何を耐えるのが一番辛いのか。 考えればすぐと答えは出る。射精することを耐えさせるのが一番楽しいだろう。 それから俺は終電までの限られた時間で出来るだけ楽しむために、今までやっていたことを変えた。 虐めて楽しむ、この最大限の欲があるので十分に勃つ。まず奉仕させるのを止めた。そして自分で拡げるのも止めさせた。俺がやってやる方が笹原は興奮する。ついでにいいところを狙って煽ってもやれるので都合がいい。 一番気持ちがいい、と言わしめた方法で1回はイかせてやる。少しくらいは餌をやらねばどんな生き物だって死んでしまう。それから入れて欲しいかどうかを訊く。 笹原の後ろはすっかり開発されて突っ込まれることはかなり悦びを感じるようだ。迷わず入れて欲しいと返事が来る。 いいところを突きながら、笹原のモノを扱く。イきそうになってるのがわかる。 「俺がいいって言うまでイくな」 そう言っても俺は快感を与えることを止めるわけではない。ずっと与え続けてなお耐えさすのだ。 また笹原は必死になって耐える。眉を切なげに寄せ、口を引き締め、手はシーツを掴んで耐える。性的快楽は別に耐えなくてもそれだけで充分苦しい。快感を味わうだけでもかなりの気力と体力を使う。それほど快感と呼ぶ刺激はきついのだ。 それなのにその上それを耐えるのだ。一体どれだけの苦痛に似たものがこいつの中で暴れているのだろうか。他人事のように見てるだけの俺は楽しくて仕方がない。泣きが入るまで嬲る。 「はっ、あぁっ‥もう、‥お願い‥です。‥イきま‥す」 珍しく、でも待っていた泣きが入る。いつも必死さはあったものの俺の言うことは何とか守っていたのに。 でも俺はまだ許してやらない。 「まだだ」 笹原は我慢するのに身体中に力を入れる。当然、尻の筋肉も使う。すると俺を銜え込んでる口も締まってくる。 「おい、きついぞ」 言われてすぐそこを緩める。しかしまたすぐに締める。 「コーチ、俺の言うこと分かってるか?」 またそこは緩むが、俺は刺激を与える全てを緩めてやらない。苦しげに唸るときちきちに締まる。 「おい」 「でっ‥でも、でっ‥出て‥しまう」 力を抜くと出てしまうのか。 笹原は何度でも緩めたり締めたりして、出そうになり息を詰め、力を入れて我慢する。1人で必死になって出そうになるモノと戦っている。 その苦しいほどに悶えてる姿は酷く俺を満足させる。俺のドロドロと湧いて出る虐げたい欲求が満たされていく。こんなに興奮し、燃え上がったことはない。こんなに楽しいことは止められない。 笹原も頑張っていたが、俺も頑張る。中を突き上げ、外を擦る。痛いくらいに口が締まる。 「き‥つい」 必死になって緩めた瞬間、笹原は我慢していたモノを放出した。 「ぁぁっ‥ん‥っ‥っん」 今までにない激しい痙攣が、長々と続く。出る度にそこで止めようとしてまた笹原は頑張る。しかしそれは刺激を長引かせるだけだった。 「気持ち良かったか?」 「すっ‥すい‥ま‥せん」 荒い息を付きながら謝る。 「俺は気持ち良かったか、と訊いたんだ」 「はっ‥あっ‥、くっ苦しい‥くらいに」 まだ小刻みに震えている。俺がさせたんだが、相当我慢していたらしい。 「良かったんだな?」 「‥はい」 「じゃあ、今度からこの方法でする」 「そっそんな‥」 かなり辛かったのであろうか。滅多に逆らわない笹原は珍しく言い淀む。 「気持ち良かったんだろう。それに俺の言うことを何でも聞くと言っただろう」 「でっでもこれは辛いです」 「女に負けないほど気持ち良くしてくれるんじゃなかったのか」 「‥都築くんが気持ち良かったんですか?」 「そうだ。必死で耐えてる姿は堪らなくそそる。そこら辺の女じゃ適わないほどに」 初めて自分がいいと言われた笹原の目が活気を帯びる。 「都築くんが良かったのなら‥頑張って耐えます」 笹原ははっきりと約束した。 それから何度も楽しんだが、笹原も我慢するコツが分かってくる。そうなるとやはり次へ行きたくなる。自分が全て付き合っていると、こっちが保たなくなってしまうので少しやり方を変える。 手と指だけで一度抜いてやったあともギリギリまで嬲る。それからもうすでに限界に近いくらいの笹原に突っ込むのだ。 そうなると笹原は堪らない。俺が楽しむ暇もなく果ててしまう。 「コーチ、もっと頑張らないと面白くない」 「でっでも‥」 これ以上は無理なのだろう。しかし無理だと言ってしまえば俺との関係は終わる。これは今までに経験してきたことなので痛いほど分かっているのだろう。言うことを聞けない奴には未練がない。ここまでの関係になったって俺はあっさりと別れられる。それを笹原は知っている。 笹原は考える。 「今度からはもっと頑張れるようにします」 何を考えついたのか、そう断言した。 「‥はぁっ、もう‥ダメっ‥です」 その次に来て、いつも通りにすると、また我慢しきれずにイきそうになっている。 「もっと我慢するって言ってただろう」 「だっだから‥、縛り‥ま‥す」 ん? 縛る。 「こっこれ‥で」 笹原は耐えながら枕元においてあったゴム紐で自分のモノの根元を縛った。 「出ないの?」 「たっ‥多分」 「自力で我慢させるのが楽しいんだけど」 「でっでも‥」 「分かった」 そこまでして苦しい思いをしたいなんて、俺がサドなら笹原はマゾだな。 屹立して怒張したモノは、縛られてより一層赤黒く充血する。パンパンに張ったモノを擦り上げてやる。 「‥ああっ」 ふん、いつもより反応がいい。これは結構いける。慣れてきた最近は少し欲望が減ってきていたが、またなみなみと蘇ってきた。 「ふーん、いいじゃん」 苦しそうな中で、一瞬安心した顔を見せる。 期待に応えて今度は解いてくれと泣きが入るまで嬲ってやろう。 でも笹原は耐えた。何度も絶頂を味わい、身体を震わせ、脂汗を浮かし、健気に耐える。縛ったモノの先端からは我慢汁が絶え間なく流れ続ける。俺はそのそそる姿を見て3回イった。初めてだった。 しかしそれ以上は俺がもう無理だった。 堰き止められていたモノを解放してやる。 グッタリとするまで吐き出すと、酷く満足げだ。 これはまたしばらく楽しめそうだ。笹原から解いてくれと言わせるまで嬲ってやろう。それにはもっと手が欲しいな。後3本有れば笹原を降伏させられるのに。笹原のいいところを全て弄ってやれるのに。 俺と笹原の関係はピッタリ合った嗜好のため、離れることはなかった。まあ、笹原の方は嗜好じゃなかったのかもしれないが。 俺は高1になっていた。 冬哉とは、小5の狼帝が同じクラスになって家に連れてきたときに初めて会った。程々に整った顔立ちになんと言っても愛嬌があった。つい構って可愛がりたくなる何かを持っていた。 その時冬哉は中2だった。なぜだったかはもう忘れたが、狼帝はいなくて冬哉だけがいた。冬哉は少し悩んでいた。自慰はするものかどうかを。 俺はアダルトビデオを一緒に借りに行き、それを見せた。冬哉の可愛らしいモノはちゃんと勃っていた。 そこで後ろから抱きかかえるようにして、冬哉のモノを慰めてやったのだ。 初めて擦り上げたときの冬哉の声。横顔。 初めて虐めることを覚えたときのように、俺のペニスが脈を打って暴れた。 あまりにも可愛らしかった。 つい、興奮した俺は我を忘れた。冬哉が達した後もまだ手が動いていた。冬哉は出したことだけでもかなりの衝撃だったのに、俺のしつこい行為が驚異だったのだろう。 恐怖が浮かんだ顔で俺を見る。笹原にはそんな顔をされたことがなかったのだ。笹原はよほど俺を引き止めることに必死だったのだろう。その時やっと分かったのだ。 そして冬哉と笹原が違うことを理解する。焦ってはいけないと自分を叱った。 冬哉からして欲しいと言わせなくては。俺はそれまでいい先輩でいなくてはいけない。冬哉から寄ってくるような。 俺は2年越しの計画を立てた。そのためには学校も牛耳らねばならない。笹原をその計画のために道具のように使った。 冬哉が欲しかった。どうしても。 俺の前で喘がせてみたかった。 羞恥に震えさせたかった。 そして高3になり、念願が叶ったのだ。もう土曜日のクラブ通いも止めた。土曜だけは家にいなくてはいけない。冬哉がやってくるのだ。 冬哉は可愛らしく、俺が望んだとおり自分からして欲しいという。 しかも状況も素晴らしく良かった。狼帝が加わり、そこに鷹神と龍将も加わった。冬哉には他では絶対に味わえない快感と快楽を与えてやれたのだ。 俺は欲しかったものが手に入り、やりたかったことがしてやれて、これ以上はないくらいに満足だった。 笹原はどうなったかって? 冬哉が手に入っていらなくなったが、まだ使えることがあるので適当に餌はやっている。しかし別に逃げていっても構いはしない。 俺は追いかけない。だがきっと逃げてはいかないだろう。俺が離れろと言わない限り。 −−終わり−−
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