白ウサギ
午後からの部活をサボった私は、跡部先輩の迎えの車の中にいた。 乗っている車は黒塗りのベンツ。 どうしてそんなところにいるのかというと、跡部先輩のお家にご招待されてしまったから。 すっかり恐縮していた私は、うつむいたまま座っていた。 先輩はゆったりと足を組んで、隣に座ってたけど。 緩やかなブレーキがかかり、車が停車する。 「着いたぜ、」 先輩の声に顔をあげた。 運転手さんに車のドアを開けられて、降りるとそこには大きな建物。 まわりを見渡すと、イングリッシュガーデンのような庭が広がっている。 ここは本当に日本?と聞きたくなるようなところだった。 きょろきょろ見渡してる私の腕を掴むと、先輩はスタスタと歩きはじめる。 扉を開けると、大きなエントランスホール。 そこをまっすぐに抜け長い廊下に出ると、いくつものドアがあった。 その中の一つにはいると、床一面が赤い絨毯、向かい合わせのソファー。 そして、その後ろには大きなグランドピアノ。 「わ・・ぁ」 思わず感嘆の息が漏れる。 壁一面の窓から差し込む光が、ピアノの影を作り、美しく見せていた。 先輩はピアノの前まで行くと、ドアの前で立ち止まっている私に振り返った。 「ほら、。弾いてみろよ」 「え?」 「また自信がないとか言って、拒否するつもりか?」 「そ、そんなことないです」 慌てて顔を横に振った私に、にやっと笑うと先輩はピアノのふたを開けた。 そうだよ、自信もたなきゃ。 私はピアノの丸い椅子に腰掛けると、すぅっと息を吸い込む。 背筋を伸ばして深呼吸をすると、だんだん気持ちが落ち着いてくる。 私はそっと鍵盤の手を置いた。 そして、ゆっくりと・・・弾き始める。 ――――ショパンの夜想曲(ノクターン) 私の一番好きな曲。 今日は、いつもよりも優しく静かに部屋に響いた気がした。 5分程度の、演奏の後。 パチパチと手を叩く音で現実に引き戻される。 「結構やるじゃねぇか」 「あ、ありがとうございます」 私は立ち上がって、先輩の方に振り返った。 すぐ近くにいた跡部先輩が少しに前に出たので、私は横にずれた。 が。 片手を取られて、気付いた時には。 バーンと不協和音をとどろかせながら、両手を鍵盤の上で押さえつけられていた。 目の前には跡部先輩の顔。 ・・・ピアノが鳴って、先輩が近くて?! 私はいきなり起きた出来事にパニックになっていた。 「せ、先輩?!」 「お前って、冬の白いウサギみてぇだな」 「?」 「びくびくしながら雪の中で身を隠そうとしてるんだが、赤い目だけは隠せねぇ。 まぁ、そんなとこが、俺の目にとまっちまったんだろうがな」 「そんなこと・・・!?」 先輩はそう言って笑うと、私の開こうとした口に唇が合わせられる。 柔らかくて温かい感触。 音楽室で初めてした時よりも強いキスだった。 先輩の唇が動いて、それに合わせるように私の唇も開いてしまう。 「ぅ・・・ん」 唇の間から入ってきた舌が、私の舌と絡み合う。 息ができないほどの強い口付け。 私は思わず、ごくりと口の中で交じり合った唾液を飲みこんだ。 鍵盤の上で押さえられていた手が、すっと外される。 口付けから開放されると、先輩の手が私の後ろに回った。 「あ!」 先輩は私を抱き上げると、そのままピアノの椅子に腰掛けた。 足が地上から離れて先輩の膝の上に、座る形になる。 「跡部先輩?!」 「何だ?」 後ろに回された手が、制服の薄いシャツを持ち上げて中に入ってきた。 直に先輩の手が肌をなでる感触。 「あの・・・!ひゃ・・・んん!」 驚いて声をあげた私の唇が、キスで強く塞がれる。 声を出そうにも、先輩の唇に吸収されてしまう。 その間にも、先輩の手は私の肌を滑ってブラのホックを外した。 先輩の手から逃れようにも、膝の上に座らされていて不安定な上、 抵抗する私の力よりも先輩が私を抱き寄せる力の方が強かった。 すべてのボタンをはずされて、唇も離される。 するりと腕からブラウスとブラが同時に落ちた。 うなじに先輩の熱い吐息がかかって、体中にしびれるような感覚が伝わっていく。 下から包み込むようにして、2つのふくらみが揉まれる。 「や、ぁ・・・」 「触られるの嫌か?」 先輩の声が、耳元に響く。 恥ずかしくて、くすぐったいような感覚。 男の人に触られるのは、嫌なはずなのに。 先輩に触れられるのは嫌じゃない。 むしろ、心地いい気がしていた。 でも・・・。 「い、嫌じゃないです・・けど・・。 ・・・こんなこと・・・初めてだから・・・怖い・・・です・・・」 私の言葉に、口元を持ち上げると先輩は胸の先端を指で擦った。 刺激で少し固くなっていたそこは、さらに固くなる。 「・・・!」 「じゃあ、優しくしてやんねぇとな」 耳元にかかる先輩の吐息に、体中の力が抜けていく感じがする。 先輩は両手で二つのふくらみをさらに強く揉みしだき始めた。 「やぁ・・・ぁ」 体中に一気に伝わっていく快感。 その動きに恥ずかしい声をあげそうになった私は、唇を噛んだ。 「我慢しなくてもいいんだぜ?」 耳たぶを舌でぺろりと舐められる。 思わず私は先輩の肩につかまった。 「せ、先輩!!・・・あ・・ひゃぁ・・・ん!」 片方で胸を刺激され、もう片方の手がスカートの中に入ってきた。 太ももの内側を何度も撫でられる。 「はぁ・・・やぁ・・あぁん」 体中の血液が、沸騰してるみたいに熱い。 頭の中が朦朧として、口から漏れる声を止めることが出来なくなっていた。 先輩の手が下着に到達すると、ゆっくりと指がその上をなぞっていく。 「・・!ふぁん」 じっとりと確実に湿っていく下着。 先輩は動かしていた指を止めると、下着の中に手を侵入させてきた。 そして、最も濡れていた部分にぐっと指を立てる。 「・・・・あっ!」 その刺激で私は後ろに仰け反った。 圧迫される痛みで、息が吸えない。 先輩は指を一気に奥まで入れると、くねくねと動かし始めた。 最初ゆっくりだった動きが、だんだん速くなっていく。 それにつれて、私の中の感覚が気持ちいいものに変わりつつあった。 「はぁっ・・・ああっ・・・はぁ・・・あんっ」 くちゅくちゅと妖しい音が私の耳に響く。 「ああっ・・・くうっ・・・いやっ・・」 「最高の快感・・・だろ?」 先輩はにやっと笑うと、私の中を掻き回した。 そして、さらに指を一本増やすと大きく動かす。 「ああっ・・・んんっ・・・くっ・・・あん・・・」 快楽が指の先まで体をしびれさせる。 何度も何度も指を抜き差しされて、私はもう耐えられなかった。 「・・・あぅ・・はぁん・・・っ!」 口が空気を求めて荒い呼吸を繰り返す。 「・・・もう限界か?」 先輩は指を大きく指を引き抜くと、一気に私の中に突き入れた。 「あ・・・やっ・・・だ・・め・・ああっ・・あああっ」 私は悲鳴をあげて脱力し、先輩にもたれかった。 腕に力が入らない・・・。 「まだ、終わらせねぇぜ。?」 ぼうっとする意識の中、先輩の声が私の耳に響く。 先輩は私を抱き上げると、ゆっくりとソファに下ろした。 「ん・・・先輩・・・」 短い口付けが落とされ、膝裏を抱えられると先輩の顔が真上に見えて・・・。 ぐぐっと先輩が入ってきた。 「あぁぁぁっ!」 さっきとは比べ物にならない全身を貫くような痛み。 痛みで体が強張る。 「、・・力抜け・・・」 「あ・・・っ・・・でも!」 ズズっと最奥まで辿り着くと、先輩は体を動かし始めた。 「あぁっ・・・はぁっ・・・」 始めはゆっくりと少しだけ動く。 次第に激しく揺さぶられていった。 痛みから快感へと摩りかわり、突き上げられる度に意識が薄くなる。 もう、駄目・・・! 「先輩・・・んぁ・・・ああああ!」 私は先輩の肩にしがみつくように抱きついて、そのまま気を失った・・・。 「ん・・・」 「やっと起きたか」 目を覚ますと、先輩の顔が間近にあって。 私は気を失ったソファーで、先輩の膝の上で抱きしめられていた。 「あ!」 私はボタンのしまってないブラウスの前を、慌てて合わせる。 先輩は何事もなかったように、きちんと制服を着ていた。 それとはちがって着ていたブラウスと下着だけの私は、その姿でいるのが恥ずかしかった。 「。なにやってんだよ?」 先輩は私がやっていることが可笑しいのか、口元をゆがませた。 さっきの行為を考えたら、別になんてことないことなんだろうけど・・・。 私は真っ赤になって、膝の上から降りようとするけれど、しっかり背中に回された腕がそれを許さなかった。 「あの。お、下ろしてください」 「・・・駄目だといったら?」 「こ、困ります」 「じゃあ、困っとけ」 「あ・・っ」 先輩は少しだけ笑うと、私の耳たぶを軽くかんで。 「・・・俺の白ウサギ」 そう、耳元に呟きを残した。 |
鈴さんのリクエスト、
「表のリクの、跡部と内気な女の子が付き合って初エッチv」ドリームです。
こんなのでよろしかったでしょうか?
途中からいつもの子になりそうでアセアセ。
表のself confidenceの続きです。
最後が嘘くさい・・・。
なんか時間かかった割には出来が痛い限りです(汗)