for Tatsuya Ueda |
<2.中丸 雄一>
俺は、運命だと思ってる。 俺とアイツの誕生日がキッカリひと月違いだってことを。 アイツの誕生日がくると、ああ、着いてきてくれてるんだなって実感する。 逆にアイツは俺の誕生日がくると、置いていかれる気がするみたいだけど。 …去年みたいに素で忘れられてることもあるけど。 だから俺はこの一ヶ月間、アイツが俺の年齢に追いつくのをすっげー楽しみにしてた。 その上アイツも待ち望んでいただろうと、そう思える自信がある。 それは、愛されてる自信があるから。 誰にでも愛される天使のようなアイツに愛されてる自信が。 妖精が見えちゃう自称天使の天然ちゃんだけど。 グループ内で鏡を見る時間が一番長いナルシストだけど。 我儘放題のお姫様だけど。 俺からしたら可愛くてしょうがないだけだから。 皆もそうみたいで、ますますアイツの我儘を助長させてしまってる。 「一番甘やかしてんのは中丸だろ」って言うけど皆も結構甘いぜ? 子供のように純粋な心のまま育ったアイツももう19かぁ。 …俺と同い年だってこと、正直たまに忘れる(苦笑) せっかくの誕生日なのに二人っきりで過ごせないのがちょっと悔しい。 お祭り好きのメンバーが、今日も派手にパーティーをしたいらしいんだよね。 口は悪いけど、皆アイツが可愛くて仕方ないんだ。 リーダーなのに一番幼いトコとか。 だって精神年齢5歳だぜ!? ラジオでやった心理テストみたいなものだから信じちゃいけないだろうけど。 あまりにもアイツらしすぎて超ウケる。 この前もさ、楽屋で誕生日プレゼント何がいいか訊いたんだ。 アイツ、でっかいケーキが食いたいとか言って。 亀梨のヤツ、腕によりをかけて作ってくるんだとさ。 赤西たちが手伝いに行ったからどうなってるか怪しいけど…。 アイツなら、自称天使の目をキラキラさせて喜んでそう。 正に5歳児の如く。 もう19だなんて思えないようなお子ちゃまぶりを発揮するんだろう。 ホント俺がいないと駄目なんだよな。 けど俺も、隣にアイツがいない状況なんて考えられないから。 パーティーの後は、二人っきりの時間を過ごそう。 あいつらには悪いけど、二人だけで誕生日のお祝いをやり直そう。 だから絶対俺の側を離れんなよ? 一ヶ月、追いついてくるのを待ってたんだから。 俺とお前は二人で一つっていってもおかしくないんだから。 これからもずっと二人で歩いていこう。 ずっと、ずっと…離れないように。
今日また、新たな時を刻み始めた君へ。
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