――――――――白いレンガが映える街。
そこは『天使が舞い降りた街』と呼ばれていた。



「『天使が舞い降りた街』?」

飛び乗り乗車した列車の中で読んでいた資料で気になった名称を口に出す。

「伝説にあるそうさ。純白の翼を持つ者がその街に飛来したって・・・
でもそれは、街の美しさからきた話で、実際正式な報告はなかったはずなんだけどな〜・・・」
「―――――みたいだね。今回の任務は天使自体と言うより、その伝説を形にしたものが
奇怪を起こしてるらしいよ。」

ラビの話を聞きながら次々と資料を読んでいく
そして最後まで読み終わりパタンとファイルを閉じると、目の前で足を組みまだ資料へと目を落としてるラビへと視線を向ける。

「・・・・・(いつもヘラッとしていて気が付かなかったけど、真剣な顔してるとかっこいいじゃん・・・・)」
「――――ん?俺の顔なんか付いてるさ?」
「へっ!?あ・・・いや、何でもないよ!何でも・・・」

急に顔を向けられてたことでは慌てたように答えてしまう。
そんなにラビは悪戯を思い付いたようにニヤッと笑う。

「何さ〜、。俺に見惚れてたのか?だったラッ!・・・・、痛いって・・・」
その笑みにムカついたは、持っていたファイルで思いっきりラビの頭を叩くと頭を抱えて抗議する。

「下んない事言わなくていいから、さっさと資料読んじゃいなさい!」
「大丈夫さ。もう大体頭に叩き込んだからな。つーかほぼ暗記。」
「うん、そうでしょ。だから・・・・・・って、マジ!?」
「大マジさ。」
「・・・・・この短時間でよくこの量、覚えられるね。」

感心したようにが呟くとラビはいつもの笑みを浮かべる。

「何でも記録するクセがついちまってさ・・・さて、そろそろ着く頃なんじゃねーのかな?」
「ん・・・そうなの?」
「はい・・・ラビ殿の言う通り、まもなく目的の場所になります。」

ラビの言葉に反応し聞き返したに客室の外に待機していた探索部隊のトマが丁寧に答えてくれる。

こうして達は、『天使が舞い降りた街』へと降りたったのだった。




―――――――白いレンガが太陽に映え、美しく佇む街。
しかし、その美しさの裏側で夜な夜な起きている奇怪に住人は怯えていた。
この街にある寺院の中に飾られている天使像――――

事の始まりはこの寺院に祈りを捧げる者達が消え始めたということだった。

「うわ〜・・・綺麗な像〜。」
「へ〜、見事なもんさ〜。」

今は誰も訪れない寺院の中、とラビは奇怪の原因と思われる天使像を見上げ感嘆の言葉をあげる。
大理石で作られた天使像が飾られており、天井から差し込むステンドグラスの光を浴びて神々しく輝いている。

「うん、見事だけど・・・・なんかこの像――――悲しそう・・・?」
「は?」
「うまくは言えないけど・・・・・そう感じる。」

ジッと天使像を見つめて小さく呟く
その真剣な横顔を見て、もう一度ラビも天使像へと視線を上げる。

「(俺には微笑んでいるように見えるんだけどな〜・・・)」
「・・・・・・・・ラビ。外・・・・出よう。」
「ん・・・どうかしたさ?」

唐突に言ったの言葉にラビはキョトンとした顔で聞き返すが、
その前にの足は寺院の外に向かっていた。

「おーい!、待てって・・・――ッ!何か、お客さんに囲まれてるみたいだな・・・」
「・・・・・」

2人を囲む異質な気配に足を止めた2人。
ラビは口元に笑みを浮かべ、右足に装着している対アクマ武器へと手を伸ばし、
も腰から下げているチェーンに触れている。

「ラビ、私の事はいいから自分の敵だけを倒して・・・」
「大丈夫さ?」
「何とか・・・やってみる!」

がそう言うと、出発のときコムイから気に掛けるように言われていたことを頭の片隅に思い出しながら、ラビは言葉を返す。
の表情は浮かないものではあったが、力強く答えるその言葉にラビは自分のイノセンス―――大槌小槌を高く投げ発動させる。

「その言葉、信じるさ!で頑張れよ!!」

トンッとラビが地を蹴ると、それを合図にしたようにアクマが飛び出てくる。

「大槌小槌―――満、満、満!!」

そう言うと大きくなった槌を思いっきり振り回し、ラビはアクマを薙ぎ倒していく。
そんな中、はというとチェーンの先端に付いているものに触れたまま、アクマの銃撃を避け続けていた。

「――――相変わらず・・・か。頼むから力を貸して・・・・・」

小さく呟くの声に発動はおろか、反応さえ示さないイノセンスには初めて心から『力』を求めたのだった。


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