over18

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気高過ぎる花

※気高き花のギャグバージョンです。が……そして屍の後にしては、ちょっと違和感が……。



女性達を結果的に毒状態のまま放置してしまったルークは、深い悔恨の中にいた。
あの時イオン達はルークの自由を奪いここまで引きずられてきてしまったのだが、だが自分だけでもあの場に残り、彼女達を回復すべきではなかったのか?
そう思えば、眠れない。

気付いたイオンが声をかけてくるのに気鬱げに頷いたルークに、しかしイオンは眉根を寄せて舌打ちした。もちろんルークに対してではなく、自分たちのやり方のまずさに、である。
最低でもルークの目の届くところでやるべきではなかった。
さりげなく彼女たちを抹消し、ルークには戦線離脱と嘘をつけばよかったのである。
方法を間違えてしまったからこそ、ルークは今、眠れずに悩んでいる。
愛する彼女が悩む姿など、しかもそれが世界のゴミにも等しい彼女たちの為に、なのだから、見たくはない。
イオンはそっとルークの側を離れると、ジェイドに近づき、言った。

「ルークがゴミ虫達のおかげで眠れなくなっているのですが?」
「……でしょうね。やり方を間違えました」

あの時は、いかにして残酷に彼女達を断罪するか、ということにしか頭が回らず、遅行性の何時効果が現れるか予測しか出来ない毒を使ったのだが、ルークの為を思うのならば、人目のない場所でタコ殴りのほうが良かったかもしれない。

「何か強制的に眠りに落とす方法はありませんか?」
「強制的に、ですか? 眠りは疲れからきますから、疲れれば……」
「疲れ……ですか……」

その呟きを耳にしたアッシュが、我先にとルークの方へとかけ出し、稽古の申し出をしている。
そこにガイがやってきて同じことを言いだしたものだから、何故かルークとではなく、アッシュとガイの稽古(真剣勝負)が始まってしまった。
ルークはぽかんと二人を見ながら、また気鬱げに吐息し考え込んでしまう。
どうにも空回りな二人である。

「あの二人がルークを放置して戦い始めてしまったということは、あとはルークの相手になれる者はいませんねぇ」

ジェイドは肩を竦める。

「他に良い運動はないものでしょうか?」
「眠らせるだけなら、最も良い運動がありますが……ルークにはまだ早いでしょう」
「早い、とは?」
「いわゆる、男女間の合体行為ですよ」
「……」

イオンは薄く頬を染めて口を抑える。

「女性は男性の精を受け入れる行為を受けると、子孫繁栄を第一に考えて眠り入ります。動くことで体外に受け入れたものが出てしまうのを防ぐのですね。ですから、単純に眠らせるなら、行為が最も有効です。薬だと癖や耐性がついて後で面倒なことになりますからね」
「そう……ですか」
「とは言え、ルークはああ見えても精神はまだ七歳の子供です。あなたが二歳の子供であるのと同様に」
「そうですね」
「ですから、まだ行為は早いのですよ。最低でも性教育をしてからでなくては」

恐らくは初恋もまだであろうルークに、性教育から入るのもどうかとは思ったが、肉体が十七歳を保っているのであれば必要なことかもしれない。
彼らの目が届く場所でならばルークを守ってやれるが、あれだけ可愛い女性である。一人になって不埒な男に不埒なことをされないとも限らない。
イオンは燃える目でジェイドを見上げると、拳を握り振り上げて言った。

「ジェイド先生、性教育をお願いします!!!!!」

そして突発ジェイド先生による良い子の性教育教室がスタートすることになった。



ルークは――戸惑っていた。
今でも心に残るこの場にはいない仲間だった女性達。
彼女たちのことを思い沈み込んでいたルークの元に、何故か先程まで二人で仲良く稽古(間違い)をしていたアッシュとガイを含め、ジェイドとイオンがやってきて、言った。

「今からルークの知識を増やす為に性教育を行います」
「……え?」

性教育。聞いたことがない。教育というのならば、何かを勉強するのだろうが、その前の性とはどのジャンルのものなのだろうか?
小首を傾げたルークは、イオンに促されてジェイドの前に腰かける。
その周囲をイオンやアッシュ、ガイが囲み、ジェイドはどこで手に入れたのか指さし棒(武器にもなります)を取り出して、話を始めた。

と――。

「良いですかルーク。今から私が説明するのは、近すぎる将来あなたにとってとても必要になるものです。一部マルクト皇帝などは、これが仕事の一部として存在しています」
「へぇ、そうなのか」

感心したようにガイが頷くと、ルークを挟んで隣に腰かけていたアッシュが吐き捨てるようにコメントする。

「王室の女ってのは、言わば出産マシンのようなものだからな。出産を条件に贅沢が認められているようなものだ」
「ってことは、ルークも?」
「こいつに関しては、俺がそれを許さねぇ。つーか、俺の子供だけ生めば良い」

はて、とルークは小首を傾げる。
彼らの会話からすると、どうやら性というのは出産を意味するらしい。
出産ってのは、要するに子供を生むということで……。

「はいはいそこ、先走らない。ルーク。今から説明するのは、出産前の妊娠前、妊娠誘発行為のことですから」
「妊娠誘発行為?」
「はい。要するに、女性の体に男性から種を仕込む行為のことです」
「種!?」

種ならば、エンゲーブで見たことがある。
実りからとれる小さな粒で、それを土に埋めると、再び大地に実りが宿るのだ、と誰かが教えてくれた。
それを、土ではなく人体に仕込む?

「そんなこと、出来るわけがない!」
「それが出来るんですよ」

にっこり笑ってジェイドは、詳しい性についての説明を施した。
しかし……。

「良いですかルーク? こういう行為というのは、すればする程に体が慣れていくものです。そして、より多くの男性とした方がより多くの経験が積めます。戦闘と同じですね」
「要するに、強くなるってことだな?」
「そうです。ですが、相手は誰でも良いわけではありません。ルークを愛する相手でなくてはなりません。たとえばルークが相手を何とも思っていなくても、ルークを深く愛してくれる相手でなくてはならないんです」

ルークは小首を傾げる。

「なんで?」
「ルークを愛する男性以外として、もしも子供が出来た時、それは魔物かもしれないからです」
「俺が魔物を生むことになるかもしれないってことか!?」
「そうです」

ジェイドは悲しげに頷く。

「子供には愛情が必要です。ルークを愛している男性の愛情が、子供に宿らなくては、その子は魔物になってしまうのです」
「そ、そんな……」
「ですから、するときはルークを愛している相手を選ばなくてはなりません。もちろん、普通に言葉で愛していると言われてもだめですよ。そうですね。10カラットダイヤくらい贈ってくれた相手なら愛している証明になるかもしれませんね」
「10カラットダイヤ……って高いのか?」
「そうですね。すっごく高いです。ですから一般庶民の方々は、一生をかけて一人の女性しか愛さないのですよ」
「だよな。一生に一個しか買えないかもしれないもんな」

勿論、ここにいる誰もからすれば、そんなもの軽く買えてしまうようなものだ。だが、ジェイドが言うように一般庶民には買えない。
これでルークは、声をかけてくる相手には必ず10カラットダイヤを買ってくれるかどうか確認するようになるだろうし、買ってくれない相手には見向きもしなくなるだろう。
しめしめ、と男性陣は笑う。



すっかり毒女性たちのことは忘れて別のことでうんうん唸りながら眠りの中に入っていったルークを横眼に、笑う男性達。

「うまくいきましたね」
「本当に! これでルークは安全です!」

彼らの手には、どこから仕入れてきたのか10カラットダイヤ。ずっと握りしめていたので体温で温くなっている気持ち悪い代物である。

「しっかし、途中から妙な性教育になっていって、どうなることやらと思っていたが……」
「ですが、あれだとルークの認識的に、私たち全員と行為に陥る可能性を受け入れるでしょう?」
「だな。全く頭が回る旦那だぜ」
「だが、悪くはない」

ニヤリとアッシュとガイ。
すっかり他の誰かを出しぬいてルークを自分のものにする思考は頭にはない。すっかり共有方向に流れている彼らは、10カラットダイヤを握りながら考える。

「皆で同居出来るとなったら、やはりマルクトでしょうか? 一人出られない人がいますし」

イオンが言うのに、ジェイドはおもむろにハトを取り出し。

「10カラットダイヤを用意出来ていないだろう人に、連絡しましょうか。きっと我々の同居用の屋敷も用意してくれることでしょう」

恐らく宮殿の近くに。









ギャグになりませんでした。
しかも性教育苦手です。

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