for Yuichi Nakamaru |
<1.田中 聖>
明日は9月4日。 アイツが生まれた特別な日。 普段はバカ騒ぎして、色気も素っ気もないオレだけど、こんな時くらい何かしたい。 特別なことをしたい。 アイツの記憶に残るようなことを…。 オーソドックスにプレゼントでもしてみようかな。 でも何を? アクセサリー? いやいや、ついオレの趣味で選んじゃいそうだし。 洋服? …これも同じ。 映画や遊園地のチケット? 当日一緒に行けなきゃ意味ないし…っつーか他のヤツと行かれたらオレがヤだし。 食べ物? バカだからプレゼントだって気づいてくれないかもしれない。 よって、めぼしい物は全て却下。 じゃあ一体何をあげれば…アイツの欲しがりそうな物って何だ…? よくよく考えてみると、アイツのことよく知らないんだ。 こんな時、上田だったら考えるまでもなく、アイツの好きな物あげるんだろうなぁ。 アイツはアイツで素で喜んで。 あ〜バッカみてぇ。 オレ様をこんなに悩ませたのはお前が初めてなんだぞ。 責任取ってオレをお前の物にしろ! …あれ? 今何か恥ずかしい思考がよぎったような(照) あ、でも。 そっか、プレゼント。 オレ…なんて、あまりにもベタだけど。 いいんだっ!オレが…オレが貰って欲しいんだから。 よし、決まった。
受け取らないなんて言わせないから。
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