for Tsubasa Imai |
<滝沢 秀明>
誕生日おめでとう。 今年は今までで一番忙しかったよな。 「Hatachi」でデビューしたのに、たったひと月でもう二十歳じゃなくなる。 …なんかおかしな話だけどさ。 長いこと付き合ってきて、いろいろあったよな。 初めて逢ったとき。 生まれたのは俺より早いクセに俺よりちっこかったお前が二十歳を超えたんだよ? 酒が入っても文句を言われない歳なんだから。 忙しさに目が回りそうな毎日を送ってるけれど。 こうして二人でいられることを俺がどれだけ望んでいたか。 それが叶った今、どれだけ幸せか。 きっとお前が思っているよりずっと深い。 それだけ長い間、お前だけを見てきたんだ。 お互いの誕生日を祝うのだって、今年で何回目? 祝って、祝われて…何回繰り返した? まだ付き合っていない時期…二人だけの時もあったよな? ハッキリ言ってお前より仲のよかった友達も含めて馬鹿騒ぎしたこともあったよな? そのころからずっと、俺たちは変わり続けている。 背は一度追い越されたけど、今はそんなに違う訳じゃない。 なのに体重は俺よりかなり軽くって、お前ちゃんと食べてんの!? 痩せすぎて逆に心配になる。 俺の特製料理でもっと太れよ。 今日はケーキでもディナーでも、お前の好きな物作ってやっから。 たまには羽目を外してもいいじゃん。 今までも二人で、思い出になるような誕生日を過ごしたいと思ってた。 今年は違うよ。 ずっと一緒にいられる安心感が俺の心を広くしてくれた。 可愛い後輩達が押しかけてきても笑顔で応対できる自信がある。 目の前で抱きつかれてるのを見ても腹が立たない。 あいつらがお前の誕生日に何かしでかそうとしているのを知っても、止めようと思わない。 だってお前は俺のモノだろ。 皆の前で笑ってても、一番の笑顔は俺のモノ。 ココロもカラダも、全て俺のモノ。 今までも、これからも、ずっと変わることのない現実。
だからこれからも、一緒に歳を取ろうな…。
|