for Tatsuya Ueda


<3.田口 淳之介>



19歳になっちゃったね。

昨日、ファンからのプレゼントを大量に抱えて楽屋入りした君は凄く嬉しそうだった。

その後はメンバーや、他のジュニアたちからも祝って貰って、幸せそうだったね。

君の笑顔を見ていたらそれが伝わってきて、僕も幸せだったよ。

だけど僕が一番嬉しかったのは。

「一番のプレゼントは、じゅんのと一緒にいられることだよ」っていう、君の言葉。

ひとしきりお祝いムードが去った後に、そっと囁いてくれた。

その時僕は皆の輪から外れたところにいたから、凄く嬉しくて。

日付が変わって一番におめでとうって言えた時と同じくらい嬉しかった。

二人で帰途についたときには緩みそうな頬を引き締めるので大変だったよ。

だって君は、俺を選んでくれたんだよね。

今日こそは、我こそはとかけてくる誘いを全て断って。

まるで自分の誕生日のよう。

君の誕生日なのに、もしかしたら僕の方が幸せだったんじゃ?

僕の部屋で、子猫のように甘えてくる君。

僕たちの年齢差が3つになったって、分かってるのかな。

君は大人への階段を、また一歩進んでいく。

どうして僕は、君より先に生まれてこなかったんだろう。

ああもう、ちょっと悔しいんだけど。

君は知らないんだろうね。

僕がどれだけ、君より一ヶ月早く生まれた彼を羨んでるかなんて。

ただでさえずっとコンビ扱いで、隣にいるのが当然だと思われて。

恋人の座を手に入れた今でも、彼が絡むと嫉妬するんだよ。

こんな落ち気味な気持ちを察してくれとは言わないけど。

いつまでも子どもでいないで。

皆が君に惹かれてしまうから。

もうちょっと大人になって。

自分の身に迫る危機を感じ取れるくらいに。

甘えてくれたり、頼りにしてくれるところはそのままでいいから。

まともな19の男になってくれとは言わないよ?

むしろならないで欲しいんだ。

でも君が、誰にでも笑顔を振りまくから。

その笑顔は、大きな幸せと小さな不安を僕にもたらすんだよ。

ほら、今みたいに無防備な寝顔もそう。

こんなの絶対他の人に見せたくないけど、僕だけのモノにはならないんだよなぁ。

仕事上、旅先のホテルの部屋割りとか、いろいろあるからね。

とりあえず、誕生日を二人きりで過ごせたことが、今の僕に自信をくれた。

19歳の誕生日おめでとう。

僕が君に追いつくことは不可能だけれど。

いつかきっと、君に見合うだけの最高の男になってみせるから。

その時は、誰にも文句を言わせないよ。



隣で安らかに眠る、愛しい人へ。






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