好きという忘れ物








「別れよう」

そう言ったのは私。

「どうして?」

意外そうな顔をして、私に問い掛ける周助。

「・・・他に好きな人できたから」

、嘘ついてるね?」

周助の言うとおり、それは嘘だった。

本当の理由。

私は2週間後、引越しをする。

3年後には、またここにもどってくることになっていたけれど。

その間、私を好きでいてもらえる自信がなかったから・・・。

彼の顔を見るのが辛くて、私はうつむいたまま首を横に振った。

「・・ごめんね」

!」

後ろから聞こえてくる周助の声。

私は耳を塞いで、その場から逃げ出した。

携帯の番号も、アドレスもすべて変えた。

彼の中から私という存在を消すために。

そして、私も彼という存在を忘れるために・・・。












夏休みが終わって、新学期。

私は転入生として、黒板の前に立っていた。

あれから3年。

私たちは高校2年生に・・・。

そして、この街に帰ってきたのだった。

「じゃあ、さん、窓側の一番後ろに座ってくれるかな?」

「はい」

私は男性教師の言った座席に向かう。

どきん!と心臓が跳ねる。

その隣の席には・・・。

「あ!」

「久しぶりだね、

「・・・う、うん・・・、不二君」

私は冷静を装って返事をした。

・・・か。

そうだよね。

私達、別れたんだよね・・・。






「ただいま」

夏休み明けということもあり、早めの帰宅。

お昼どきだというのに、人の気配のない家。

はぁっとため息をつくと、靴をぬいで部屋に上がる。

キッチンのテーブルにはお母さんからのメモ。

”お友達と集まりがあるので、遅くなります。

何か自分で作って食べてくださいね。”

がっくり。

お母さんいないのね。

お父さんは出張中だし。

私は冷蔵庫を開けて、中を見る。

何か作ろうにも、今日あんまり食欲ないなぁ。

中身もほとんどなにもないし。




ピンポーン。

丁度そのとき、チャイムの音が聞こえた。

誰だろ?

「はーい・・・・!」

ゆっくりとドアをあけると、そこには彼の姿。

「あ、あれ?し・・・不二君」

思わず、周助と呼びそうになり慌てて呼びなおす。

なんで、どうしてここに?

「ちょっと話がしたくて。ね、上がらせてもらってもいいかな?」

「う、うん。どうぞ」

私は驚いた表情のまま、ドアを大きく開放した。







私の部屋までつくと、2人同時にクッションの上に腰を下ろす。

3年前とあまりインテリアの変わらない部屋は、二人でいた頃に戻ったみたいだった。

私の隣を見上げると、こちらをみつめる彼の視線にぶつかった。

3年前より高くなった身長、そしてたくましくなった肩。

そんな不二周助が私の隣にいた。

「学校でも言ったけど、久しぶりだね」

「う、うん、私が中学2年生の時に引っ越したから、3年ぶりだよね」

私の言葉にあぁとうなずく彼。

「もう、そんなに経つんだね」

「・・・うん」

「ね、どうしてあの時、嘘までついて別れようなんて言ったの?」

「嘘なんて・・・ついて・・ない・・・よ?」

私は自分で発したはずの声が、遠くで聞こえたような気がした。

「僕は本当の理由がききたいんだ」

少しの間ながれる、沈黙。

私は彼から視線をそらして、床を見つめる。

息苦しい。

「・・・3年も離れていて、私を好きでいてくれるわけないと思ったから。

それなら、初めからなかったことにしたかったの」

・・・」

彼の口からもれた、私の名前。

私の心臓はドクンドクンと音を立てはじめる。

「それが、本当の理由。

今さら、こんなこと聞いたって・・・」

うつむく私を、ふわりと抱きしめる腕。

「僕は、今でものこと好きだよ」

「え?」

「忘れようとしても忘れられなかった。

嘘だと思ってても、別れようって言われたのがすごくショックだったんだ」

「しゅ、周助・・・」

私は3年前のように、周助の名前を呼んでいた。

周助は私を抱きしめる手を強めて続ける。

「そして今日、が3年ぶりに現れた。

君の顔をみて、やっぱり今でも好きだって実感した」

「・・・」

「ごめんね。いまさらだよね」

私は、上半身を包む手を緩めた周助の襟元を掴む。

うれしくて涙が溢れ出してくる。

?」

「・・・遅く・・ないよ、私も・・・周助のこと、今でも・・好きだから」

胸がいっぱいで、途切れ途切れになった私の言葉。

周助は優しく微笑むと、私の頬をぬらす涙を指で拭ってくれる。

、ありがとう」

周助の頬をなぞっていた手が、私の顎を少し持ち上げる。

私の目に映ったのは、周助のまっすぐな瞳。

私はそっと目を閉じた。

数秒後に、唇に柔らかな感触。

ためらいがちに触れるだけだったものから、だんだんと深く甘いキスに変わっていく。

舌で唇をなぞられて、私は口を少し開ける。

その間から周助が入ってきて、私の舌を捕まえた。

「ん・・」

唇の隙間からもれた私の吐息。

周助は唇を離すと、私に囁く。

が欲しい・・・」

「・・・うん」

私はこくんとうなずく。





周助は私を床に横たえる。

上を見上げると、周助の顔。

また短くキスをすると、周助の手が制服のボタンを外していく。

ボタンが一つ外されるたびに、3年間という時間が縮まっていく気がした。

上着を脱がされると、肌に直接、周助の体温が伝わってくる。

3年前よりも大きくなった手が私の肌を滑っていく。

ブラを取られて、円を描くように胸をなぞられる。

「・・・はぁっ・・・」

先端に手が触れるたび、体中に電気がはしるみたいな快感。

私の反応を楽しむように、周助はだんだん激しく手を動かし始める。

その動きに合わせて、私の口から甘い声がでてしまう。

「あっ・・・あぁっ・・んん・・・」

、かわいいよ」

なぞる手をお腹の方に移しながら、口で膨らみの蕾を吸上げる。

「う・・・ああっ・・・あぁぁっ」

一気に先端を刺激されて、私は背中をのけぞらせてさらに声をあげた。

「ふふ」

周助は唇を胸から離すと、今度はお腹をなぞっていた手の方に唇を移動させる。

手で触れた後の部分を唇で触れながら、ところどころを吸上げていく。

「あ・・・んっ」

私は周助の温かい吐息と、時々肌を舐められてさらに体があつくなっていった。

周助の手と口が太ももまで到達すると、周助は私の両足を広げさせる。

手は使わずに、今度は唇で太ももを内側を刺激する周助。

「あっ・・・ああぁ・・・あぁんっ・・・」

下着がしっとりとぬれて、冷たい。

けど、周助はそのまま太ももを刺激しつづける。

「あ、やぁ、しゅ、しゅう・・す・・・けっ!」

「・・なに?・・

私が言おうとしていることがわかっているのか、周助は少し唇をゆがませた。

そして、ふくらはぎから内側の太ももまで、つぅーと人差し指でゆっくりとなぞる。

「ごめんね。まだ、だめだよ・・・。

もっと、のいろんな顔がみたい・・・」

周助はそのまま私の下着をするりと取り外すと、そこに舌を滑らせる。

「あぁ、あっ!」

ピチャッと音を立てて、周助が蜜を舐め上げる。

舌が動けば動くほど、どんどん深く入ってきた。

長く体中を遊ばれつづけて、頭がぼーっとする。

周助が欲しくてたまらない。

私の体はそう告げていた。

・・・」

気を失いそうになった私の名前を周助が呼ぶ。

私達は手を重ねて、指を絡ませた。

次の瞬間。

周助が私の中に入ってきた。

「あぁっ・・・・あぁ・・・ん・・・っ」

小刻みに動き始めたかと思うと、ゆっくりと大きく動く。

気を失おうにも、周助が大きく動くたびに意識を戻される。



「・・・はぁ・・・・あっ!・・あああああ」

そのまま何度目かの翻弄のあと、私は快感の限界を迎えた。








何度か体を重ねた後。

私を周助に後ろから抱きしめる形になっていた。

、今日、僕がって言ったとき驚いてたよね」

「あ、ショックだったから・・」

「あの時、が何の反応も示さなかったら好きだって言うの止めようと思ってたんだよ」

「え?」

私が驚いて後ろを向くと、周助はにっこり笑って。

「ま、そんな心配はなかったみたいだけどね」

そういうと周助は私をしっかりと抱きしめた。













あっこさんのリクエスト。
最初は悲恋で最後は激甘です。
悲恋の定義が良くわからなくてこんなのになってしまいました。
どうしましょう?
不二初裏だったんですが、別人ですよね。白いか微妙。
リクエスト通りかどうか怪しすぎます(汗)









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