき腹あたりからゆっくりと上に撫で上げられるように動いた。

「っ・・・・」

サンジがぐっと腹筋辺りに力をいれたのがわかる。
しかし力を入れれば余計に体は敏感に刺激に反応してしまう。

ゾロの手がサンジの胸のあたりをもぞもぞと這い回る。
そして躓いた胸の飾りをぴんっと親指で弾いた。

「っあ・・・」

思ったとおりにサンジの体が大きく揺れ喉から出たような声が聞こえた。

「おいおい・・・動くなって」

ゾロはサンジに見えないように笑いながらそう言った。
ゾロにそう言われサンジはまたぐっと唇をかみ締める。

その様子に何ともいえない感情がゾロの胸に湧き上がってきた。

目の前の白い項に今にも噛みつきたい衝動に駆られる。
そこから覗く肌に舌を這わせたい。
揺れる金髪に顔を埋めたい。
固く閉じられているその口を無理やり割って舌を滑り込ませたらコイツはどんな表情をするのか。

あきらかに「欲情」という感情がゾロを支配しようとしていた。












「サンジ君」











そこへひょっこりとナミが現れた。


















































「シャツをね、ズボンから出してそおっと脱げばいいんじゃないのかしら?」





























「「!!」」















































「でないとそのうちどこかのケダモノに喰われちゃうわよ」





































ナミはサンジにかるくウインクを残して去っていった・・・・。
2人はその姿勢のまましばらく呆然と突っ立っていた。

ようやくサンジが動きを取り戻しゆっくりとした動作でズボンからシャツを取り出しボタンを全て外した。
開かれたそのシャツの中から蜂が何事もなかったかのようにぶ〜んと飛んでいった。

・・・・2人はそれをぼーっと見つめた。


やがてサンジの首がギギギッという音と共にゾロの方に向けられた。
タレ目をおもいっきり上げ、目の中には「コロス」という文字がありありと浮かべられていた。



「こんのぉぉぉぉセクハラ剣士がぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」












おわり






あとがき

いつも通りのアホですみません。
こんな感じでお題はクリアできているでしょうか??
蜂への恐怖ってないですか?
なんかケンカとかで怪我するのは意外と平気でもその「蜂に刺される」というのが妙に怖く感じるシロシなのです。

BBSカウント2000を踏んでくれ、日頃お世話になっている奈留さんに捧げます。
本当にありがとう!
そしてこれからもよろしくね☆

山田シロシより





BBSカウント2000ゲット。
お題は「結果的にサンジに対してセクハラするゾロ」です。
ありがとうございました♪

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