for Yuichi Nakamaru |
<2.上田 竜也>
おっきなけーき。 真っ赤なイチゴがたくさんのっかってて、クリームはふわふわ。 真ん中のチョコプレートには「HappyBirthday」の文字。 デコレーションにチョコスプレーいっぱいかけて。 なんといっても全て手作り。 …できたらなぁ(苦笑) 料理出来ない自分が悔しい。 亀梨にでも習うか…? でもどちらにしろ今からじゃなぁ。 今日も夕方から仕事あるし、午前中は何故かガッコ行かなきゃだし。 あ〜あ、ケーキは諦めよっ。 それに実は毎年、この日が来るのが嫌なんだよね。 だから去年だって何もしなかった。 誕生日を祝いたいって気持ちはもちろんある。 けど、アイツがオレを置いて先に大人の階段を上っていく日でもあるから。 一ヶ月間だけだけど、違う年齢になっちゃうから。 いつもオレを待っててくれるのに、このときだけは待っててくれないから。 複雑なの、分かる? だってオレとアイツはいつも一緒。 一緒じゃなきゃダメなんだ。 いつもアイツが言うんだ。 「竜也は俺がいないとダメだな」って。 だからオレはアイツがいないとダメなの。 ダメでも良いの。 でもね、アイツはオレが9月4日をを嫌いなこと、知らないんだ。 一ヶ月間、どれだけ自分の誕生日を待ち望んでるか、知らないんだ。 アイツと一緒が良いのに。 撮影も、ロケバスの席も、年齢も。 オレと一緒にいたら、きっとアイツにも妖精が見えるようになるはず。 だからね、待ってて。 すぐだから、一ヶ月なんてすぐだから。 すぐに追いついてみせるから。 去年はオレの我が儘で何も出来なくてゴメンね。 手作りは無理だけど、今年はお祝いのケーキ一緒に食べよ? 一緒に妖精さん、見よ? いつまでも一緒にいよ? …一緒に。 じゃないと天使の国に帰っちゃうんだから。
大好きだよ。 オレの誕生日には、ずっと側にいるって誓ってくれるよね。
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