Sweet Lips
私は駅前のデパート前に立っていた。 大きなガラスのディスプレイの中には、流行の服を着た2体のマネキン。 時計を見ると、待ち合わせ時間から10分経過。 そろそろかな? 待たされるのはいつものこと。 待たせたら待たせたで、報復が怖いけど。 ウィンドウにうつる自分の姿を最終チェック。 ばっちりきめた洋服に、いつもより時間をかけて整えた髪形。 あ、前髪が跳ねてる。 私は慌てて毛先をつまんで、元の通りになおす。 うん、これで大丈夫。 私は満足してガラスに映る私に、にっこり笑った。 「ねぇ?」 ん? 不意にとんとんと肩を叩かれて、後ろを振り向く。 そこには大学生くらいのいかにも軽そうな男が私をみて、いやらしく笑っていた。 「君、一人?」 「え?」 「よかったら、これから俺とどこか行かない?」 「あ、待ち合わせしてるんで」 そう言って、私はその場を離れようと歩き始める。 けれど、後ろから男はしつこくついてきた。 「さっきから見てたけど、全然こないみたいじゃん。 ね、行こうよ! ・・・君の事、かわいいなって思ってたんだよね」 腕をとられて、強引に引っ張られる。 「痛!」 「」 「景吾!」 聞き覚えがある声に振り向くと、そこには景吾の姿。 男は私の腕を放すと、景吾に近づく。 「なんだよ、お前は」 今にも飛び掛りそうな勢いな男。 「け、景吾!」 私はひやひやして、景吾の名前を呼ぶ。 そんな中、景吾は男をひややかな目で一瞥すると、後ろにいた私に視線を向ける。 「、行くぜ」 「おい、待てよ!」 無視された男は、景吾につかみかかろうとするけど・・・。 「アーン?・・・やんのかよ?」 凄みを利かせた声。 不機嫌な景吾に口を開かせたら、そこら辺の柄の悪い大人よりも怖い。 びくっと固まるナンパ男。 景吾はくるりと背を向けると、スタスタと歩きだす。 「あ、待って!」 置いていかれた私も、慌てて駆け出す。 男は景吾の迫力に負けたのか、追ってはこなかった。 「さっきは、ありがとう」 やっと追いついた景吾の隣に並ぶ。 私の方をみると、景吾は不機嫌に眉をよせた。 「ったく、自分でなんとかできねぇのかよ」 「そんなこと言ったって、いきなり腕つかまれて・・・」 私は男につかまれた部分ををさすった。 痛みはないんだけど、結構赤くなってる。 「あ!」 今度はその腕を景吾につかまれていた。 「チッ!・・・・、でかけんの止めだ」 「え?」 「こいよ」 「え、あ、う・・・!」 そのまま引きずられるように、私は腕をひかれていった。 5分後------ ピピッ! 暗証番号を押して、オートロックが開く。 着いたのは、高層マンション。 景吾の家はマンションやらホテルやらを所有していて、それぞれに専用の部屋がある。 たぶん、ここもその一つ。 エレベーターに乗って、ついたのは最上階。 景吾は部屋の鍵を開けて室内に入る。 ドアを閉めて、振り向いた私にいきなり近づいてくる景吾の顔。 「・・・っ!」 ドアに押し付けられて唇を奪われる。 いきなりのことに頭の中が真っ白なった私に、後ろでがちゃりと鍵を閉める音が聞こえた。 「景吾・・・・ん!」 「うるせぇ」 私の呼びかけを封じ込めるように、再びふさがれる唇。 その格好のまま、靴を脱がされる。 次は、ブラウスに手がかかって・・・。 キスという行為で思考能力が奪われている私は、景吾のなすがままにされていた。 抵抗することもできず、そのまま室内にどんどん進んでいく。 廊下を通って、リビング・・・・。 点々と洋服が落としながら、部屋のベッドまで導かれる。 景吾はにやりと笑うと、下着に手を伸ばす。 「これで最後だな?」 最後の一枚を剥ぎ取られると、シーツの上に押し倒された。 そして、そのまま腕をつかまれる。 「・・・けぇ・・・ご」 「さっきの跡、消えたか」 男につかまれて赤くなっていた私の腕は、もとの色をとりもどしていた。 いきなり不機嫌になった景吾は、手首を強くつかみなおす。 「痛!」 「お前にそういうものををつけていいのは、俺だけだろ?」 「・・何よ、・・・それ・・・・あ!」 景吾は私の指を口に含んで、軽く舌先で弄ぶ。 「・・・は・・・ぁ」 それだけのことなのに、私の口から甘い吐息がもれてしまう。 景吾は軽く口元をゆがませると、私の指を開放する。 ほっとするのも束の間、首筋にかかる景吾の吐息。 「・・・はぁっ・・・・」 なぞるように動き回る唇に私は、思わず声をあげていた。 景吾はゆっくりと胸の上まで移動すると、いつもより強く、肌を吸上げた。 唇を離すと、内出血した跡がくっきり残る。 「まず一つ」 景吾は、唇で跡をつけながら両手で二つのふくらみを包み込むと 下から上に持ち上げるように、胸を揉みしだいていく。 「はあっ・・・あぁっ・・ああぁっ」 「、もっと気持ちよくさせてやるよ」 景吾は手の中で固く尖り始めた胸の先端を、探り始める。 指で蕾をつまんで口に含む。 そっと触れるように舌が動いたかと思うと、軽く甘噛みされる。 「あぁ・ん・・はあぁっ」 私は心地よい感覚に、景吾の肩に手を置いて体をのけぞらせた。 胸から口を外すと、そのままお腹から下に移動していく景吾の唇。 ゆっくりと、長く唇で体中に刻まれる、赤い印。 景吾の手は快楽を助長するかのように、敏感になっている肌を甘く這っていく。 甘い意識の中、景吾の手は下肢に移っていった。 膝をつかまれると、大きく割り開かれる。 手で太ももをつかんで内側の柔らかな部分に、景吾は舌を滑らせていく。 「あぁんっ・・ああ・・」 電撃のように体中に走っていく、快感。 数度の往復の後、景吾の指が蜜を帯びた花びらを捕らえる。 痛いほど敏感になっている部分に、指を突き立てると上下に動かした。 「ん・・く・・あっ・・・ああぁ・・・っ」 私はあふれる声を、流れるままに口から漏らす。 景吾は何度も何度も振動させて、私の体を高まらせていく。 体の中心が、景吾を求めてうずいているのがわかる。 私は我慢できなくて、荒い息をつきながら言葉を漏らす。 「はぁ・・・ん、景吾、じら・・・さ・・な・い・・・で」 「もう、駄目なのか?しょうがねぇ・・・」 景吾は指を引き抜くと、私の両脇に手をおいた。 グチャリと音をたてて、私が望んでいたものを一気に侵入させてくる。 「・・・これが欲しかったんだろ?」 「あぁ、はぁっ!・・・あ・・・ん」 景吾は私の耳元に低い声で告げると、強く突き上げた。 ぎりぎりまで引き抜いたかと思うと、そのまま最奥まで突き入れられる。 「まだまだこれからも、じらさせてもらうぜ、・・・」 霞ががかった意識の中、景吾は私の体を翻弄しながら景吾は笑った。 「や、はぁあっ・・・ああっ・・・あぁぁっ!」 体中に甘い痺れを感じながら、私は最初の高みに昇りつめた。 「うぅ、こんなにしなくてもいいじゃない」 私は、自分から見える位置についた赤い跡達をうらめしそうにみる。 明日から、しばらく露出度の高い服は確実に着られない。 私はため息をつくと、服を拾いに行こうと立ち上がった。 「、忘れモンだぜ」 「え?」 ぐいっと後ろから抱き寄せられると、首筋にキスされる。 「ちょっと、やめてよ!」 私の言葉を無視して、長くその場にとどまる唇。 見えないけれど、これは確実に跡がついてる、というよりつけてる! やっとのことで唇がはなれると、私はそこを抑えて景吾をにらんだ。 「景吾、一番つけて欲しくないところに〜!」 「ま、今日はこれくらいにしといてやるよ」 またひとつ、私の首筋に増えた景吾のものだという印。 それを見ながら、景吾は満足そうに笑った。 |
あずみさんのリクエスト、
「デートで待っていたらナンパされて跡部様が助けてくれる」ドリームです。
いや、いつもながらにパターンが一緒っていうのがいやですね(汗)
リクエスト通りでしたでしょうか〜?
街中からどうしようかと試行錯誤した結果がこれなんて・・・。
跡部様の独占欲をあおってみましたが、表も裏も精進しないといけないと改めて実感。