for Jin Akanishi |
<1.亀梨 和也>
毎年、この日が来るのが嫌だ。 オレがアイツに追いつくことは不可能なんだって、思い知らされるから。 一緒に事務所に入ったのに、アイツはオレよりずっと背が高かった。 年が一コしか違わないって知って、驚いたくらいだ。 あの時はこんな関係になるなんて思いもしなかったけどね。 話を戻して誕生日。 祝いたい気持ちが半分、悔しい気持ちが半分。 アイツはもともと年上好きだし(オレもだけど)。 オレはまた半年間「二コ下」の恋人になってしまうから悔しい。 何より上田と同じ年になるってのが悔しい。 オレがどんなに頑張っても出来ないことを、上田は何もしなくても出来てしまう。 言ってもしょうがないことは分かってるんだけど、ズルイよな。 神様って、スゲー不公平。 またアイツが上田を大好きだからムカつくし。 たまに「やっぱり年上が好きなんじゃん」って拗ねることもある。 そんな自分が嫌になることも。 だけど、それがアイツ。 浮気性なところも、最後にはオレのところに戻ってきてくれるから、スキ。 オレが凹んだとき、真っ先に気付いてくれるから、スキ。 ゴハン食べられなくなったとき、無理矢理でも食べさせてくれる優しさが、スキ。 オレがして欲しいことを言わなくても分かってくれるから、スキ。 綺麗すぎる顔が、スキ。 コロコロとよく変わる表情が、スキ。 皆の人気者なところも、スキ。 ファンをうっとりさせる歌声が、スキ。 ベッドの中で囁く甘い声も、スキ。 全部がアイツだから、スキ。 でも、オレを置いて行っちゃうのは、キライ。 それだけは分かってよね。 今日は一日中一緒にいてあげる。 おめでとうの言葉。 昨夜つくった手作りのケーキ。 欲しがってたブレス。 アイツが一番喜ぶ、オレ自身。 みんなみんな、お前のものにしてやるから…絶対受け取れよな。
オレがこんなに尽くすのは。 こんなにも愛を捧げるのは。 後にも先にも、お前だけなんだからさ。
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