愛の挨拶 綺麗なメロディーが流れていく。 景吾と一緒に演奏していた。 弾いていたのは、エルガーの愛の挨拶。 景吾の弾くそれはアレンジまで加わって、原曲とはちょっと違った感じになってる。 私は演奏をやめて、そのままその曲に聞きほれた。 天は二物を与えずっていうけどさ。 景吾にはどのくらい与えちゃってるのよ、神サマ? 目の前では景吾のがっしりした手が、鍵盤の上をしなやかに滑っていく。 「どうかしたか?」 急にやめた私を不思議に思った景吾が、演奏をやめてこっちをみた。 「景吾って器用なんだなぁって。 テニスでパワープレイだってこなすのに、こんな繊細な動きまでできるから」 ピアノに限らず、楽器って人柄がでるからね。 私は感心していったはずなのに。 「・・・お前、今更気づいたのかよ」 景吾は半ば呆れ気味に言った。 「今更っていうかね。一応、褒めたんだけど?」 「あぁ、そうか?・・・じゃ、何なら試してみるか?」 不敵に笑って私を見る景吾。 その瞳を見ればこれから何をしようとしてるかなんて、火を見るよりも明らか。 景吾の手が私の腰を抱く。 私は慌てて景吾を牽制した。 「意味がちがうでしょ?!」 「別にどっちだっていいんだよ」 「はぁ?!」 どっちでもいいってどういうことよ?! ただイタシタイしたいだけってコトデスカ? 「景吾!・・・きゃっ!」 ウエストを抱えられて、ピアノの上に乗せられる。 格好的に、私は景吾を見下ろす形になっていた。 「いい声を聴かせてくれよ?」 景吾はそれだけいうと、私の唇をキスできつくふさいだ。 うっすらとあけた口の隙間から、景吾の舌が侵入して私の口内で遊ぶ。 私は我慢しきれず、ごくりと唾を飲み込んだ。 キスをしている間にも、景吾の手が服にかかって・・・。 ぷちんぷちんとはずされていくボタン。 途中までくるとブラのカップに手を入れられて、ふくらみを外に露出させられる。 「ふぁ・・・」 そのまま先端を摘まれて指先でこりこりと擦られると、痺れる様な甘い快感が走った。 「あ、やぁ・・ふぁん」 景吾からの刺激で硬くなった先端を甘噛みされると、体がびくんとはねる。 口から漏れるのは、甘い声と熱い吐息だけ。 頭が正常に働かなくなっていくのがわかる。 景吾はゆっくりと手を移動させていく。 ウエストからヒップ、そして太ももをなでた。 そして。 「あぁん・・・!」 景吾の指先が下着の上から亀裂をなぞる。 人差し指が一番敏感な突起にあたると、体中に痺れるような甘い快感が伝わった。 「気持ちいいか?」 「う・・ん!あぁ」 私は返事をするまもなく、快感に声を上げた。 何度も何度も往復させられて、その部分から蜜が流れはじめる。 「もういらねぇな」 じっとりとしめって使いものにならなくなった下着をはずされた。 「景・・吾ぉ・・」 軽く開いていた膝を、手で更に広げられる。 「気持ちよくなりてぇんだろ?」 そういうと、景吾はそこに顔を近づけた。 熱い息が、内腿にかかってくすぐったい。 「あ・・・やん」 ピチャっピチャと音がし始める。 景吾の指と舌が、私のそこを責め立てる。 蜜をなめとったかと思うと、突起をくちゅりと吸い上げられた。 「あ、ふぁ・・・ぅ・・やあ」 ざらりとした舌の感触が私を侵していく。 私は、快楽におぼれてしまっていた。 「やぁ・・くっ」 意識が飛びそうになると、景吾が突起を指先でつまむ。 じっくりと執拗に責められて、私はもう限界だった。 「・・・けい・・ご・・だめぇぇぇ!」 限界に、私は脱力して景吾にもたれかかった。 荒い息をつく私に、景吾は耳元に囁く。 「じゃあ今度は俺を満足させてもらおうか?」 「・・・あっ」 景吾は私をピアノから降ろすと、その場に立たせた。 まだ体に力が入らない私は、ヒップを突き出してピアノによりかかる体勢になる。 景吾はそんな私のウエストに手をかけて、引き寄せた。 「・・・いくぞ」 次の瞬間、景吾がゆっくりと私の中に侵入してきた。 「ん…!ああ!・・・あぁっ」 溢れ出る蜜も手伝って、ズブズブと容易く入り込んでいく。 奥まで到達すると、景吾はふぅっと息を吐いた。 「いい締り具合だぜ、?」 「や・・・だ・・そんな・・ことっ・いわ・・ないで!あぁ!」 動き始めた景吾は、いつもより激しくて。 腰が砕けてしまいそう。 「あっ・・あっ・・ひゃう」 二人の間から流れ出した雫が、太ももを通っていく。 ぐちゅぐちゅという音と、二人の熱い呼吸だけが耳に響いた。 何度も突き入れられる度に、どうにかなってしまいそうになる。 「景・・・吾、私・・・ああ!」 「・・・ん!」 最奥まで突き上げてきた景吾を、私の中がぎゅっと締め上げて・・・。 そして、私たちはそのまま絶頂に達した。 私たちはピアノの椅子に座っていた。 夕日も落ちて、月夜だけが私たちを照らす。 「どうだった?」 「どうだったも何も・・・」 なんてこと聞くのよ?! 私はちゃんと着れていないシャツの前をしめる。 胸元を覗けば、私のそこかしこに景吾につけた紅い印たち。 体中がだるくて、まだ立てそうにない。 「もっと欲しいってか?」 「誰もそんなこと言ってないわよ! ただ、今日は誕生日だったからって・・・」 激しすぎ。 その一言を言うのが悔しくて、私は言葉をにごらせた。 そんなことしたって、景吾には私の言いたいことがわかってるだろうけど。 私はちらりと景吾を見る。 そんな私を景吾はくすりと笑うと、ピアノの鍵盤に手をのせた。 「何か弾いてやるよ」 「じゃあ、愛の挨拶!」 「さっき弾いたじゃねぇか」 「今度はちゃんと、私だけに最後まで弾いてほしいの」 それは、作曲者のエルガーが妻に捧げたっていう素敵な曲。 本当はどんな曲でも良かったけど。 景吾は私の頭をくしゃくしゃと撫でると、バーカと一言。 「今日だけは、特別に・・・な」 そういって、私のリクエストに応えるため。 そう、私だけの演奏を始めた。 |
表作品のリクエストでの続編となります。
タイトルが浮かばない挙句、あまり内容と関係ないかも。
やっぱり私の裏はこの程度(汗)
エロは苦手です、甘甘は得意ですが・・・。