for Junnosuke Taguchi


<1.田中 聖>



オレが今年の誕生日に、アイツから貰ったモノ。

愛の告白。

アイツのオレへの想い。

随分長い間、この日を待っていた気がする。

あの日からまだ、一ヶ月も経っていないというのに。

アイツはきっと、オレのことを誰よりわかってる。

すぐに意地を張ってしまうこと。

素直になれないこと。

自分の想いをなかなか認めようとしなかったこと。

誰よりわかってるアイツだから。

オレの誕生日、勝負をかけてきたんだろう。

「返事は俺の誕生日まで、とっておいてよね」

素直になるチャンスをくれた。

こうでもしなきゃ、絶対オレから…なんて事ありえねぇから。

男として情けないけど、これがオレ。

きっとアイツはそこまで気付いていたんだろう。

鋭いというか、何というか。

そこまでオレのことを見てくれてたのかな?って。

オレなんか、アイツの気持ちにこれっぽっちも気付かなかったんだから。

実際にアイツの口から聞くまでは。

はは、オレって鈍いよな。

他人のことならもうちょっとわかるつもりなんだけど、自分のこととなると。

メンバーが俺たちを見て苦笑いしていたことにも気付いていなかった。

明日が約束の日。

もう既に決まっていた、返事をしなければならない。

ベランダから夜空を見上げて。

満天の星たちが、明日の俺たちを応援してくれている気がした。

素直になる…勇気をくれた。

折角アイツが作ってくれたチャンス。

素直になれないオレにアイツがかけた、ひと月足らずの魔法。

無駄にする訳にはいかない。

無駄に出来る訳がない。

きっと、お前が望んでる最高のプレゼント。

明日が一緒の仕事で良かったな。

もし明日を逃したら、もう絶対言えない気がする。

オレにとってもお前にとっても、運命の日。

必ず、言ってみせるから。



「誕生日おめでとう」そして、「オレも好きだよ」って。






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