裏切りと期待          





        「これはヒューズ准将殺害の件に絡んできます!」







        そう言い放ち、覚悟を決めた。

        ここで正体を現すとは思えない。



        大勢の将軍達の目が自分に集中する。









        ふ…こんな輩の中に一人で来る私も馬鹿なのかな…?







        「マスタング大佐…それほどまで言うのならその確証を見せて貰おうか…」

        「確証はありません。ですがこれから必ず掴んで見せます!」



        「確証のないのにこうまで言い張るのかね?」

        「思いあがりもいい加減にしたまえ。」

        「大体大総統閣下が直々に選んだ秘書官に難癖をつけるとは!」





        わいわいと騒ぎたて一斉にロイを非難する。

        煩いハエどもが…私の相手は貴様らではない…



        「大総統閣下はどう思われますかな…?」

        東方司令部の将軍がブラッドレイに問いかけた。

        他の将軍とは違い、落ち着いた、冷静な口調で…



        まるでロイの意思を読み取ったかの様に。





        「フム…大佐のこれまでの功績を考えればその言葉信用せんでもないが…」

        にやりと笑いながら席を立つ。

        その動作一つ一つに緊張が走る。





        いつ…その本性を現し、今ここにいる者全員を死に至らしめるか分からない。





        あなたは…本当に…?



        シャッと会議室のカーテンを開け、日の光を部屋に入れた。

        その光がロイの顔を照らす。

        白い肌が光に反射し、より一層の色気をかもし出す。





        「そこまで彼女が怪しいと言い張るなら、その言葉信用させるだけの努力をしたまえ。」





        コツコツとワザと靴音を立てながら再び中央の自分の席に戻り腰を下ろす。

        ロイはぎゅっと眼を瞑りながら、大きく息を吸い右足を一歩前に出す。



        「マスタング大佐…」

        思わず声をかけた東の将軍に、ロイは優しく微笑んだ。





        そして視線をブラッドレイに向け直すと将軍達が座る机の真ん中へと進んで行った。



        パチンとボタンが外される音。

        ぱさっと衣服が床に落ちる音。





        そしてゴクリと喉がなる音…





        一糸纏わぬ姿で将軍達の前に立つ。

        舐め取るような視線に身体が震えていく。





        「何の真似かね?」

        ブラッドレイが全裸のロイに冷たく問いかけた。

       

        何の真似…?

        自分がそうさせたくせに…?



        あくまで私自身の口から言わせたいのか…





        「私の、軍の上層部であるあなた方に対する忠誠心を示したまでです。閣下…」

        

        多くの目がロイの身体を突き抜けるのをひしひしと感じている。

        それだけで身体が紅潮していくのがわかる。



        身体が熱く感じてしまう…



 

        「成る程。ではその決意、試させて貰おうか…」

        パチンとブラッドレイの指が鳴ると、真っ先に立ち上がったのはハクロ将軍だった。



        蜂が甘い蜜に誘われるように真直ぐロイの傍へと近づいていく。

        ロイの身体から放たれる甘い媚薬に吸い付くようにその肌に舌を這わせていった。



        引き締まった腹筋から徐々に上へ。

        胸の突起を軽く噛み、舌で転がしロイの反応を楽しむ。

       

        声を殺してその愛撫に耐える姿を見て、ハクロは満足げに笑っていた。



        更に上へ。首筋を舐め、その筋に添ってロイの顔を舐めまわす。

        ぎゅっと閉じている唇に到達すると、そこを無理やりこじ開け、中に舌を割り込ませた。

 





        「ふっんん…」

        微かに喘ぎながらその舌を受け入れ、ハクロの欲望に応えていく。

        ハクロが右手をロイの下腹部に伸ばすと、既にしっかりと起ち上がっているロイ自身がそこにあった。



        「準備万端だな。この色情魔め。」

        侮蔑の言葉を発しながら、ロイの陰茎をぎゅっと握り擦り上げた。



        「はっあぁぁぁ!!」

        キュッ、キュッと音が響き渡ると、それに引き寄せられる様に次々と将軍達が立ち上がって

        ロイの周りに群がっていった。





        背後から首筋にかぶりつく様に所有印を付ける男。

        ハクロと共にロイ自身を弄ぶもの。

        脇から手を伸ばし胸を弄るもの。





        ロイの足に力が失われていき、ついに膝を折り四つん這いに手を着いた。



        待ってました、と言わんばかりに、ロイの顎を掴み自分自身を咥えさせる。

        むせながらもそれを咥え、舌を絡ませ快楽を引き出させる。



        「んっっんんん!!」

        いきなり後ろに熱い塊を押し付けられたかと思うと、慣らす事無く突き入れられた。



        鈍い痛みとドロッとした液体が流れ出す感覚にロイの眉間は歪んでいく。

        ぐぐっと奥まで挿れられると、きゅぅぅとロイの肉壁がそれを締め付ける。



        ずるっと肉棒を引き抜くと、襞がそれを惜しむ様に纏わり着く。

        その感触に思わずイキそうになるのを必死で我慢して、再度突き入れた。



        「ひっあああああ!!」

        咥えていたモノも吐き出してしまうほど突き上げられ、ロイの身体がガタガタ震えだす。

        思わず頭を下げてその衝撃に耐えようとしたら、咥えさせていた将軍が髪をぐっと掴み頬を殴った。





        「我々への忠誠心を示すのだろう!?ちゃんと咥えんか!」

        はらりと垂れる漆黒の前髪から潤んだ瞳が覗く。

        手を添え、天を仰いでいる赤黒い凶器を再び口の中へと招き入れる。



        その間も後ろからは容赦ない突き上げがロイの身体を犯していた。





      



        二人同時に欲望を吐き出すと、すぐに次の将軍が開いた孔を埋めていく。

        我慢できなくなった一人がロイの揺れる陰茎に手を添え、それを咥え始めた。



        「ひっんん…はぁぁ!!」

        3方からの刺激に耐え切れず、甲高い悲鳴に似た喘ぎ声を上げ始める。

        声を上げる度に「ちゃんと咥えろ!」と殴られた。



        他の将軍達もズボンを脱ぎ捨て、自身から滲み出る液体をロイの身体に擦り付け始めた。

        何本もの手でそれが身体中に広げられ、まるで触手に犯されている様な感覚をロイに与えていた。





        何度も何度もイかされ、突き上げられ、欲望を飲まされ…





        それでもロイは満足しない…





        何故…貴方が来ないのですか…?

        





        無数の強欲達に犯されるロイを、ブラッドレイは机の向こうからただじっと見つめているだけだった。

        眉一つ動かさず、ロイの乱れていく様を眼に焼き付ける。





        何故ここまで身を投じられる…?

        お前は既に気がついているのだろう…?



        私のこの左目の事を…



        なのに何故…私に忠誠心を見せる…





        見せて…油断させるつもりか…

        私はそれ程愚かではないぞ…?





        「うっああああ!!」



        ロイの放つ官能的な喘ぎ声と共に、数人の将軍が力尽きる。

        荒い息をつきながらも、ロイは顔を上げ、ブラッドレイに視線を向けた。





        ガタンと音を立ててブラッドレイが立ち上がる。

        その音に他の将軍達がビクッと身体を震わせ、ロイの傍から一歩離れていった。

        ゆっくりと…隻眼の男がロイの傍へと近づいていく…





        部屋の中央で全裸のロイが身体中に白い液をこびり付け横たわっている。



        身体を起こし、近づいてくる最高権力者に顔を向ける。





        ブラッドレイはロイの傍らに膝を折り、扇情的に相手を誘うロイの顔をそっと撫でた。

        そのまま顎を掴み顔を上げ、震える唇にそっと触れる。





        「閣…下…」

        「お前の忠誠心…見せて貰うぞ…」



        そう呟き、再び唇を奪うと、今度は激しく貪る。

        舌を絡ませ、吸い付くようにその中を犯す。

        ロイもそれに応え、腕をブラッドレイの首に回してもっと激しく、互いの魂を奪い合うように口付けを交わしていく。



        ぴちゃぴちゃと音を立ててそのキスに没頭していく二人に、他の者が入り込む余地はない。





        徐々に下に移動していくその舌に、ロイは素直に反応していった。





        ゆっくりと仰向けに寝かせ、両足を持ち上げる。

        ズボンのジッパーを下げ、自慢のモノを取り出すと、何人もの将軍が吐き出してぐちゃぐちゃになっていた秘所に

        その先端をあてがった。



        迫り来る感覚にロイの身体が一瞬膠着する。



        ゆっくり、ゆっくり、その中の襞を確認するようにブラッドレイは前進して行った。





        「ふぁああああ…」

        身体をしならせ、ブラッドレイ自身を受け入れる。

        足を背後に絡ませ、もっと奥へと誘導する。



        根元までギリギリにロイの中にはめ込むと、その異物の違和感と圧迫感、それだけでロイは

                イッてしまいそうになった。

        



        「か…っか…早く…」

        「ふっ…堪え性のない奴め。」



        ロイの腰を掴み、ずずっと半ばまで一端引き抜く。

        あぁ、と呻き声を上げながら、惜しむように締め付ける。

        にやりと笑いながら一気に奥へと突き上げた。





        「ひぁあああああ!!」

        「さすが、よく湿っていて中々良いぞ。マスタング大佐。」



        ズッ、ズッと抽挿を繰り返し、その度にロイは狂ったように喘ぎだす。

        汗が飛び散り、前髪が振り乱れ…





        余りの淫猥な姿に尽き果てた将軍達でさえも身体の芯が疼いてくる。





        ブラッドレイの行為と他の将軍達との行為ではロイの反応は明らかに違っていた。

        突き上げられる度にロイの表情に至福の笑みがこぼれている。





        まるで愛しい人に抱かれているように…







        両手を背中に回し、自分の下に引き寄せる。

        未だ足りないとの如く、その唇を自ら塞ぐ。

        ブラッドレイはそんなロイの行動に、少し困惑しながらも、ロイの求めに応じていった。







        何故だ…マスタング…

        何故ここまで私に身を捧げる…?





        「はぁああああああ」

        一際甲高い声を上げ、ロイは身体を反らして痙攣し始めた。

        ブラッドレイはロイの陰茎を掴むとその腰の動きにあわせてリズミカルに擦りあげた。



        ギリギリとブラッドレイの腕に爪を立て、迫り来る絶頂に全てを開放する。





        「あああああ!!」



        ビクビクと両足を痙攣させ、自分の腹とブラッドレイの手の中に白濁の液を放出させる。

        同時にブラッドレイも小さく呻きながらロイの中に吐精した。

        





        ハァハァと息をつきながらそれでもしっかりとしたその瞳でブラッドレイを見据えている。

        その眼に引き込まれる自分を感じながら、ブラッドレイはロイの頭を引き寄せ唇を奪った。



        「ンッ…」



        情事の余韻を楽しむかのように、互いの舌を絡ませあい、優しく触れ合ったり、

        激しく求め合ったりとキスを交し合う。



        その光景はまるで恋人同士が別れを惜しむかのようでもあった…



        そしてその口付けも終えると、ブラッドレイはロイの中からも己を引き抜き、衣服を整えた。





        引き抜かれる感覚に顔を歪ませながらも、その眼を逸らす事無くブラッドレイを見つめ続ける。





        いいだろう…お前がその気なら信用したと思わせてやろう…

        どういう行動を取ろうとしても…私は全力を持ってそれを迎え撃つ。







        私の期待を裏切るか否か…

        ふふっ…裏切る確率は99%だがな…









        いや、ある意味そちらの方を期待しているのかもしれないがな…









        「マスタング大佐…これよりお前は准将として、北部国境遠征の指揮官に任命する。」



        その言葉に多くの将軍が驚き、そしてロイ自身も一瞬眼を見張った。

        だがすぐに小さく笑い、汚れた身体を起こして敬礼をかざす。







        「拝命…承りました…信頼に値する働きを致す所存…」





        ざわめく周りを気にもせず、ロイは散らばった服を集めて身なりを整えた。

        まだロイの中には大量の精液が残っている。服を着込んでもその感触が気持ち悪い。



        早く…こんな所から立ち去りたい…

        あなたのその期待に満ちた視線から解き放たれたい。





        きちっと軍服を調え、居並ぶ将軍たちに敬礼をかざす。

        殆どの者が鼻で笑い、変わり身の早さを軽蔑する。





        一人だけ…ロイの決意を見抜いた東の将軍だけが、ロイの敬礼に同じ様に敬礼で応えた。







        会議室を後にした時、どろりと後孔から流れ出る精液の感触に、思わず冷や汗が流れ出た。

        ドアの外でずっと待ち続けていたホークアイ中尉がとっさにハンカチでその汗を拭う。





        全てを知りながら何も言わずに着いて来た彼女に感謝をしながら、二人は司令部を後にした。











        

        会議は終わり、将軍達の席を立つ。

        ブラッドレイが立ち上がった時、東の将軍が声をかけた。





        「…何故指揮官に任命されたのです?いえ、何故マスタング大佐…いや、准将の挑発に乗ったのですかな?」

        他の将軍ならまだしも、何故あなたが…







        ブラッドレイは静かに振り向き、こう答えた。









        「ここであやつを抱かねば、もう二度と触れられない様な気がして…ね。」

        抱いてしまえば、あとは等価交換を交わすだけ。

        私とマスタングの間にはそれだけしかない。







        そろそろあやつとの事にも決着をつける時が来たか…





        窓際に立ち、外を眺めるブラッドレイの後姿は、何故だか清々しくも思えた。

        だがその表情をうかがう事は東の将軍には出来なかった。













        「随分大胆な事をしましたね。」







        ハボックが入院している病院内でロイは部下にそう言われ苦笑された。

        確かにそうだな。我ながら大胆な事をしたと思うよ。





        身を捧げたからといって閣下が自分を信用したとは思えない。

        他の将軍達ならまだしも、あの方はそれ程愚かではない。







        では何故あの様な行為に出たのか…











        あそこで身を捧げなければもう二度と触れられないと思ったから…









        「大佐…?」

        「あぁ、何でもない。大丈夫だ。予定通りに事を運んでくれ…」



        はっ、と敬礼をかざし、彼女を初めとする私の部下が私の思いを形にしていく。







        大総統、キング・ブラッドレイ…

        私は初めてあなたの期待を裏切ります…



        いえ…これがあなたが私に期待している事なのかもしれませんね…







        他の誰でもない…この私の手であなたを葬り去る。

        それが私のあなたに対する最大の忠誠心。







        あなたとの事を決着をつける日がやって来ようとは…









        私とあなたのどちらを神は選ぶのか。

        戦う事はもはや宿命。相容れぬもの同士が愛し合った罰。









        願わくば共に地獄へ落ちらん事を…

                





アニメのとあるシーンに触発されて途中まで書き下ろしたやつです。(笑)

暫く放置していたんですが、突然エロが書きたくなって最後まで一気に仕上げました。
あのくらい会議室の中。カーテンを開けた時のロイの表情。もう妄想爆発ですわ。

しかもそのあと『准将』になってるし。

「きゃっ!一体会議でどれだけ媚を売ったのかしら??」と妄想は尽きる事無く。
そのあとのアニメも手伝ってこうなってしまいました。

ちなみに、東の将軍はロイに手を出してはおりません…(笑)


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