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「おい、どこへ行く」





鼻歌交じりで船を下りていくサンジをゾロは低い声で呼び止めた。
サンジはサンジで楽しい気分を害されたとばかりに物凄い形相で振り向く。

「ああ??」
「どこへ行くかと聞いたんだ」
「レストランだよ」
「レストラン?」

これから自分が行く先を思い浮かべたのかサンジがニヘラっと笑う。

「ここら辺じゃすげぇ有名な店なんだぜ。開店3ヶ月目でもう世界中にその噂が広がったんだ」

ああ楽しみ楽しみとスキップも加えて船を下りていくサンジにゾロが再度声をかける。

「ちょっと待て」
「♪♪♪」
「待てっつてんだろうが」
「♪♪♪」
「待てコラ金髪グル眉色ボケコック!!!!」

「絞め殺して吊るすぞクラァァ!!!??」

サンジを呼び止めるなんていとも簡単な事だなとゾロはしみじみ思った。
けれど今はそれどころじゃない。

「テメェ、一週間前になんっつった」
「・・・・・ああ?」

何のことだとサンジが眉を顰める。

「島に付くまでヤらせねぇ・・・・とか言ったよな」
「・・・・・・・・・ああ!」

そんな事言ったなぁ、とボソリと言う。
ゾロのこめかみに血管が浮き出るがここは抑える。

「だってロビンちゃんも増えて仕事も増えたんだ。仕方ねぇだろ」
「わかってる。だから俺は我慢したじゃねぇか」
「ああ。テメェが我慢できるとは思ってなかったぜ」

カッカッカッと高々と笑うサンジに浮き出た血管が3本に増える。

「で、何だよ」
「島についた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・で?」
「ヤらせろ」
「断る」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ヤ」
「断る」

そう言うとくるりと背を向けてまた歩き出すサンジ。

「てめぇ待ちやがれ!!!」

ストン、と船から飛び降りてサンジの腕をぐいっと掴んだ。

「痛ぇな離せ」
「島に着いたじゃねぇか!!ヤらせろ」
「断るって言ったろ?」
「約束が違う!!」
「島に着いたらヤらせるなんて誰が言ったよ」
「ぐっ・・・・・」
「島に着くまでとは言ったがその後、島でヤらしてやるとは一言も言ってねぇよ」
「てんめぇ・・・・」
「相変わらずオツムが弱ぇなぁ〜」

指で頭をトントンやる仕草をするサンジにゾロはもう声もでない。
そんなゾロを見て諦めたと思ったサンジは今度こそ噂のレストランが拝めるとウキウキしながら足を踏み出そうとした時―――


ゴスッ


サンドバックを殴ったような鈍い音がした。
それと共にサンジの身体がゆっくりと力をなくしてゾロの腕の中で崩れていく。






「ぎゃーーーーーー!!??」

船でウソップの絶叫が木霊する。

「何よウソップうるさいわねぇ」
「い、いい今ゾロが、が、サンジを!?」
「何よ、拉致った?」
「拉致・・・!・・・いやその通りだ!!そうなんだよ、あれは拉致だ!!!」
「そう。まぁ仕方ないわね」
「仕方な・・・!?」
「サンジ君たらお預けし過ぎなのよ。こうなるのは目に見えてたわ」

ケロリとそんな事を言うナミにこいつは本当に18歳なのか?と疑問を持つウソップだった。










「ん・・・・・・・・」

自分の身体の上でもぞもぞと動く気配とよく知った痺れが自分の身体に走るのを感じてサンジが目を開ける。
薄暗い照明の中でここはどこだと確認しようとしたが自分の上に乗ってる何かと鳩尾に痛みを感じて動けなかった。
やがて覚醒する脳が状況を把握する。

「!?て、テメェ!!!!!!!」
「起きたか」
「何しやがった!!??俺はレストランに行くんだぁぁぁぁ!!!」
「却下」
「この島に停泊するのは明日の朝までなんだぞ!?」
「知ってる」
「今はもう5時だぞ!?朝の5時じゃねぇぞ!?夕方なんだぞ!?」
「そうだな」
「今こんなトコでヤってたら店が閉まっちまうじゃねぇぇぇかあああ!!!!」
「そうか?」
「そうだ・・!・・・・・あっ・・・」
「それは残念だな」
「本当にそう思って・・・・はっ・・・んのか・・?!」
「ああ」
「じゃ・・・あっ・・・・・」
「うるせぇよ。黙れ」

サンジの口を塞ぐゾロ。
段々と抵抗が緩くなるサンジに内心ニヤリとほくそ笑む。
こうなったらもうお互い様だ。
この昂ぶった熱を解放しなくては辛いのはサンジも同じ。
荒くなる息と声が薄暗い部屋の体温を上げていった・・・・・・・。












「おいナミ」
「店の名前は”Color Separation”今日は一周年記念で特別料理が出るの。店の名前の通り、1つの色が様々な種類の料理に分かれてコースになって出てくるんですって」
「どこだっ!!」
「街に出ればわかるわ・・・・・・・街はその道を真っ直ぐいった所よ?」
「わかってる!!・・・・恩にきる」
「高いわよ」
「・・・・・チッ」

そう吐き捨ててゾロは駆け出す。
ナミはそんなゾロの後姿を見ながらクスクスと笑う。

「何がそんなにおかしいの航海士さん」
「・・・・うちの男共はわかりやすくって馬鹿でいい金儲けになって」



「見ていて飽きないくらい恋愛ドラマやってくれてるのよ」



もう既に真っ暗になった空の下、緑髪の剣士は果たしてコースメニューをお持ち帰り出来るのだろうか。
不可能を可能にする彼なら出来るんじゃない?
ロビンがそんな事を言った。
ナミはまた笑う。

「特にサンジ君の為になら・・・・・ね」

私もいつか特別な人間になりたいな。
小さな声で呟かれたその言葉にロビンは笑みを浮かべて夜空を見上げたのだった。



『HAPPY BIRTHDAY TO Color Separation.........』









前サイト「Color Separation」一周年記念にいただいた小説ですvvv
ありがとうございました♪
再アップに辺りコメントは省かせていただきました。





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