笹原‥、こいつだけは何が楽しいのか分からない。
今日は俺の高校の時のバレー部仲間のうち同級生だけ7人が集まって、親睦会を開いた。親睦会と言ってもみんなでまたバレーがやりたい、と集まったのだ。
その話しをチラッと笹原にしておいたら、あいつのスポーツクラブの大人バレー部と試合が出来るよう勝手に段取りをしてくれた。ここの大人の部は俺も在籍していたことがあり、和気藹々と楽しい試合が出来た。
俺はバレーのレベルはあまり気にならない。出来るのにやらない奴は嫌いだが、今自分がやれることを精一杯やってる奴は見てるだけでも微笑ましい。
自分と同等の奴なんていない、といきがっていた中学の頃を思えば成長したと言うことだろうか。いや、中学の頃でも冬哉は見ていて可愛かった。本当にあいつは一生懸命で、下手くそながらも狼帝とはいいコンビだったな。そう思い出せば中学3年が一番楽しい時期でもあった。俺と狼帝と冬哉と、3人揃ってバレーが出来たのはあの1年だけだったからな。
笹原に審判をさせ、3セットマッチの試合は、若いだけあって高校OBの圧勝だった。ほとんどの奴は大学でも続けているので、当然と言えば当然なのだが。しかしママさんバレーは沢山あるが、男子バレーはそれほど数がないので、ここのバレー部の所属人数は多い。なので圧勝ではあったがそこそこいい試合が出来たと言えるだろう。
高校の時の仲間も大人の部の人たちも見送ってから、俺はコートの片づけを笹原と一緒になってやっていた。コートを無理に借りたので片づけも自分たちでやって元通りにしておかねばならない。この後から高校の仲間とは飲み会の予定で、俺は少し遅れて参加することになっていた。
片づけが終わり、ロッカーに入るともう誰も残っていなかった。長いすに腰掛けた所で笹原が入ってきた。
「ご苦労だったな。試合、楽しかったぞ」
ねぎらいの言葉をかけたのだが、笹原はまだ何かを待っている。
「シャワー浴びますか」
「ああ」
「私にお世話をさせて頂けませんか」
笹原はそう言うとドアに鍵を掛けた。手にはそのドアの鍵らしき物も持っている。外からは入れないと言うことか。まあ、これだけお膳立てしてくれたのだから何か褒美があってもいいだろう。
「好きにしていいぞ」
そう言ってやると、不安そうな顔がいつもの優しげな表情に戻った。
座っている俺のTシャツをまくり、脱がせる。俺を立たせるとハーフパンツを脱がせ、下着も降ろした。また座らせると今度は靴を脱がせ、靴下も舐めるように脱がせる。俺の肌が露わになるたび、そこを愛おしそうに撫でる。男の裸など見ていて楽しいものとは思えないが、笹原はうっとりと自分の世界に入り込んでいた。
裸になった所でシャワーを浴びようと立ち上がろうとした。
「待って下さい」
肩を押さえられて片足をイスの上に乗せたままの姿で留め置かれた。
「何かあるのか」
そう聞いてやると、
「いいですか?」
と、逆に聞かれた。
「やって欲しいならシャワーを浴びてからの方がいいだろう」
「いえ、あなたの匂いに包まれてるこのままで‥」
笹原は、隠してもいない俺の股間に顔を寄せ、汗で蒸れたそこを銜える。
巧みな舌使いは、男相手では興奮しない所を充血させる。本当にこいつはフェラが巧い。
柔らかな髪を両手で掴み、わずかに腰を動かして笹原の口内を往復させる。
その頃には俺よりも笹原の方がうっとりと陶酔した表情を浮かべている。俺はただ処理をするかのようにそこへ2度、3度と吐き出した。
笹原はいつものように吐き出したモノをきっちり飲み干すと、潤んだ目で俺を見上げた。
「抱いて欲しいか」
「お願い‥します」
俺がこの世で唯一勢いに負ける相手。それが笹原英樹だ。
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