「あっ、なっちゃん今日はいた!」
おばさんに挨拶して、いつものようになっちゃんの部屋に勝手にあがった。なっちゃんは前に言ったように自動車学校へ通っていて、あんまりいない。自動車学校へ行ってしまうと7時には到底帰ってこれない。
でも前と違って、行く先が分かっているからそんなに不安じゃない。ただ、やっぱりちょっと寂しいけど。
だからこうやって顔が見れると嬉しさがすっごい大きくなるんだ。
「今日は予約が取れなかったんだよ」
あれから一ヶ月がすぎて、誕生日が過ぎたなっちゃんは実技が始まったと言っていた。車に乗るのは予約を取らないといけないらしくって、夕方は倍率が高くて取りにくいんだって。
お姉ちゃんがビックリしてたけどね。
「名月(なつき)先輩、さっすが余裕。三年生ってみんな血走ってるんじゃない? でも学校にばれたら停学とかじゃないの?」
なっちゃんにも聞いてみたけど、さあ? って首を傾げただけで、全然気にしてなかったよ。いいのかなぁ。
「予約取れなくてよかった。俺ね、これ、レベル70まで上げちゃった」
鞄からPSPを取り出すと、今はまっているゲームを表示させる。なっちゃんと一緒にやり始めたんだけど、待ってる時間にレベル上げに励んでいたら凄く差が付いちゃった。
「あーっ、お前一人で進むなよ」
なっちゃんも机からPSPを取ってくると、俺と同じゲームを表示させた。
このゲームはパーティーを組んでダンジョンを進むタイプで、一人でも二人でも四人でも遊べるんだ。普通は自分の他はプログラムだけど、これは通信しながら他の人も参加出来る。たくさんでやれるから、友達同士で遊ぶのが楽しいゲーム。だからクラスの友達ともやれるんだけど、なっちゃんと一緒に買いに行って決めたから、やっぱりなっちゃんと一緒にクリアしたい。
「ちえっ、お前に守ってもらうなんて屈辱」
「だってレベルが違うんだもん。しょうがないでしょ」
レベル70の俺はレベル44のなっちゃんを守りながら洞窟を進んでいる。謎解きとか、迷路とかはなっちゃんの頭があれば楽勝だし、俺は時間があるからやり込んでレベル上げ。そんな感じで今のゲームは進んでいた。
でも最近はゲームに掛ける時間がとっても少なくなっていた‥。だって‥、なっちゃん、ゲーム進める気がないんだもん‥。
「よし、一段階進んだから今日は終わり」
「ええーっ、もう? こんなことしてると俺、レベル100行っちゃうよ」
文句を言う俺になっちゃんはニヤリとした。
ヤバイ。
俺は慌てて両手で耳を隠す。
「一時間ゲームに使ったからな。今度は大人の時間に付き合う番だ」
耳を隠しながら、後ろへずり下がる俺をなっちゃんは捕まえる。そのまま抱き上げられてベッドまで連れて行かれちゃった。
「なっ、なっちゃん」
一生懸命抵抗してみるけど、なっちゃんは離してくれない。でも両耳から手をどかさないでいたら、腰を抱き締め、頭の後ろにも手をやってキスが先に来た。一度口先を合わせてから再度離す。
「キスはイヤじゃないんだろ? だからあーん」
まだキスすることに慣れなくて、なっちゃんが言うように自然に口を開けることが出来なかった。その度になっちゃんは最初みたいにあーんしろって言うんだけど、キスって大人のすることと、あーんって子供に対することがちぐはぐで変な気分。
だけど今は開きすぎることもなく、きっと丁度いい開き具合。なっちゃんの口とぴったり合うもん。そのぴったり合った口になっちゃんの舌が侵入してきて、俺の舌を追いかけ回す。なっちゃんの舌がぬるぬると擦れると、くすぐったくて身体が震えた。
身体が勝手に動くからずっと耳に手を当てているのも難しくて、なっちゃんの肩に掴まる。するとそれに気付いて、なっちゃんは俺の手を持って首の方へ引っ張る。
味気がないからお前もちゃんと抱き付けよ、とはなっちゃんからのお言葉。だって、なんか恥ずかしいもん。大人のドラマみたいじゃない? それを俺が? って思うと凄く変な感じで恥ずかしい。
でもなっちゃんに怒られるのはイヤだったから、おずおずと両手をなっちゃんの首に回した。そうすると間に何もなくなって、もっとぴったりとくっついた。口も身体もなっちゃんとくっついて、逃げ出したいって思うくらいに熱い。なのにそれが離れるとちょっと寂しく思っちゃうのはおかしいのかな。
なっちゃん、大好きなのに。
ずっとなっちゃんと一緒にいたいのに。
彼女が出来るまで‥彼女の代わりに大人の付き合いするのかな。
ほんとはね、真剣に考えると泣けそうになっちゃうんだ。
「おい、亜沙人(あさと)。キスの最中に他事考えてんなよ」
なっちゃんはふいっと口を離すと、息が掛かる距離で話しを始める。
「えっ、どっどうして」
違うことを考えていたのを当てられて焦っちゃう。
「キスに身が入ってない」
「ごめんな‥さ‥? ‥ねえ、でもキスしてる間って何を考えればいいの?」
焦っていたからすぐに謝りかけて、でも何を考えればいいのか疑問に思って質問したんだ。
「そりゃ決まってんだろ。俺のこと考えてりゃいいんだよ」
「え、でもなっちゃんのことは考えてたよ」
「じゃあ、なんであんなに気が入ってないんだよ」
「気が入って‥ない?」
「そう、気が入ってない。上の空だったろ。真剣にキスしてりゃ俺のやったことに一々反応があるはず」
でも充分くすぐったかったし、身体も熱いし、一体なっちゃんは何が不満なんだろう。
「反応してなかった?」
「だからさっきから言ってるだろ、上の空だった」
あんなにくすぐったかったのに、凄く変な感じはいつもと同じだと思ってたのに、この大事で大切な時間を潰しちゃったなんて。
「ごめんね、でもなっちゃんのこと考えてたのはほんとだから」
「お、それなら俺の何を考えていたか言ってもらおうか」
「えっ、そっそれは‥」
せっかくなっちゃんがいるのに寂しい思いはしたくない。ごまかすため、考えもなしに適当なことが口から出る。
「大人の時間ってキスのことかなぁって」
最初は話しにくい、と言うか話せないことだったから、下を向いていたんだけど、ごまかせたかなと様子を窺うためになっちゃんの顔を見たらバッチリ視線が合っちゃった。なっちゃんは例のターゲットロックオンの顔をしていて、凄く不味いことを言っちゃったんだと後悔した。
なっちゃんは軽いキスをすると、ごまかせた方が良かったのか、悪かったのか分からない俺の質問に乗ってくれちゃったのだった。
「お前も大人の時間に興味が沸いてきたってことか。俺がバッチリ大人にしてやるから心配するな」
ええっ、なっちゃんにそうやって断言されると大人になんてしてもらわなくていい、って言いたくなっちゃう。ほんと怖いんだから。
でもなっちゃんは前の時も思ったけれど、身構えているのが拍子抜けするような所から初めてくれる。それは俺に合わせてくれてるからなのかなぁ。
「お前さ、射精したことある? まだかと思って聞いてないが」
「ううん、そんなのない」
「射精は知ってるよな? 5年で習っただろ」
「うん、保健の時間に習った」
「それじゃ夢精は?」
「それもないよ、ってどうするの?」
「夢精は朝起きたらパンツに出した物が付いてる。なんか粘るもんが付いてたことある?」
「ない」
「まだ精通してないとなると、自慰も難しいな」
「自慰って?」
「自分で慰めること。オナニーとかマスターベーションとか聞いたことあるだろ」
「あ、ある‥にはある‥けど」
俺の友達は類友で女の子のこととか、エッチなこととかまだ興味がない。だからその手の話しはあんまり出たことがなくて。言葉はなんとなく知ってるけど、きっちり理解してるかと聞かれれば、そうではなくて。
「簡単に言えば自分で自分のちんちんを扱くことだ」
なっちゃんと向かい合わせで抱っこされていたのに、反対側を向かされる。いつもの格好になってホッとする。
いつもね、勉強を教えてもらうときは、なっちゃんの膝の上なんだ。なっちゃんはあぐらをかいて、俺はその上に乗っかって。完全に腕の中なんだけど、なっちゃんとは身長がもの凄く違うから困ることはなくて。
なっちゃんは身長の差が20センチになったらこの体勢はもう無理、って言ってるからあと1年か2年くらいかな。4月の身体測定で149センチだったんだよね。俺だって頑張って伸びてるんだから。なっちゃんの180センチには追い付けないとは思うけど、160センチは超えたい。
ホッとしたのに、なっちゃんは後ろからとんでもないことを仕掛けてきた。
「ヤダッ、なっちゃん何するの?」
なっちゃんは俺のズボンとパンツを脱がせちゃったのだ。
「ま〜だ、可愛いな」
なっちゃんは俺の肩に顎を乗せ、後ろから覗き込んでおちんちんを見た。それからなっちゃんは可愛いと評価した所を握ってきた。
「ええっ、なっなにするの」
「だからさっきから言ってるだろ。自慰」
自分でするから自慰、って言ってたじゃん。そう言おうと思った言葉は出てこなかった。だって耳を触られたときの何倍ものくすぐったさが俺の身体を走り回ったから。
「え‥、やっ‥。なに?」
「大人になりたいんだろ? 大人の階段登る〜って感じだな」
なっちゃんの手はムニュムニュと揉むように動いている。
この感覚が何なのかが全然分からず、なっちゃんの腕を握り止めようと抵抗してみる。でもなっちゃんの手は俺のそんな努力なんてちっとも気にせず、柔らかく揉み続ける。
「なっ、なっちゃ‥ん。変‥、変に‥なる」
おちんちんは一気に熱くなって、倍に膨らんだ気がする。
「お、いっちょ前に勃ってるじゃん。どうだ? 気持ちいいだろ」
「き、気持ち‥いい?」
「そう、気持ちいい。まだ分かんないか?」
「わっ‥、分かんない」
声にならない声がひっきりなしに喉から出てくる。なんだろ、これ。
「ひっ‥ひっ‥んく、んんっ‥変‥、変に‥なっちゃう」
腕の中で暴れる俺を抑えられないと思ったのか、なっちゃんは手を離した。それから耳を咥えてペロリと舐め、俺の身体が伸び上がったところで次の指示が出た。
「ほら、自分でやってみろ」
「ええっ?」
「自慰なんだから自分でやらないと意味ないだろ」
そっ、そりゃそうだけど‥。まだ息も整わない身体で、覚悟を決め自分のおちんちんを握ってみた。
「そう、それで皮を下へやるようにして、上下に扱く」
なっちゃんに言われたとおり手を動かすと、さっき触られた時よりもっと鈍いくすぐったさを感じる。
「やっぱ手のサイズが違うから自分でやった方がいいだろ?」
いいのか悪いのかは分からないけど、なっちゃんにされてる時に感じた逃げ出したい程のものはこない。
「そう続けて上下に動かす。それがシコシコやるとか、マスをかくとか言われてるオナニー。こればっかりやってると右手が友達とか言われちゃう」
なっちゃんの解説に納得する。漫画とかで所々疑問だったのが埋まった感じ。
「皮が捲れてないと包茎ってバカにされるから、脱包茎の訓練も兼ねてるって思えばいい」
ついでに風呂でもめくって洗ってるか? と聞かれ頭だけで頷いた。
なっちゃんとはお風呂だって一緒に入っちゃう。夏は暑いもんね。学校から帰ってすぐだと二人とも汗だくだったりするから、なっちゃんのお母さんが汗を流してきなさい、って言うんだ。で、その時に言われたことはちゃんと守ってるよ。
「色んな場所を色々な触り方して、一番気持ちがいいと思えるやり方を自分で見つける」
ただただグッと握り締めていたのを、なっちゃんが最初に触ったようにやわやわと揉んでみる。
「普通はこの辺がいいと感じる」
そう言いながら、もう一度なっちゃんは手を出してきた。
「ひっ‥」
なっちゃんに触られると、どうしてこんなに身体が揺れるんだろう。先っちょのちょっと膨らんだ所より下の部分を触られてずきんとした。
んっ‥、んんっ、ずきんって痛いみたい。ずくん、って感じの方がぴったりかな。
「ほら、気持ちいいだろ?」
なっちゃんの手が引くと全然違うことしてるみたい。手本で示された所も触ってみるけど、気持ちいいって感じは相変わらず分からない。頭を振るとなっちゃんはちょっとだけ考えていた。
「よっこいしょ」
なっちゃんは俺の足の下に腕を通すと、そんな掛け声と一緒に立ち上がった。もちろん俺も抱っこしたままだから、結構体力いると思う。
それからすぐ近くにあるイスに腰掛けると、机の上のパソコンのスイッチを入れた。
「こら、手は休めない」
だっ、だって。いつまでこんな恥ずかしい格好をしてればいいの?
まだこれは続くのかと思うと泣けそうになる。身体は熱いままだし、握ってる所も凄く熱い。こんなの体験しなくていいのに。大人になるって訳が分かんない。
しばらく待って、パソコンが立ち上がると、なっちゃんはフォルダーを開き、何かのファイルを実行した。
「えええーっ、なっちゃん何これ」
なっちゃんはなんとエッチな動画を再生したのだった。女の人が素っ裸でおっぱいを揉まれている。こんなの見てどうするんだろ。
「自慰は擦るだけじゃ中々イけないからこういうのをおかずにする。よく言うだろ、夜のおかずって」
「見てどうなるの?」
「お前、ノーマルだろ。見たら興奮しないか」
「ノーマルって?」
質問したと同じくらいに画面の中の女の人が身体を震わせた。切羽詰まった声が何か感じてると分からせる。それを見た俺の身体も熱くなって、変な感じが広まっちゃう。
「ほら、興奮するだろ」
俺の身体が熱くなったことがなっちゃんにも分かっちゃったんだろうか。なっちゃんは続けて頭を混乱させてくれる。
「俺ね、ずっと自分のことゲイだと思ってたんだよね」
「ゲッ、ゲイ?」
「そう、ゲイ。これくらいは分かるだろ」
ホモとかと同じオカマのこと?
俺の反応が悪いと思ったのか説明が入る。
「ゲイってのは同性が好きな人間のことだ。例えば男なら同じ男が好きな奴のこと」
えっと、それがなっちゃん?
後ろを振り返ってなっちゃんを見れば、何故だか苦笑している。
「その顔。お前さあ、お笑いとかで出てるオネエ言葉使ってる奴のこと想像してるだろ。そうじゃなくて、普通の人でも、男でも男が好きだったり、女でも同じ女が好きだったりするんだよ」
ふーん、そうなんだ。でもそれじゃ、なっちゃんは普通に見えても男が好きってことなのかな。
その間も画面の女の人はさっきみたいな声をずっと出していて、その度に俺の身体も何かが走る。
「それに対してさっき言ったノーマルってのはごく普通に異性が好きな人間のことを、ゲイに対して示すときに使う。だからお前は普通に女の子が好きだろ」
好きか嫌いかって言われても困っちゃう。だって女の子の中に好きな人はいないし。今はなっちゃんしか好きな人はいないもん。
「まあ、分からなくてもいい。今このビデオ見て反応してるってことはノーマルなんだから」
「なっちゃんはゲイ‥なの?」
「そう、それでだ。この間試しに付き合ってみたわけだが、普通にセックス出来た。可愛いと言われるだけあって、裸を見れば普通に勃った」
「じゃあ違ったってこと?」
「いや、女でもいけるって分かっただけ。ゲイじゃなくてバイだったってことだ」
「バイ?」
なっちゃんは次から次へと新しい単語を出してくるからこんがらがっちゃう。
「バイは異性でも同性でもどっちでも行ける奴のこと。両刀とも言う」
「うーんと、それじゃなっちゃんは男も女も好きってこと?」
「ああ、それも実は分からない」
「ええっ、でも今バイだって」
「ああ、ずっとゲイだと思い込んでたから」
「だから同性が好きだってことじゃないの?」
「いやそうじゃなくて、俺はお前にしか欲情しなかったから」
「よっ、欲情?」
「そう、欲情。欲情ってのはその対象に興奮するってこと」
「えっ、なっちゃんは俺に興奮してる‥の?」
「ああ、平たく言えばそうなるな。本来、欲情ってのは色んな意味があるけど。俺はお前にしか欲情しなかったから、ゲイだと思ってたんだ」
俺にしか欲情しない。そう聞いた途端、意味はよく分かってないくせに身体のおかしさが増えてくる。
「けど言っとくが俺はショタコンじゃねえからな。お前が大きくなるのをずっと待ってるんだから」
なっちゃんはそう言いながら、俺を抱き締め首の下の方に口を付けた。
「えっ、なっ‥」
両手でしっかりと抱き締められ、なっちゃんの唇が首を上下する。そこが凄く熱い。身体が強ばって動けなくなる。
「お前も興奮してるだろ。俺が触ると感じる?」
「‥感じ‥る?」
「ほら、今ちょうど画面の姉ちゃんがイっただろ。これは性的刺激で快感を感じて興奮し、身体が高まって頂点に達したわけ」
画面では足の間に指を入れられたお姉さんが、ビクビクと痙攣を繰り返していた。なんか‥興奮するって言うのが分かった気がする。俺の身体も熱くなって興奮しているってことなんだ。
「性感帯を刺激し続けるとそれが溜まって一気に爆発するんだよ。性的に刺激されることを単純に感じるって言うの。お前さ、くすぐったいって言ってたけど、それは本当にくすぐったいのと、性的刺激で感じてるのと両方あったんだよ。区別付く?」
なっちゃんは説明するためか、また俺の耳を舐める。そのまま後ろから裏側を舐め、両手はシャツをまくり素肌を触っている。凄くくすぐったいけど身体も熱くなっている。
「触られるとおちんちんがぶわって大きくなった気がするだろ。一々腰に響くって感じで」
「うっ‥うん」
「この刺激が溜まると爆発して、これが超気持ちいいわけだ。この感じるって感覚が苦しいような切ないような、お前的に言えば変な感じなんだろうけど、神経をイイ風に刺激されると気持ちいいってわけ。快感を感じるってこと」
そっか、俺ってなっちゃんから刺激を感じてるんだ。くすぐったいだけじゃなくて、性的刺激? を感じてるんだ。
「まだ射精もしてないからちょっと分かりにくいかもしれないけど、ほらもうすぐだ」
なっちゃんはまた画面を指さす。話しながらも見ていたけど、お姉さんの足の間におちんちんを突っ込んでいた男の人は、びっくりするくらい素早く腰を振っている。
「こういう場面を見てると自分の腰も揺れてくるだろ」
言われてハッとした。いつの間にか握った所を擦りながら、それに併せて腰が動いていたのだから。
そっか‥、これが気持ちいいってことなのか。
「なっ、快感を追いたくなるだろ」
「‥うん」
腰を振りながらお姉さんの身体も弄っていた男の人は「出すぞ」と言った。
それからお姉さんの身体からおちんちんを引き抜き、なんと顔に向かって白い液体を吐き出した。男の人もちょっとがくがくしてる感じ。
「これが射精。爆発したところ。色んな刺激と快感を寄せ集めると爆発する。射精してみれば分かるけどこれを目指して男は突っ走る」
達する、とかカタカナのイで、イくとも言う。となっちゃんは補足説明も入れながら最後まで解説してくれた。
「だから俺が触って感じると俺が悦ぶってこと」
どうしてなっちゃんが喜ぶの? 質問したかったけど、そこまで言うとなっちゃんは無理に後ろを振り向かせ、キスしてきた。ずっと興奮? してて身体中が熱いのに、なっちゃんの舌が俺の舌に絡んだらもうダメだった。どうかなっちゃいそう。くすぐったい、じゃなくて感じているってことらしい俺の身体は、どこもかしこも熱くて熱くてほんとに逃げ出したい。
なのになっちゃんは最後の止めを刺す。
俺の手の上に手を重ねてきたのだ。
ダメだって。何度も言ってるけど、途中からの攻撃力アップは違反だって。
自分の手で鈍い刺激を送っていたのに、直接触れているわけでもないのに、どうしてなっちゃんが触ってるだけでこんなに違っちゃうんだろう。第一、重なった手だって熱いんだから。どうしろって言うんだろうか。
なっちゃんの手は俺の手を伴い、かなりのスピードで動き出した。舌も絡まって熱いのに、腰もおちんちんも熱くてどうにかなる。
「なっ‥んんっ‥、ふぅ‥ん‥。なっ‥ちゃ‥んっ」
捩れた体勢も苦しくて、どこもかしこも苦しくて、でもなっちゃんが言うにはそれは快感で。証明するように揺れる腰は自分では止められない。
「ああっ‥、なっ‥なっちゃん、おかしく‥なるっ」
本当に逃げ出したくて、なっちゃんから口を離した途端、俺の身体は痙攣したようにビクビクと震えた。そう、爆発したんだと思う。
でもまだ精通してない身体では目に見えて何かはなく、痙攣してる腰が重い。そこから広がる甘酸っぱい感覚が達したことになるんだろうか。
一瞬、意識が飛んでいたみたい。気が付いたらなっちゃんに必死になってしがみついていたから。
「どう? 気持ち良かった? また追いたいと思うか」
なっちゃんは俺の頭を撫でながら、ニッコリとした。
「な、なんか凄かったけど自分では‥しなくていいって感じ‥かな」
まだしがみつく手を離すことも出来ず、素直に感想を述べた。
「それは俺にされるのはいいってことか?」
なっ、なっちゃんにされるなら、たまにはあってもいい‥って思える。でもそれを言っちゃうと、またしょっちゅう虐められると困るから内緒。なんたってなっちゃんは嫌がることするのが大好きだから。
「分かんない」
「なんだよ、お前。分からんってことないだろ」
ブツブツと文句を言ってたけど、怒ってなかったからいいや。
それよりも「俺もイかせて」と言われ、なっちゃんのおちんちんも握っちゃった。大きくて硬くて俺とは大違いでビックリだよ。見たことはあっても勃起してる所は知らないもん。それになっちゃんは画面で見たのと同じように射精したんだよね。なっちゃん、そんなに触ってないのに、感じた? のかな。
それから残りの一時間はちゃんと勉強してうちに帰ったんだ。なっちゃんは別れ際にも変なこと言ってたけど。
「これから自分でするときは、俺に触られてるのを思い出してしろよ」
一応、頷いてはおいたけど、自分でなんてしないってば。あんなの、おかしくなっちゃう。
で‥でも、なっちゃんと一緒なら‥したい‥かも。
|
10/04/25
|