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セクハラ

久しぶりにやってきた嵐――いや、恋人は、意外なお土産を持ってきた。

「よ、大佐!」
ドアを潜って直ぐに言ったエドワードは、例によって例のごとく机にかじりついて、最初からひたすら真面目にやれば既に終わっていたのだろう仕事に熱中していた。
エドワードの声を聞き顔を上げたロイは、非常に嬉しそうな――というか、ちょっと「嬉しい」だけでは表現しきれない、エドワードにとっては複雑な表情を浮かべ「おかえり」と返してくる。
「真面目にやってっか?」
聞かなくても判るだろう、痛いところを思い切り突付かれて、ロイは苦笑する。
「今はね」
「定時に上がれそう?」
「……頑張るよ」
コメントはひかえよう。無理を押し通そうとするときには。
そう、明らかに定時に終了できるような量ではなかった。がそこは愛。
アフター5には、久しぶりに帰還した恋人とのデートのかかっているロイは、これからの数時間、呼吸も控えて頑張らないとならない。
「あ、そうだ!」
そして、スピードアップを心に誓ったロイの決意を、挫こうとするエドワードがいる。
床にちんまりと腰掛けてトランクをぱっかりあけたエドワードは「これ、おみやげ」とロイに紙包みを差し出してくる。
「何かな?」
「うん。着るもの。似合いそうだと思ってさ」
今しがた頑張ろうと決意したばかりの仕事を放り出し、珍しくももたらされた土産にロイは夢中になる。
紙をはがし中から出てきたのは――果たして、白衣であった。
「これは……?」
「ん。白衣。医者とか科学者が良く着る、汚れを防ぐ、あれだね」
「……」
いや、それは見れば判る。
ロイが聞きたいのは、何故それがロイの元にもたらされたのか、という、そっち。
じーっと白衣を眺め考え込んでいれば。
「着てみてよ」
にこやかに笑ったエドワードが言う。
「まぁ……構わないが……」
珍しい恋人のおねだりに、ロイは逆らうでなく、軍服の上着を脱ぎ捨てると、白衣を着込んだ。
「うわ、似合うじゃん!」
エドワードは手を叩いてにっこりと笑う。
「軍服も良いけど、白衣も良いね。眼鏡なんてかけたら、もう完璧?」
小首を傾げて褒めてくれる小さな恋人に、ロイは複雑な気分を味わう。
褒め方が微妙すぎて……。
だってそれでは、今のロイがあまり格好良くないように聞こえるではないか。
「鋼の、君ね」
「それでお医者さんごっことかしたら、楽しそうだよな」
無邪気にエドワードは言う。
――お医者さんごっこ?
それは、巷で言う、変態の萌えシチュエーション!?
ロイの脳は、一瞬でウニになった。
「やろう!」
「ん?」
「今直ぐやろう、直ぐやろう。さあ、やろう!」
「って、あんた、仕事じゃん」
呆れたように言うエドワードに、ロイはニコリと迫る。
「仕事は後で頑張るよ。それよりも、せっかく私を訪ねてくれた恋人を、このまま放置するのは気が咎める」
故に、お医者さんごっこをしよう。
短絡思考である。
「は? 俺は別に。終わるまで、待ってるよ」
「いや、私が待てない!」
大人の諸事情で、一度思いこんでしまった肉体は、お医者さんごっこがしたくてたまらなくなっている。
ツカツカとエドワードに近寄って、その細くも小さい体を抱き上げたロイは「いいのかな?」と首を捻るエドワードに、胡散臭い笑み満面に微笑みかけ。
「君の為なら中尉の銃弾の一発や二発は受ける覚悟だよ」
と思ってもいないことを言ってみた。
「……俺、ロイが死んだら、やだよ……」
何故か、普段は言いそうにないことを言い出したエドワードに、ロイのテンションは一気にマックスに到達した。
ソファに向き合って腰掛けるはずが、既にハイテンションを駆け上った欲望故に、ソファに押し倒す。
横たわったエドワードの上着の留め金を外し、着衣のまま前だけはだけさせた。
「……なんで脱がすの?」
「お医者さんだからだよ。ほら、良くこうやって触診するだろう?」
言うが早いか、ロイはエドワードの、豊満とは言えないが、微かに膨らんだ胸をむにゅりと掴む。
「やっ!」
焦って声を上げたエドワードは、慌てて起き上がろうとするが、掴むと同時に上半身を押さえ込んでいるロイの手に、留められた。
「おや、ここが腫れていますね。何故腫れているのかな?」
ムニュムニュ。
「ち、ちっが……っ、腫れてるんじゃないっ!」
指の狭間に乳首を挟むようにして、やわやわと胸を揉まれ、エドワードはちょっと変になってくる。
「いや、これは腫れているのだよ。だって君は、男の子だろう?」
「っ……ち、ちがッ……や、ゃあ……」
判っているくせに、と声を上げるエドワード。
確かに男の振りをして旅をしているが、実際にエドワードは女の子。
胸は腫れているのではなく、ちゃんと女の証として発達した結果である。
「ん? 先端が固くなってきた。もしかすると、悪性のウィルスかもしれん」
「っつ!」
ぱくり。口に含みねっとりと舐めると、エドワードは息を詰めて体を強張らせた。
恋人同士になって長い二人だが、付き合いの長さに反してセックスに至った回数は少ない。
というのも、エドワードが目的に向かって旅三昧の日々であることと、ロイの仕事が急激に増えた為。
忙しい二人の時間があまりにもかみ合わず、そんな時間が取れることが少ないからだ。
故に、エドワードはまだ処女に足が生えた程度の経験しかなかった。
しかしながら、行為となるとねちこいロイの躾の賜物か、エドワードの乳首は開発されていた。
舐めてこねて突付けば、持ち主は色香を振りまきながら乱れ、甘い吐息と共に声を上げる。
今も必死に抑えてはいるが、引き結んだ口が解ければ、そこから悩ましい声の奔流が迸ることは、想像に難くない。
「これは末期ですね。この腫れは酷い。しかもしこりがある。クスリを処方しましょう」
「く……クスリ?」
「注射しましょうね」
にっこり。
ぬらぬらと濡れた唇で笑ったロイは、エドワードの腰のベルトを引き抜く。
「な、何……?」
「注射と言ったら、下を脱がせるのは当然だろう?」
「注射って、どこにあるの?」
「ここにあるじゃないか。太くて長いのが」
ロイが指差したのは――。
「な、なっ、なにそれ!」
エドワードは絶叫する。
「そんなの、注射じゃない!」
「押し出せば液体を放出する。見事な注射じゃないか」
じじー。と音を立ててエドワードのズボンのジッパーが引かれる。
浮いた腰の辺りに指をかけ、下着と共にズボンを引き下ろしたロイは、必死に抵抗するエドワードの胸を押さえつけのしかかりながら、己の下半身を解放した。
既に立ち上がって準備万端のロイのもの。
「やだよ……ロイ……」
甘えるように言うエドワードに、更に欲望を刺激されつつも。
「しかし君ね。このまま放置しておくと、胸の腫れは酷くなり、手遅れになるよ」
「だからこれ……っや!」
腫れてるんじゃないの!
とは言わせてはもらえなかった。
何時の間にやらエドワードの両足を抱え、一杯に開いていたロイの悪戯な指が、エドワードの淡い茂みの狭間に触れた。
閉じていれば気付かれなかっただろうそこは、胸への執拗な愛撫故か、しっとりと濡れてロイの指に馴染む。
「おや、ここも重症ですね」
ニタリ。笑ったロイの顔が、酷くいやらしくて、エドワードは頬を染めると腕を伸ばしてロイの首に縋った。
「意地悪変態。馬鹿馬鹿馬鹿ぁ……」
既に涙声のエドワードは、しかしロイの動きに逆らうのはやめた。
もう既に体はにっちもさっちもいかない程に熱くなっている。
くちゅくちゅと音をさせながら内を慣らされ、もだえ喘ぎながら全てを受け入れたエドワード。
ロイはそんなエドワードを可愛いと思いながら、既に限界ギリギリまで張り詰めた己の――自称注射を入り口に押し当てると、ぐい、と腰を突き入れた。
「あっ、ああ……んっ」
細い体一杯に突っ張らせたエドワード。
奥まで押し込み一呼吸置いて、ロイはエドワードの汗に濡れた髪をかきあげる。
「では、注射をしましょうか」
「もう、それ……やめろ……」
瞳を潤ませ、呆れたようにエドワードが言えば、ロイは苦笑する。
「最初にお医者さんごっこがしたいと言ったのは、君の方だろ?」
「ヤブ医者変態ごっこがしたいと言ったつもりはないね」
「ヤブでも変態でも、医者には変わりがないよ」
くい、と腰を突けば、面白い具合にエドワードの体が跳ねる。
空に晒された乳首が、唾液に光ってつんと立ち上がっているのを見れば、ロイの笑みは深くなる。
「では、注射を押し出す作業を開始しようか」
つん、とその乳首を突付いて「あんっ」と可愛い声が上がったのを合図に、ロイは抽挿を開始した。

注射は――散々だった。
中に出されてエドワードは怒り、気付けば仕事は止まったまま、既に時間は定時に近く――。
終わった途端のノックに、慌てて服を着込めば、入ってきたのはホークアイ。
ちょっとした変化にも敏感な聡い副官は、この閉ざされた執務室で何があったのかをたちどころに察知して、ロイに銃を向ける。
「セクハラです」
きっぱり。
「後にエドワード君から調書を取り、軍法会議所へ書類送検します。よろしいですね?」
「ち、違う! セクハラでじゃない!」
「そうなの? エドワード君?」
「……胸が腫れてるから注射が必要だって。太くて長くて、中に出された……」
エドワードが呟くように答えれば、ホークアイの瞳が鋭くなる。
きらり、光った目は眇められ、きりりとロイを睨みつつ傍に寄り、米神に銃口を押し付けた。
「あなたには弁護士を雇う権利があります。ハボック少尉!」
前半はロイに、後半は隣の大部屋に向けて。
直ぐに飛び込んできたホークアイの所業を見て、ハボックは目を見開いたが。
「逮捕します。セクハラです」
言い切ったホークアイとエドワードを見やると、頷いた。
「失礼します」
手錠を取り出してロイを捕獲するハボック。
「じょ、上官侮辱罪だぞ!」
叫ぶロイの声も空しく。
「詳しい罪状その他は取調室で」
ホークアイの銃に脅されながら、ロイは連行されたのだった。

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