笹原コーチの君主

粉雪さまより

コーチを従える虎王先輩
「お願いします‥。ちゃんと言う通りにしました」
 都築くんは眉一つ動かさず、私を見ました。それだけで身体が凍り付きそうになります。けれど怒っているときの彼はこんなものじゃすまないのです。外では一切見せない彼の感情。しかしこの部屋の中だけでは時折見ることが出来ます。そんなときは漏らしそうになるくらい怯えてしまうのだけど、それだけで達することができるほど幸福にも酔ってしまいます。都築くんは他の誰にも見せない、見せたことのない怒の感情を私にだけはぶつけてくれるのですから。

 今日の機嫌が悪い原因が分かっていても、やはり怖いです。それでもその反対の所では幸せを感じ、心も身体も浮き足立っているのです。これからどうなるのか、どうされるのか、期待に胸が高まります。きっと私にはマゾの資質があるのでしょう。こんなに怖いと思っているくせに、都築くんを怒らせたいと思う気持ちも実は常々持っているのですから。
 どうしようもない自分に呆れつつも、それを全てお見通しの高校2年生の彼の凄さについ次を待ってしまいます。

「一体どうしたいんだ」
 分かっているくせに必ず相手の口から言わせるのはあなたの性格ですか。それとも私が相手の時だけでしょうか。そうですね‥、女性にはきっと優しいのでしょうね‥。
「あの‥さっきから、あなたが欲しくて堪りませんでした」
「ふーん、俺が?」
「そうです。私が欲しいのはあなただけなんですから」
「それにしては随分と気持ち良さそうだったが」
 それまで表情の一切を変化させなかった都築くん。それがこのときだけほんの少し右の眉が動きました。やはりここら辺が原因なのですね。
「すいません‥。まさかこちらのことまで考えてくれるような相手だとは思いませんでした」
「言っただろう。会長はお前が気に入ってるからまた抱きたいって言ってきたんだと」
「でっでも、やりたいだけかと‥」
「ああ、本音はそうだろうな。でも下条先輩はお前に完璧に惚れている」
「だけど、私が抱かれたいのは都築くんだけなんです」
「そう思うなら何故言いつけが守れない? 抱くなら守ったらだと条件を出しておいた」
「だから、だからちゃんと下条くんには抱かれました」
「そうだな、それは言う通りだったな。だが俺はもう一つ言ったぞ。忘れているのか」
「お‥ぼえて‥ます」
「覚えているのなら、今日はここまでだ」
「そっそんな! 他の男の相手なんて御褒美がなければ今後出来ません」
「俺に抱かれることが褒美なのか」
「そうです」
「なら何故言いつけが守れないんだ。下条が相手でもあれだけ感じているのだから別にいいだろう」
「で、でも。触られたら誰でも反応してしまいます」
 都築くんは私のその言い訳を聞いて、ニヤリとしました。

 今日は都築くんの学校の先輩、生徒会長をしている下条くんという生徒に会ってきたのです。下条くんと会うのは既に3度目でした。彼の父親は日本の財閥と言われる中の五指に入る企業のトップで、どうやら裏にも顔が利くようでした。この界隈の暴力団員で彼の父親の顔を知らないものはいないのです。その嫡子である下条くんを取り込んでおけば何もかもに融通が利きます。都築くんはそういう重要で、男に興味がある人物全てに私を貸し出していました。
 もう一度抱きたいと思わせろ、と命令していたにもかかわらず、俺に抱いて欲しいなら一度もイくな、と酷いことまで言ってたのです。しかしそれはそれほど難しいことではなく、やれたらいいと思ってる相手は私のことまで気遣ってくれるようなことはなかったのですから。
 それが‥下条くんは違ってました。他の生徒のようにただ突っ込むだけではなく、私もイけるようにしてくれました。それを見ていた都築くんは、自分の言いつけを守らないでイってしまった私のことを蔑んでいるのです。

「そんなに簡単にイけるのか」
「あなたが見てるなら」
「なら自分でやってみろ」
「えっ‥」
「ちゃんと見ててやる」

 自分で都築くんが見てるならイけると言ってしまったのです。後悔しても遅いのです。都築くんは口に出して言ったことは絶対なのですから。
 私は床に座り込むとズボンと下着を降ろしました。自分で自分の物を掴みます。本来、自分でしてもそんなには興奮しないのですが、やはり都築くんがそばにいる、見ている、と思うとまったく違います。それだけで充分に興奮してしまいます。このはしたない姿を見られている、と思うだけで頂点に登りそうです。
「自分だけイっても寂しいです。お願いですから都築くんを下さい」
 都築くんも私の自慰などみても楽しくないと判断したのでしょう。しかも簡単に達してしまいそうですし。彼の好きな意地悪にはなりそうにもありません。

 それまでずっと立って見ていたのに、少し腰を屈めるとシャツのボタンを上の方だけ外しました。そして尖った所を摘みます。
「ん‥‥」
 都築くんに触ってもらえた、それだけで身体が震えます。
「ピアス‥付けるか?」
「や、です。早く‥あなたを下さい。もう何時間も待っているのです」
「まだ抱いてやるとは言ってないぞ。使い物になるようにしてみろ」
 こちらから言いつける形になってしまってムッとしたのでしょう。都築くんは首に残っていたネクタイを引っ張り上げました。

「はっはい」
 それでも抱いてくれそうな雰囲気になってきました。私は喜んで都築くんのモノを銜えました。彼のモノは大きすぎて口中にスッポリとは収まりません。それでも頑張ってしっかり勃ち上がらせなければ、こんな所でも彼は帰ってしまいます。
 必死で彼を頬張ります。けれどこの幸せにまた自分だけイってしまいそうです。この右手を少し動かせば‥、彼のモノをしゃぶりながらイけるのです。それもまた極上の幸福‥。
 しかしそんな私の状態もお見通しなのか時々ネクタイを引かれます。その度に陶酔から冷め、自分だけが達しないよう気を引き締めます。
 彼は一番敏感な所を舐められていても、表情が変化しないのです。冷めた表情で私を見下ろしているだけなのです。
 いつか‥いつかきっと、私だって気持ちいいと言わせてみたい、言わなくてもそういう顔をさせてみたい、と儚い望みも抱いてしまうのですが、そんな顔をした都築くんは都築くんらしくないとも思ってしまいますね。

 いえ、今日は都築くんに抱かれることだけを考えましょう。

 もうあなたなくてはいられないのです。

終わり


 もうこのイラストを最初に見せて頂いたときは、倒れるかと思いました。だって、だって、なんて虎王先輩なのかしら、と。(笑)
 鬼畜で俺様で、だけど高貴で紳士で。なんて先輩らしい‥。このイラストのおかげで笹原コーチと先輩の関係はより鮮明になりました。本当にこんな素晴らしいイラストを描いて下さってありがとうございます。
 コーチのシャツなんて凄いですよね。ストライプが全部手書きなんですよ! どれほどの時間を割いて頂いたのか。今回頂けてほんとによかったです。このまま日の目を見ない、なんてことになったら勿体な過ぎて勿体ないお化けが出ちゃいます!!
 ブレザー姿の先輩も初めて見せて頂けました。このイラストがなかったら、実はあの「制服」という話しは書けてなかったんです。(^^;;;
 先輩のイメージをググーンと膨らませてくれたのはこのブレザーな制服で君臨する王者の姿でした。ほんとに何度御礼を言っても言い足りないです。粉雪さんのサイトがあるうちにもっとこちらから紹介してもっと沢山の人に見てもらえる事が出来たなら‥、と凄く後悔してます。もう少しみんなからの反応があったなら‥。寂しい思いをさせてしまって本当にすいませんでした。
 でもこれからもこのサイトある限り、粉雪さんのイラストを飾らせて下さいねv ほんとにお疲れ様でした。

 イラストは一年以上も眺めさせて頂いていたにもかかわらず、このシチュへ持ってくるのは大変でした。(^^;;; すんません‥あんまり綺麗にこの情景に持ってこれてないですね。もうちょっとエロく書けるかと思ったんですが、素敵なイラストを描写するのが精一杯でした。描写も力がないのでイラストのイメージをダウンさせてないといいのですが‥。ほんとごめんね。m(_ _;)m
 でもこの素敵なイラストに話しを付けさせてもらえて幸せです。どうもありがとうございますv

 注:siesta様閉鎖に伴いこちらにアップさせて頂きました。04/6/25

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