夕暮れの空を見やる。
綺麗な橙色の空に、七輪で焼いている魚の煙がもうもうと立ち上る。
風流なんてものは全くと言っていいほどない。
「美味そうな匂いだな。」
「たしかに香ばしい匂いはしますけど。
でもあれ、後片付け大変ですよ。
網焦げてるし。」
「トシ、焼けたぞォォォ!」
七輪の火力を調整するための団扇を片手に、近藤局長が叫ぶ。
へぇへぇ、とやる気の無い返事。
七輪の側にしゃがみこんで、焼きたての魚にありつく茶色の頭。
七輪より少しだけ離れた場所でミントンに励む山崎さん。
どうせなら七輪ひっくり返して土方さんの分駄目にすればよかったのに。
そうなったら本気で怒っただろうし。
「ホラ、明良の分も焼けてんぞ。
さっさと食っちまえ。」
やる気の無い返事をしながらも律儀に取りに行ったらしい。
こういう律儀なところは好きなんだけどなぁ。
紙製の皿を受け取り、箸で身をほぐそうとすると、礼ぐらい言え、と呟く声が聞えた。
「局長、ありがとうございます」
パリパリに焼けた皮と、ふっくらした身。
随分上手に焼けたなぁ。
ちょっと局長のこと見直したかも。
最近は本当にストーカーだもんなぁ。
ご愁傷様、お妙さん。
「俺にはなしか!」
「わざわざ七輪出して焼いてくれたのは局長ですから。」
「お前、その口の利き方誰に習った。」
「沖田さん。」
ハァ・・・。と深いため息が聞える。
「ため息つくと幸せ逃げますよ。」
「その前に土方さんの面見て逃げやすぜ。」
いつの間にか、すぐ側に沖田さんがいた。
侮れないよなぁ、この人。
「お前らがつかせてんだっつーの!」
「人の事“お前ら”なんて一緒くたにする人には言われたくねェや。
ねぇ、明良さん。」
「そうですよねぇ。
親の顔が見てみたいですよね。」
「人様に心配されるような躾されとらんわ!
っつーかお前らの方が心配だ!」
「土方さんに心配されるような育ち方してませんよ。」
「そうですぜィ。
心配なのはどっちかっていうと土方さんの未来でさァ。」
「上等だ、てめェら刀抜けェェェェ!」
まぁ、真撰組の日常なんてこんなもんですよ。
ねぇ土方さん?
初めて書いた銀魂が真撰組ですか、神崎さん。
銀魂は憎めないキャラばっかで困りますねぇ。
とりあえず、あんまりキャラが掴めてないのがばれるなぁ。
個人的に非常に困ったのは沖田総悟の口調。
いや、土方さんも難しいんですけど。
近藤さんはともかく、実際上司にはしたくないよな土方さん。
沖田さんを部下にしても恐いけど。
いつ足元をすくわれるか解らない状況っていやですよねぇ。
がんばれ、土方さん。
ちなみに、局長が焼いてたのは秋刀魚です。
七輪の火力調整が団扇って、合ってたかなぁ。
なにせ七輪を実際に使ったのは小学校時代なものですっかり忘却のかなたです。