おまけの後日談♪
「じゃあ、また来るよ」 ──来なくていいよ。 卒業したにも係わらず、夜中に弘樹と智史の部屋にズカズカと上がり込み、一方的に自分のしゃべりたいことだけを思う存分しゃべった風折を、玄関先まで送ってきていた智史と弘樹は、例によって仲良く同じことを思っていた。 特に智史は、自分が右耳に付けているピアスの存在を風折に指摘されはしないかと、ビクビクしながら2時間余りを過ごしていただけに尚更。 やっと帰ってくれると彼らがほっとしたのも束の間。ドアを開けて、廊下に身体を半分出していた風折が急に振り返った。 思わずビクッと身をすくめた智史に、風折の容赦ない一言が突き刺さる。 「智史、そのピアス、牧場の牛みたいで素敵だよ」 智史に一言も発する間を与えず、風折はパタンと玄関のドアを閉じた。 それから、かっきり10秒後。 完全防音のドアの内側で、智史の絶叫がこだました。 「かざおり〜っ! 今すぐ死んでしまえっ!!!!」 2004.03.15
※もちろん、このピアスの意味なんて、風折にはお見通しです。 |